ドキソルビシン塩酸塩(ドキシルⓇ)では、どのような副作用がみられますか?

重い副作用として心筋障害や手足症候群、口内炎などがあり、リンパ球数の減少なども報告されています。

解説

ドキソルビシン塩酸塩(ドキシルⓇ)では、以下のような副作用が報告されています。このお薬の重い副作用として心筋障害や手足症候群、口内炎などが報告されています。

重大な副作用

心筋障害(頻度不明)

心臓の筋肉に負担がかかり、心臓の働きが弱くなることがあります。これは「心筋症」や「うっ血性心不全」と呼ばれます。

骨髄抑制

血液を作る働きが弱くなり、発熱、出血しやすくなる、身体がだるくなる、息苦しい、感染症にかかりやすくなるなどの症状がみられます。

Infusion reaction(18.9%)

点滴中にほてり、顔の紅潮、胸の不快感、息苦しさ、吐き気、熱感、背中の痛み、脈が速くなるなどの症状が急に出ることがあります。

手足症候群(78.4%)

手のひらや足の裏に、赤み、腫れ、痛み、皮がむけるなどの症状が出ます。

口内炎(77.0%)

口の中や唇に炎症やただれができます。

肝機能障害(頻度不明)

肝臓の働きを示す検査値に異常が出ることがあります。

間質性肺疾患

間質性肺疾患(1.4%)、肺臓炎(1.4%)が現れることがあります。や息切れなどの症状がみられます。

肺塞栓症(頻度不明)

呼吸困難や息切れ、胸痛、咳などの症状がみられます。

深部静脈血栓症(1.4%)

脚の腫れ(通常片方のみ)、皮膚の色の変化、痛みなどの症状がみられます。

その他報告されている副作用

がん化学療法後に悪化した卵巣がんに使用した場合(頻度:30%以上のもの)

  • リンパ球数減少
  • 食欲不振
  • 悪心
  • LDH増加
  • 発疹
  • 疲労
  • 体重減少
  • 血中アルブミン減少

エイズ関連カポジ肉腫に使用した場合(頻度:5%以上のもの)

  • 無力症
  • 発熱
  • 脱毛症
  • 悪心
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 口腔モニリア症
  • 低色素性貧血
  • ALP増加

公開日

最終更新日

無所属 薬剤師

齊藤 由佳 監修

(参考文献)

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