甘いものがやめられません。血糖値への影響と、うまくコントロールする方法を教えてください。

甘いものへの強い欲求は血糖値の乱れと関連している場合があります。「完全にやめる」より「タイミングと置き換えを工夫する」アプローチのほうが長続きしやすく、機能性表示食品の賢い活用も選択肢のひとつになり得ます。

解説

甘いものを食べたあと、血糖値が急上昇してインスリンが大量分泌され、続いて血糖値が急低下する(反応性低血糖) ——これが再び「甘いもの欲求」につながる悪循環です。日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」では、砂糖の過剰摂取を避けつつ、バランスの良い食事パターンを基本としています。

海外の研究ですが、高糖質・高脂肪食品が依存様の食行動と関連することが報告されています(PLOS ONE. 2015, PMID: 26244707)。「意志の弱さ」ではなく、血糖と脳の反応という生理的なメカニズムが関わっているとすれば、対策の方向性も変わってきます。

菓子類の代わりに、血糖対策の機能を届け出た機能性表示食品(ヨーグルト等)を間食に取り入れることも、血糖管理をサポートする選択肢のひとつとなります。国内の研究(今井ら, 2018)では、菓子類を間食にするよりも、ヨーグルトを摂取したほうが、その後の夕食後の血糖上昇まで抑制され、1日の血糖変動が安定したことが報告されています。

甘いものと上手に付き合ううえで検討が推奨される点

特に重要とされるのは、「甘いものを『禁止』ではなく『置き換え』と考えること」とされている点です。完全禁止はストレスで逆効果になることも多いです。

甘いものと上手に付き合う3つの方法と理由をまとめた表です。1つ目は「間食を低糖質の機能性表示食品に置き換える」で、菓子類の代わりに血糖対策機能を届け出た無糖・低糖質のヨーグルトにすることです。理由は「甘みを満たしつつ、血糖スパイクを抑える可能性がある」ためです。2つ目は「食後に甘いものを食べる」で、理由は「食物繊維・たんぱく質が先に入ることで吸収が遅くなるため、空腹時より食後に食べることで血糖上昇が緩やかになるからです。なお食事全体のカロリーや糖質量が過剰にならないよう注意は必要です。3つ目は「睡眠7時間を確保する」で、毎日同じ時間に寝起きすることです。理由は「睡眠不足はグレリン(食欲増進ホルモン)を増加させ、甘いものの欲求を強める」ためです。

ここだけは伝えたいメッセージ

「甘いものが止まらない」状態が強い場合、血糖値の乱れ以外に心理的な依存要因が関わっていることもあります。一般内科・糖尿病外来または心療内科への相談をご検討ください。また、すでに糖尿病の治療薬(インスリンやインスリン分泌促進薬など)を使用している方で、強い空腹感や冷や汗動悸などを伴う場合は「低血糖」を起こしている危険があります。必ず主治医にご相談ください。

体重増加が続く・HbA1cが上昇傾向にあるという場合は、生活習慣の改善だけでは限界があるサインです。管理栄養士との連携も検討しましょう。

まとめ:甘いものとの付き合い方を「禁止」から「賢い選択」に変える

血糖の乱高下を防ぐことが、甘いもの欲求のコントロールにもつながります。機能性表示食品も活用しながら、焦らず少しずつ習慣を変えていきましょう。

甘いものとの上手な付き合い方をまとめた表です。基本は、甘いものを「禁止」より「タイミングと賢い置き換え」で付き合い方を変えることです。注意点として、甘いもの依存が強い・体重増加が続く場合は内科・糖尿病外来へ相談することが記載されています。

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  4. 公開

福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長

井林 雄太 監修

関連する質問
健診でHbA1cが少し高いと言われました。治療以外に、血糖値対策の機能性表示食品も試してよさそうでしょうか?

