フレカイニド酢酸塩（タンボコールⓇ）にはどのような副作用がありますか？
新しい種類の不整脈を引き起こしたり、心不全や肝障害などの原因となることがあります。
フレカイニド酢酸塩（タンボコールⓇ）は抗不整脈薬とよばれる薬の一種です。
心臓は電気刺激によって心筋が刺激されることで規則的に動きます。抗不整脈薬は、心臓内の電気興奮を作り出すイオンチャネルをブロックすることで、電気刺激を調整し、不整脈による脈の乱れや頻脈を治療する薬です。しかし、電気の流れを抑えすぎてしまったり、新しい電気刺激や回路を作ってしまうことで、新しい不整脈を起こしやすくしてしまうことがあります。
具体的に報告されている副作用は以下の通りです。使用中はこれらの副作用の発現に十分注意し、気になる症状があれば、すぐに医師・薬剤師へご連絡してください。
重大な副作用
脈の伝わりが悪くなりすぎる（頻度：いずれも0.1%未満または0.1～5%未満）
電気刺激が過度に伝わりにくくなると、脈がゆっくりになりすぎてしまいます。
新しい種類の不整脈（頻度：いずれも0.1%未満または0.1～5%未満）
難しい言い方では催不整脈作用（さいふせいみゃくさよう）といいますが、薬の作用でそれまでと違う不整脈を出やすくしてしまうことがあります。
- 心室頻拍（心室が速く動くことで頻脈となり、心室細動に移行する危険のある非常に危険な不整脈）
- 心室細動（心室がふるえて血液を十分に送り出せなくなり、心肺停止の状態となる）
- 心房粗動（心房が速く動き、頻脈を引き起こす）
心不全（頻度：0.1%未満）
抗不整脈薬によって心筋の収縮する力を低下させ、心不全を引き起こすことがあります。
- 心不全の悪化
肝臓の障害（いずれも頻度不明）
そのほか報告されている副作用（頻度：0.1～5%未満）
おだかクリニック 循環器内科 副院長
小鷹 悠二 監修
(参考文献)
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