ウェルネス
ウェルネスとは、単に病気でない状態(ヘルス)にとどまらず、心身や社会的な健康を含めて自ら高めていく「能動的な生き方」を指します。具体的には、運動・食事・睡眠といった身体的側面だけでなく、ストレス対処や人とのつながりなどを整え、生活の質(QOL)を総合的に向上させる考え方です。「より良い健康状態を自らデザインし、輝かしく生きる」ことがその本質です。
医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
石川 翔理 監修
ウェルネスのQ&A
健康維持のサポートという観点では、過剰でない限りは「良い習慣」と言えそうです。
体内のメカニズムに照らすと、睡眠の改善が期待できる工夫のひとつと言えます。ただし、影響は穏やかです。
現時点のエビデンスでは、サプリメントと機能性食品のどちらが一概に優れているとは言えません。血圧対策として科学的根拠が蓄積されているのは、①L. casei Shirota株含有乳酸菌飲料(継続摂取による高血圧リスク低下)と②VPP・IPP含有発酵乳(ACE阻害による降圧ペプチド)の2つのアプローチです。降圧薬の代替にはなりませんが、生活習慣改善の補助手段として有効とする報告もあります。
胃粘膜の防御力が落ちると、胃酸そのものによって胃の粘膜が障害されます。医療機関を受診して病状を確認しつつ、機能性表示食品はあくまで補助として取り入れ、防御因子を整えるのが有効です。必要に応じ、胃酸を抑える内服薬が有効な場合もあります。
血圧対策として乳酸菌飲料を取り入れる場合、「いつ飲むか」より「毎日続けるかどうか」が重要と言えそうです。ヤクルト菌(L. casei Shirota株)を用いた長期観察研究では、継続摂取が高血圧の新規発症リスクの低下と関連することが示されています。まず「毎朝同じ時間」に習慣化することが最初のステップです。
高血圧リスクの低下を期待するなら、「エビデンスのある同じ菌株・製品を毎日継続する」ことが重要と言えそうです。プロバイオティクスの効果は菌株特異的であり、異なる菌を頻繁に切り替えることで期待する効果が得られない場合があります。一方、腸内環境の多様性を高めるという観点では、発酵食品全体を幅広く摂ることにも意義があります。
その場合には、まず基本となる減塩・食生活習慣、運動習慣などの改善・禁煙・節酒・体重管理を最初に行いましょう。ヨーグルトや乳酸菌飲料は、あくまでそれらの基本的な対策を行った後に検討する補助的選択肢となっています。 もしヨーグルトや乳酸菌飲料を考える場合には、作用機序が異なる2つのアプローチから製品を選ぶことができます。①腸脳相関・ストレス緩和を介してアプローチするヤクルト菌(L. casei Shirota株)含有製品、②乳清由来ペプチドVPP・IPPによるACE阻害(直接的な降圧作用)を持つ製品です。どちらも生活習慣改善の補助手段であり、医療的な降圧治療の代替にはなりません。
食物繊維やプレバイオティクスは腸内細菌の活性化を通じて短鎖脂肪酸を産生し、血圧調節に関与する可能性があります。DASH食(野菜・果物・低脂肪乳製品を多く含む食事パターン)は食物繊維が豊富で、高血圧管理に有効なエビデンスが蓄積されています。プレバイオティクスとプロバイオティクスを組み合わせたシンバイオティクスアプローチが腸内環境と循環器健康の両面からサポートする可能性があります。
除菌後も胃粘膜の回復には時間がかかるため、定期受診が不可欠です。機能性表示食品は、あくまで補助として取り入れるとよいでしょう。
ヨーグルト等の摂取をおすすめします。機能性表示食品はあくまで不足を補う補助として活用し、自分に合うものを2週間以上継続して、お腹の調子を観察するのがコツです。
HbA1cが基準値を超えた場合、まず一般内科・糖尿病専門外来への受診を検討することが重要です。生活習慣の見直しとともに、血糖値の上昇を穏やかにする食品の取り入れ方も早期から意識することが大切です。
血糖値スパイクとは食後の急激な血糖上昇・下降のことで、繰り返されると血管ダメージの原因になり得ます。食べる順番や速さを工夫することや、適切なタイミングで機能性表示食品などを活用することで 、ある程度緩やかにできる可能性があります。
甘いものへの強い欲求は血糖値の乱れと関連している場合があります。「完全にやめる」より「タイミングと置き換えを工夫する」アプローチのほうが長続きしやすく、機能性表示食品の賢い活用も選択肢のひとつになり得ます。