HbA1cが基準値を超えた場合、まず一般内科・糖尿病専門外来への受診を検討することが重要です。生活習慣の見直しとともに、血糖値の上昇を穏やかにする食品の取り入れ方も早期から意識することが大切です。

腸内フローラを整えるために何をすれば一番効果的なのでしょうか?最近よく見る機能性表示食品などを活用するコツも知りたいです。

ヨーグルト等の摂取をおすすめします。機能性表示食品はあくまで不足を補う補助として活用し、自分に合うものを2週間以上継続して、お腹の調子を観察するのがコツです。

甘いものがやめられません。血糖値への影響と、うまくコントロールする方法を教えてください。

甘いものへの強い欲求は血糖値の乱れと関連している場合があります。「完全にやめる」より「タイミングと置き換えを工夫する」アプローチのほうが長続きしやすく、機能性表示食品の賢い活用も選択肢のひとつになり得ます。

ピロリ菌の除菌に成功したのですが胃の不快感が続いています。機能性表示食品などで胃の環境を整え続けることは意味がありますか?

除菌後も胃粘膜の回復には時間がかかるため、定期受診が不可欠です。機能性表示食品は、あくまで補助として取り入れるとよいでしょう。

血圧が少し高めと言われました。生活習慣改善の中で、ヨーグルトや乳酸菌飲料を取り入れることを考えているのですが、飲むタイミングで何か変わりますか?

血圧対策として乳酸菌飲料を取り入れる場合、「いつ飲むか」より「毎日続けるかどうか」が重要と言えそうです。ヤクルト菌(L. casei Shirota株)を用いた長期観察研究では、継続摂取が高血圧の新規発症リスクの低下と関連することが示されています。まず「毎朝同じ時間」に習慣化することが最初のステップです。

運動が苦手でも、血糖値を下げる方法として機能性表示食品を利用してもよいでしょうか?

「ジムに通う」「まとめて運動する」必要はありません。日常のこまめな動きをベースに、機能性表示食品は補助的に取り入れることが、運動が苦手な方に続けやすいアプローチと言えそうです。ただし、機能性表示食品は「血糖値を下げる(治療する)」ものではなく、「血糖値の急上昇を穏やかにする」ものであるという前提は知っておきましょう。

「血糖値スパイク」ってなんですか?食事や機能性表示食品などで防ぐ方法はありますか?

血糖値スパイクとは食後の急激な血糖上昇・下降のことで、繰り返されると血管ダメージの原因になり得ます。食べる順番や速さを工夫することや、適切なタイミングで機能性表示食品などを活用することで 、ある程度緩やかにできる可能性があります。

血圧について「経過観察」と言われました。対策のひとつとしてヨーグルトや乳酸菌飲料も考えているのですが、どう選べばよいですか?

その場合には、まず基本となる減塩・食生活習慣、運動習慣などの改善・禁煙・節酒・体重管理を最初に行いましょう。ヨーグルトや乳酸菌飲料は、あくまでそれらの基本的な対策を行った後に検討する補助的選択肢となっています。 もしヨーグルトや乳酸菌飲料を考える場合には、作用機序が異なる2つのアプローチから製品を選ぶことができます。①腸脳相関・ストレス緩和を介してアプローチするヤクルト菌(L. casei Shirota株)含有製品、②乳清由来ペプチドVPP・IPPによるACE阻害(直接的な降圧作用)を持つ製品です。どちらも生活習慣改善の補助手段であり、医療的な降圧治療の代替にはなりません。

食物繊維やプレバイオティクスは、血圧にも影響がありますか?

食物繊維やプレバイオティクスは腸内細菌の活性化を通じて短鎖脂肪酸を産生し、血圧調節に関与する可能性があります。DASH食(野菜・果物・低脂肪乳製品を多く含む食事パターン)は食物繊維が豊富で、高血圧管理に有効なエビデンスが蓄積されています。プレバイオティクスとプロバイオティクスを組み合わせたシンバイオティクスアプローチが腸内環境と循環器健康の両面からサポートする可能性があります。

血圧が気になって乳酸菌飲料を飲み始めました。毎日同じものにすべきか、いろいろ試したほうがいいですか?

高血圧リスクの低下を期待するなら、「エビデンスのある同じ菌株・製品を毎日継続する」ことが重要と言えそうです。プロバイオティクスの効果は菌株特異的であり、異なる菌を頻繁に切り替えることで期待する効果が得られない場合があります。一方、腸内環境の多様性を高めるという観点では、発酵食品全体を幅広く摂ることにも意義があります。

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(参考文献)

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