低ナトリウム血症

監修医師濵﨑 秀崇はまさき医院 内科

更新日
2026/05/21
公開日
2022/02/15

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低ナトリウム血症とは

大事なミネラルであるナトリウムの、血中濃度が低い状態です。通常はバランスが保たれていますが、補正ができていない状態です。摂取不足や排泄過多が原因です。利尿薬や下痢などのほか、何らかの病気に引き続いて起こることもあります。

「低ナトリウム血症」とはどのような病気ですか?

低ナトリウム血症は血液中のナトリウムが低くなる病気で、水分バランスが崩れて起こります。高齢者では転倒や認知機能低下に注意が必要です。

低ナトリウム血症とは、血液中のナトリウム濃度が正常よりも低下した状態を指し、体内の水分バランスの崩れやホルモン分泌の異常で起こります。

血清ナトリウム濃度が135mmol/L未満の場合に診断され、病院に入院する患者の15~30%に見られると報告されています。

軽い低ナトリウム血症では頭痛や吐き気がみられますが、重症になると意識障害やけいれん、昏睡に至ることもあり危険です。また、慢性的な低ナトリウム血症は、転倒や骨折、認知機能の低下などに関連し、特に高齢者では注意が必要な病気です。

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低ナトリウム血症の症状

低ナトリウム血症には初期症状はありますか?

はい、低ナトリウム血症には頭痛、吐き気、倦怠感などの初期症状があります。

低ナトリウム血症には初期症状があり、ほとんどは非特異的で軽い症状です。頭痛、吐き気(嘔吐を伴わない)、倦怠感、集中力や注意力の低下、めまいなどがみられます。これらの症状は風邪や疲労と区別しにくく、見逃されがちです。

しかし、症状が進行すると、意識障害やけいれん、昏睡といった重篤な神経症状に至る可能性があります。特に、急激に血液中のナトリウム濃度が低下した場合、脳浮腫を起こし危険です。初期の段階で低ナトリウム血症に気づき、治療を開始することが大切です。

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低ナトリウム血症ではどのような症状がありますか?

低ナトリウム血症では頭痛や倦怠感、けいれん、意識障害など、さまざまな脳の症状が現れます。急激にナトリウムが低くなると脳がむくみ危険です。

低ナトリウム血症では、体内の水分バランスが崩れ、脳に関係した症状が出やすくなります。症状は軽いものから、重いものまでさまざまで、初期には頭痛、吐き気、倦怠感、集中力の低下などがあります。

進行すると、意識がもうろうとしたり、混乱状態になったり、けいれんや昏睡を起こすこともあります。急激にナトリウムが低下すると、脳がむくみ、命に関わる危険な症状が出ることがあります。

一方、ゆっくり進行する慢性的な低ナトリウム血症では、ふらつきや歩行障害、注意力の低下などが起こり、特に高齢者では転倒して骨折するなど、日常生活に支障をきたす可能性があります。また、骨粗鬆症との関連も報告されています。

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低ナトリウム血症の原因

低ナトリウム血症の原因は何がありますか?

低ナトリウム血症の主な原因は、ホルモン異常による水の排泄障害、水の飲みすぎ、他の病気によるナトリウムの喪失の3つです。

低ナトリウム血症の原因は、大きく3つに分類されます。

まず、「体内の水分をうまく排泄できなくなる状態」があります。主に抗利尿ホルモン(バソプレシン)の過剰な分泌により、尿をうまく薄められなくなることで起こります。抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)や副腎不全、甲状腺機能低下症などが含まれます。

次に、「過剰な水分摂取」があり、原発性(心因性)多飲症が挙げられます。摂食障害やビール多飲症候群(beer potomania)の患者さんにみられます。

3つ目が「ナトリウムの喪失」であり、下痢や嘔吐、利尿薬の使用、腎疾患、心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群などで、体液が失われた場合にみられます。また、血糖値の上昇や高トリグリセリド血症などによる偽性低ナトリウム血症にも注意が必要です。

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低ナトリウム血症の検査・診断

低ナトリウム血症のセルフチェックはできますか?

解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。

以下の項目に合致する場合、低ナトリウム血症の可能性があります。

  • 頭が痛い
  • 吐き気がする
  • 食欲がない
  • だるい
  • 歩くときにふらつく
  • 物事に集中できない、注意力が続かない
  • 混乱して考えがまとまらない
  • よくつまずく、転ぶ(高齢者)
  • 物忘れが多い(高齢者)
  • けいれんが起こる
  • 意識がもうろうとする
  • 水をたくさん飲む

心臓、腎臓、肝臓の病気をお持ちの方、利尿薬を内服している方、嘔吐・下痢が続いている方は、それらの病気が原因で低ナトリウム血症を起こしている可能性があります。

また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、低ナトリウム血症かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。

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低ナトリウム血症と診断される基準値はどのくらいですか?