糖質制限は血糖値改善に効果が期待できる一方、やりすぎや偏りによるリスクもあります。特に、すでに糖尿病の薬を使用している方の自己流の糖質制限は大変危険です。「適正量への調整」と機能性表示食品との組み合わせは、過剰でなければ長続きするアプローチとも言えそうです。
「ジムに通う」「まとめて運動する」必要はありません。日常のこまめな動きをベースに、機能性表示食品は補助的に取り入れることが、運動が苦手な方に続けやすいアプローチと言えそうです。ただし、機能性表示食品は「血糖値を下げる(治療する)」ものではなく、「血糖値の急上昇を穏やかにする」ものであるという前提は知っておきましょう。
「糖尿病予備群」の段階では、食事・運動などの生活習慣の見直しが血糖値管理の中心となります。腸内環境を整えるプロバイオティクスや食物繊維は、その補助として活用できる可能性が示されています。
食後の急激な血糖上昇(血糖値スパイク)は、食事の内容・順番や腸内環境と関連する可能性があります。食物繊維を活用した食べ方の工夫とプロバイオティクスの組み合わせが補助として役立てることができそうです。
冷たい飲み物は胃の動きを一時的に遅くし、消化機能に影響を与える可能性があります。温度を意識した飲み方と胃で働く乳酸菌の活用で、症状が和らぐ可能性があります。
ストレスが脳から腸へ信号を送り、腸の動きを乱すことで腹痛や下痢が起きます。腸内環境を日頃から整えておくことで、症状が和らぐ可能性があります。
加齢に伴って胃の消化機能が変化し、脂質の消化に時間がかかりやすくなります。胃で働く乳酸菌の継続摂取で不快感が和らぐ可能性があります。
長時間の座位は腸の蠕動運動を低下させ、便秘の一因になる可能性があります。まず体を動かす習慣を見直すことが基本で、プロバイオティクスはその補助として役立てることができそうです。
プロバイオティクス(乳酸菌など)とプレバイオティクス(食物繊維など)を組み合わせる食べ方は「シンバイオティクス」と呼ばれ、それぞれ単独よりも腸内環境を整える効果が高まる可能性があるとされています。
便の形状・硬さは腸内環境の状態を反映するとされており、「ブリストル便形状スケール」を使った排便性状の自己チェックが参考になります。食事の改善やプロバイオティクスは腸内環境を整える補助として活用できる可能性があります。
腸と脳は「脳腸相関」を通じて互いに影響し合っており、腸内環境の乱れが片頭痛に関係しうることが示唆されています。生活習慣の見直しとプロバイオティクスは補助として活用できる可能性があります。
脳と腸は脳腸相関を通じて関連しており、高齢者の認知機能と腸内環境の関連が評価されつつあります。食事とプロバイオティクスは脳の健康を裏で支える補助として取り入れる価値があります。
月経前症候群(PMS)と腸内フローラの関連を示唆する研究が出ており、腸内環境を整えることが補助的に役立つ可能性があります。ただしプロバイオティクスだけでPMSを治せるわけではなく、生活習慣の見直しとあわせて取り組むことが推奨されます。
エクオールは大豆イソフラボンが腸内細菌によって代謝されてできる成分で、更年期のほてり軽減に関連するとされています。体内でエクオールを作れる人と作れない人がいるため、母体となる腸内環境との関連は大きいと考えられています。
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(参考文献)
Braga JD et al. Gamma-aminobutyric acid as a potential postbiotic mediator in the gut-brain axis. NPJ Science of Food. 2024, 8, 16.
Sabrina Mörkl et al . Probiotics and the Microbiota-Gut-Brain Axis: Focus on Psychiatry. Curr Nutr Rep. 2020, 9, 171-182.
e-ヘルスネット.“セロトニン”.厚生労働省.https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-074,(参照 2026-04-23).
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