線維筋痛症の可能性について相談させてください。腰痛や首から肩、二の腕の痛み、高血圧症、脂質異常症で治療中です。
70代・女性のご相談
妻が1ヶ月前から体の痛みが続いており、特に腰痛や首から肩、二の腕にかけての痛みが気になります。朝起きる際に手足に力が入らず、起き上がるまで時間がかかることもあります。これらの症状について、線維筋痛症の可能性があるのか知りたいと思っています。
現在、貧血や生活習慣病の治療を受けており、高血圧症と脂質異常症の薬を服用しています。アレルギーはありません。これまでに病院を受診しましたが、線維筋痛症の疑いや診断は受けていません。
医師に相談したいのは、これらの症状が線維筋痛症に関連しているかどうかです。どのように対処すれば良いか、アドバイスをいただけると助かります。
奥様の腰や首、肩、二の腕の痛み、そして朝の手足の力が入りにくい症状について心配されているのですね。1ヶ月前から続いているとのことで、特に朝起きるときに手足に力が入らず、時間がかかるというのは本当に大変だと思います。奥様のつらさを思うと、心配でたまらないお気持ち、お察しします。
【線維筋痛症について】
線維筋痛症は、体中の筋肉や関節に痛みやこわばりが続く病気です。疲れやすくなったり、眠りが浅くなったりすることもあります。原因はまだはっきりとはわかっていませんが、脳が痛みを感じやすくなっているのではないかと考えられています。主な症状としては、全身の痛み、疲れやすさ、眠りの問題、体のこわばり、気分の落ち込み、頭痛、しびれ、お腹の調子が悪くなることなどがあります。
線維筋痛症かどうかを判断するには、次の3つのポイントが参考になります。
- 体の広い範囲に痛みがあること
- 体の特定の場所を押すと痛みを感じることが多いこと
- 痛みが3カ月以上続いていること
診断はこれらを参考にしながら、他の病気を除外して行われます。血液検査や画像検査では異常が見つからないことが多く、診断が難しい病気です。
【考えられる他の病気】
奥様の症状から、他の病気の可能性も考えられます。
- 頚椎症: 首の骨が変形して神経を圧迫し、首や肩、腕に痛みやしびれが出ることがあります。
- 胸郭出口症候群: 首から出る神経や血管が圧迫され、肩や腕、手に痛みやしびれが起こることがあります。
- 多発性筋炎・皮膚筋炎: 筋肉の炎症で筋肉痛や筋力低下が起こる病気です。
- 関節リウマチ: 免疫の異常で関節に炎症が起こり、痛みやこわばりが出ることがあります。
【次のステップ】
1. 整形外科の受診
- 現在の症状を詳しく医師に伝え、診察を受けてみましょう。
- 腰や首、肩、二の腕の痛みについて、必要な検査を受けてみると良いでしょう。
- 他の病気が疑われる場合は、専門の診療科の受診も考えてみてください。
2. 膠原病科(リウマチ科)の受診
- 線維筋痛症の診断には、専門の診療科での診察が役立ちます。
- 他の病気を除外しながら、診断を確定してもらいましょう。
3. 薬物療法
- 痛みやしびれを和らげる薬、眠りを改善する薬、気分を安定させる薬などがあります。
- 現在服用中の薬についても、効果や副作用を医師と相談しながら、適切なものを選んでいきましょう。
4. リハビリテーション
- 理学療法士によるリハビリは、筋肉や関節の柔軟性を高め、痛みを和らげるのに役立ちます。
- ストレッチや筋力トレーニング、温める療法などがあります。
5. 認知行動療法
- 痛みに対する考え方や行動を変えることで、痛みをコントロールする方法です。
- 線維筋痛症の治療にも効果があるとされています。
【まとめ】
奥様の症状は、線維筋痛症のほかにも、頚椎症や胸郭出口症候群、多発性筋炎、関節リウマチなどの可能性も考えられます。まずは整形外科を受診し、必要に応じて専門の診療科も検討してみてください。薬やリハビリ、認知行動療法を組み合わせて、少しでも症状が楽になるようにしていきましょう。どうぞお大事になさってください。
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