尿管がんのリンパ節転移に対する免疫療法と治療方針について相談させてください。

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60代男性のご相談

尿管がんの治療についてご相談させていただきます。私は尿管がんと診断され、複数のリンパ節に転移しています。2023年に右尿管がんの治療として、右腎臓から尿管、膀胱の一部を摘出する手術を受けました。術後の生体検査でステージ3aと判定され、抗がん剤治療を行いましたが、免疫機能の低下により一部の投与をスキップしました。その後、定期的に転移の確認を行っていましたが、術後1年で腹部のリンパ節に転移が確認されました。 現在、キイトルーダとエンホルツマブベドチンの併用による免疫療法を提案されていますが、他の治療方法については示されていません。腹部リンパ節への転移はステージ4に該当し、重篤な病状と考えてよいのでしょうか。また、リンパ節から他の臓器への転移リスクについても懸念しています。 提案された免疫療法が私のようなケースに有効であるか、他に可能な治療方法があるか、またこの免疫療法が効果を示さなかった場合の次の治療法について知りたいです。医師からの資料では、免疫療法のOS中央値が31.5か月とされていますが、これは統計的なおおよその生存期間と理解してよいのでしょうか。アドバイスをいただけると助かります。
医師の回答

この度は私たちを信頼してご相談いただき、心より感謝申し上げます。今回は、いただいたご質問にお答えする形でお話しさせていただきますね。

【現時点での病状に関する質問】

1. 腹部リンパ節への転移について

腹部のリンパ節に転移が見られるということは、病状が進行していると考えられます。手術後に病変が見つからなかった状態から再発した場合、厳密にはステージを再評価することはありませんが、リンパ節転移がある場合はステージ4と考えられます。「重篤な病状と考えてよいか」というご質問については、何をもって重篤と考えるかという問題がございますので、国立がん研究センターのデータのご提示で回答とさせていただきます。あくまでも統計上の数値でございますが、腎盂尿管がんのステージ4の5年生存率は11%となっています(2015年のデータ)。

2. 他の臓器への転移リスクについて

リンパ節に再発があるということは、体内に小さながん細胞が広がっている可能性があるため、他の臓器に転移するリスクは高いと考えられます。特に膀胱や背骨、肺、肝臓、骨などに転移しやすい傾向があります。

【現在提案を受けている免疫療法について】

3. キイトルーダとエンホルツマブベドチン(EV)併用療法について

現在提案されている「キイトルーダとEV併用療法」は、最新の治療法として期待されています。この治療法は2024年に承認されたばかりで、以前の化学療法が効果を示さなかった場合でも有効と考えられています。過去に受けた化学療法は再発予防を目的としていましたが、現時点ではこの新しい治療法が最善の選択肢と考えられます。

4. 他の治療方法について

現在の状況では、リンパ節を取り除く手術はあまり効果的ではないと考えられます。体内に広がっているがん細胞に対しては、全身に作用する薬物療法が有効とされています。そのため、再発時には化学療法や抗体薬が選ばれることが多いです。

5. 免疫療法が効果を示さなかった場合について

「キイトルーダとEV併用療法」が承認される前は、化学療法、キイトルーダ、EVの順で治療が行われていました。この併用療法は、単剤よりも効果が高いとされていますが、次の治療法はまだ確立されていません。

6. 免疫療法の生存期間について

「OS中央値」とは、「治療を受けた方の生存期間を順に並べたときにちょうど真ん中に位置する方の生存期間」を示しています。例えば、9人の場合、5番目の方の生存期間となります。厳密には平均値ではありませんが、おおよその目安として理解していただいて問題ありません。キイトルーダ単剤とEV単剤のOS中央値はそれぞれ10.3ヶ月、13.9ヶ月ですが、併用療法は生存期間を延ばす可能性が高いと考えられています。

少しでもお役に立てれば幸いです。これらの数値はあくまで統計データであり、個人差がありますので、どうかご自身のペースで治療に向き合ってくださいね。お力になれることがあれば、いつでもご相談ください。

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