低ナトリウム血症と診断される基準値は、血液中のナトリウム濃度が135mmol/L未満の場合です。

血液中のナトリウム濃度が135mmol/L未満の場合に、低ナトリウム血症と診断されます。

さらに、重症度は以下のように分類されています。

  • 軽症:130–134 mmol/L
  • 中等症:125–129 mmol/L
  • 重症:<125 mmol/L

重症度はナトリウム濃度の数値だけでなく、神経症状(意識障害、けいれんなど)の有無や発症の速さ(急性か慢性か)によって、臨床的に判断されます。急激にナトリウム濃度が低下すると、脳浮腫を起こし危険であるため、速やかな治療が必要です。

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低ナトリウム血症の治療・対処法

低ナトリウム血症への対処法は?

街中では血液検査が行われないため、見つかることはありません。症状も低ナトリウム血症に限ったものではないことがほとんどです。体調に応じて医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。

低ナトリウム血症の場合、主にどのような治療をしますか?

低ナトリウム血症は、水分制限や点滴でナトリウムを補正して治療します。重症度に応じて慎重に治療します。

低ナトリウム血症の治療は、水分量の調節や点滴を行い、血液中のナトリウム濃度を補正して治療します。治療法は、原因や重症度、発症の速さ(急性か慢性か)によって異なります。

重度または急性の症状(けいれん、意識障害など)がある場合は、命に関わるため、3%高張食塩水を用いた速やかなナトリウム濃度の補正を行います。ただし、ナトリウムの補正速度が速すぎると、脳に不可逆的な障害(中枢橋髄鞘崩壊症)を起こすことがあるため、慎重に行う必要があります。

また、軽症や慢性的な低ナトリウム血症の場合は、原因疾患の治療や水分制限、薬(バソプレシン受容体拮抗薬など)の使用が検討されます。抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)では、水制限が基本ですが、重症例では薬剤治療を併用します。

治療は症状と検査値(血中ナトリウム濃度)をモニタリングしながら、慎重に調整する必要があります。

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受診の目安・何科を受診するべきか

低ナトリウム血症が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?

低ナトリウム血症が疑われる場合、病院を受診する明確な目安はありませんが、症状が急に出てきた場合や症状が改善しない場合は、病院を受診するようにしましょう。

低ナトリウム血症が疑われ、嘔吐、意識の混濁、異常な眠気、けいれん、呼吸困難などの重い症状がある場合は、脳が障害され命に関わる可能性があるため、ただちに医療機関を受診すべきです。

また、頭痛、吐き気、ふらつき、集中力の低下など軽度・中等度の症状であっても、持続する場合や高齢者の場合は、早めに病院を受診して検査を受けることが望ましいと考えられます。

原因不明の倦怠感などが続くときは、血液検査を行い、ナトリウム濃度や低ナトリウム血症に関係するホルモンの値を調べることが重要と考えられます。

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低ナトリウム血症が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?

低ナトリウム血症が疑われる場合、腎臓内科や内分泌科を受診しましょう。重い神経症状がある場合は救急科を受診してください。

低ナトリウム血症が疑われる場合、腎臓内科や内分泌科を受診しましょう。体内の水分バランスやホルモン分泌の異常が原因であり、専門的な検査・診断が可能な医師に診てもらうことが望ましいです。

しかし、急激に低ナトリウム血症を起こし、けいれんや意識障害を起こしている場合は、ただちに救急科を受診してください。

また、経過が長く症状が軽い場合は、一般内科を受診して血液中のナトリウム濃度を調べてもらい、必要に応じて腎臓内科や内分泌科を紹介してもらっても問題ないと考えられます。

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低ナトリウム血症の専門医がいる近くの病院はありますか?

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低ナトリウム血症の薬

低ナトリウム血症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)には、利尿薬が用いられることがあります。中枢橋髄鞘崩壊症、口渇、多尿、肝障害などの副作用があります。

低ナトリウム血症の中で、特に抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)など、体内の水分の排泄障害が原因の低ナトリウム血症には、バソプレシンV2受容体拮抗薬(トルバプタン、サムスカⓇ)が用いられます。

この薬は腎臓での水分の再吸収を抑え、尿量を増やして血液中のナトリウム濃度を上昇させます。水制限が難しい場合や重症例に有効です。副作用として、過度なナトリウムの補正(補正速度が速すぎる)による中枢橋髄鞘崩壊症のリスクがあります。また、口渇、多尿、肝障害などの報告があります。

急性の低ナトリウム血症に対して、点滴で塩分を補充する場合と同様に、血液中のナトリウム濃度を定期的にモニタリングしながら、慎重にナトリウム濃度を補正することが大切です。

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低ナトリウム血症の経過・予後

低ナトリウム血症に後遺症はありますか?

低ナトリウム血症そのものに後遺症はありませんが、ナトリウムを急速に補正すると脳に障害を起こす可能性があります。

低ナトリウム血症そのものに後遺症はありませんが、急性の低ナトリウム血症において、急速なナトリウム補正(1日に10mmol/L~12mmol/Lを超えるナトリウム補正)を行うと、中枢橋髄鞘崩壊症(脳の深い場所にある「橋」という部分の神経を保護する膜が壊れ、深刻な脳の後遺障害)を起こす可能性があります。

また、適切な治療を行わず、慢性の低ナトリウム血症になると、特に高齢者において、注意力の低下、歩行障害・転倒、認知機能の低下がみられます。

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対処法・セルフケア

低ナトリウム血症の場合、日常生活で気をつけることはありますか?

水分の摂りすぎに注意し、低ナトリウム血症を起こす可能性のある薬を飲んでいないかチェックしましょう。異常を感じたら早めに病院を受診しましょう。

低ナトリウム血症の場合、日常生活で気をつけることは、水の摂りすぎに注意することです。抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)による低ナトリウム血症や高齢者では、医師の指示通り適切な水分摂取量を守ることが大切です。

また、自己判断での水分補給やスポーツドリンク等の過剰摂取を行わないようにしましょう。さらに、利尿薬やSIADHの原因となり得る抗うつ薬、抗てんかん薬、解熱鎮痛剤などを使用している場合は、医師との相談が必要です。
低ナトリウム血症で気をつけることを説明する図です
倦怠感、頭痛、ふらつきなどの初期症状に注意し、体調不良を感じたら、早めに医療機関を受診することがすすめられます。

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低ナトリウム血症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?

薬が効かない場合は、低ナトリウム血症の原因を見直す必要があります。主治医に相談してください。

低ナトリウム血症で薬が効かない場合は、まず原因を再評価することが大切です。

水制限やバソプレシン受容体拮抗薬(トルバプタン、サムスカⓇ)の効果がない場合は、低ナトリウム血症の原因が抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)以外の病態でないか、副腎不全、甲状腺機能低下症、薬剤性など、他の原因がないか調べます。

また、ナトリウム補充療法(食塩の投与や高張食塩水(普通の食塩水よりもナトリウム濃度が濃いもの)の点滴)の検討や、利尿薬の中止、水分摂取のさらなる制限も考える必要があります。

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低ナトリウム血症に関連するその他の質問

低ナトリウム血症と脱水の関係を教えてください。

脱水でも下痢・嘔吐、大量の汗により、ナトリウムが多く失われると低ナトリウム血症となるため、水分と塩分をバランスよく補給することが重要です。

低ナトリウム血症と脱水は、一見逆の状態のように思われがちですが、実際には脱水も低ナトリウム血症の一因となりえます。

ナトリウム喪失性の脱水(下痢・嘔吐、大量の汗、利尿薬の使用など)では、体の水分が失われる以上にナトリウムが多く失われ、相対的には水分が多い脱水状態(低張性脱水)となり、血液中のナトリウム濃度は低下します。

このような状況で水だけを補給し続けると、血液中のナトリウム濃度はさらに薄くなり、低ナトリウム血症が悪化します。脱水だからといって水だけを補うのではなく、バランスを意識してナトリウムと水の両方を補うことが重要です。

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低ナトリウム血症について、医師からのよくある質問

医師からよくある質問はありますか?

「低ナトリウム血症」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。

  • けいれん発作がありましたか?

低ナトリウム血症に関連する症状としては次の症状があります

特に関連する症状

次のような症状がある方はご注意ください。

意欲が低下している
自覚した時期
1か月以上前から
症状の頻度
初めての症状である
吐き気・嘔吐がある
症状の程度
1日に6回以上吐いている
自覚した時期
1か月以上前から
頭がボーっとする、すっきりしない
症状の程度
(他人から見て)呼びかけに反応出来ない瞬間があった
症状の経過
改善も悪化もしていない
自覚した時期
4.5時間以内から
便がゆるい・下痢をしている
症状の状態
血が混ざったような便
症状の頻度
初めての症状である

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この記事の監修医師

監修医師 濵﨑 秀崇

濵﨑 秀崇 先生

はまさき医院 内科・糖尿病内科・内分泌・代謝内科

【経歴】 2002年 東京大学理学部 生物学科 卒業 2008年 広島大学医学部 医学科 卒業 2008年 国立病院機構横浜医療センター 研修医 2010年 国立国際医療研究センター病院 糖尿病内分泌代謝科 レジデント 2012年 国立国際医療研究センター国府台病院 内科 医師 2016年 自治医科大学大学院 医学系研究科 卒業 2017年 医療法人泰水会 濵﨑クリニック 医師 2022年 University of Derby MBA Global 修了 2024年 University of Manchester MRes Public Health 修了

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2026/05/21
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2022/02/15