一過性脳虚血発作はセルフチェックできる?一過性脳虚血発作
監修医師原瀬 翔平亀田総合病院 脳神経内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
一過性脳虚血発作とは
「脳梗塞のなりかけ」と表現されることが多い病気です。一時的に脳への血流がなくなり、手足が動かなくなったりしびれたり、言葉がでなくなる(失語)症状が出現する事を指します。心房細動(不整脈の一種)、糖尿病や高血圧等の持病をお持ちの方や高齢者に多いとされます。
「一過性脳虚血発作」とはどのような病気ですか?
一過性に脳梗塞の症状を起こす病気です。
一過性に脳梗塞と同様の症状が起こり、脳の画像検査では所見がなく、24時間以内に症状がおさまる病気です。
症状は虚血が起こる部位によってさまざまです。呂律が回らない、口の片側から水がこぼれる、顔が歪んでいる、片側の手足の力が入らない(麻痺)、片側の手足の痺れや感覚がわからないなどは典型的な症状で、「FAST」という脳梗塞のキャッチフレーズにも含まれています。
「FAST」は、
- Fはface=顔の歪み
- Aはarm=片側の手の麻痺
- Sはspeech=呂律が回らない
といった脳梗塞の症状を表しており、
- Tはtime=発症時間を確認する・あるいは急いで行動する
ことを表します。
つまり、”FAST”の症状があったら”すぐに”病院を受診しましょうということを表す言葉です。
実際はそれ以外にも、半分見えない部分がある(視野の欠損)、言葉が理解できない、言葉が出てこない、字が書けない、飲み込みにくいなど様々な症状が起こりえます。
気になる症状があれば、すぐに脳神経外科や脳神経内科を受診しましょう。
一過性脳虚血発作の症状
一過性脳虚血発作ではどのような症状がありますか?
呂律が回らない、麻痺、痺れなどの症状が突然起こります。
虚血が起こる部位によってさまざまな症状が現れます。
呂律が回らない、口の片側から水がこぼれる、顔が歪んでいる、片側の手足の力が入らない(麻痺)、片側の手足の痺れや感覚がわからないなどは典型的な症状で、「FAST」という脳梗塞のキャッチフレーズにも含まれています。
「FAST」は、
- Fはface=顔の歪み
- Aはarm=片側の手の麻痺
- Sはspeech=呂律が回らない
といった脳梗塞の症状を表しており、
- Tはtime=発症時間を確認する・あるいは急いで行動する
ことを表します。
つまり、”FAST”の症状があったら”すぐに”病院を受診しましょうということを表す言葉です。
実際はそれ以外にも、半分見えない部分がある(視野の欠損)、言葉が理解できない、言葉が出てこない、字が書けない(失書)、飲み込みにくいなど様々な症状が起こりえます。
気になる症状があれば、すぐに脳神経外科や脳神経内科を受診しましょう。
一過性脳虚血発作には初期症状はありますか?
呂律が回らない、麻痺、痺れなどの症状が突然起こります。
多くの場合、前兆なく突然に症状として、呂律が回らない、口の片側から水がこぼれる、片方の手足の脱力や痺れなどが出現します。
一過性脳虚血発作自体が脳梗塞の前兆と表現されることもあり、すぐに適切な治療を開始しないと、脳梗塞を発症する可能性が高まります。
症状は数分から1時間以内に自然に消えることもありますが、決して軽視してはいけません。
脳の血管が一時的に詰まったサインであり、放置すると重大な後遺症を残す脳梗塞に進展するリスクが高まります。
気になる症状があれば、すぐに救急科、脳神経外科、脳神経内科、脳卒中科を受診しましょう。
個々の患者さんにおける適切な治療法は、症状や体の状態によって異なりますので、必ず医師に相談するようにしましょう。
一過性脳虚血発作の原因
一過性脳虚血発作の原因は何がありますか?
動脈硬化、心房細動などです。
脳の細胞に栄養を届けている血液を運ぶ血管が一時的に塞がれることにより、血液の流れが途絶えることが原因です。
血管が塞がれる機序は、大きく分けて2つのパターンがあり、動脈硬化により血管自体が細くなって通り道が塞がれてしまう場合と、体のどこかで作られた血栓(血の塊)やコレステロールの塊などが血流に乗って飛んできて血管を塞いでしまう場合です。
体のどこかで血栓が作られる原因として代表的なものは、「心房細動」と呼ばれる心臓の不整脈です。
また、大量の飲酒・喫煙・高血圧症・脂質異常症・糖尿病などが危険因子とされているため、生活習慣の見直しや定期的な健康診断、これらに対して適宜薬などによる治療を行うことが大切です。
一過性脳虚血発作の検査・診断
一過性脳虚血発作のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
脳の虚血の起こる部位によってさまざまな症状が現れます。
下記のような症状が出現した場合、すぐに救急科、脳神経外科、脳神経内科、脳卒中科を受診しましょう。
- 呂律が回らない
- 口の片側から水がこぼれる
- 顔が歪んでいる
- 片側の手足の力が入らない(麻痺)
- 片側の手足の痺れや感覚がわからない
- 半分見えない部分がある(視野が欠ける・視野の欠損)
- 言葉が理解できない
- 言葉が出ない
- 字が出てこない
- 飲み込みにくい
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、一過性脳虚血発作かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。
MRIで異常がない一過性脳虚血発作もあるのですか?
一過性脳虚血発作ではMRIには異常はありません。
一過性脳虚血発作時は、一過性に脳梗塞と同様の症状が起こり、脳の画像検査では所見がなく、24時間以内に症状がおさまる病気です。
MRIで異常が出てしまうと、脳梗塞の診断となります。
ただし、MRIの異常を広い意味で捉えると、例えば脳の血管が細い、脳に昔脳梗塞をしたような傷跡がある、などの所見があれば、今後一過性脳虚血発作や脳梗塞を起こすリスクは高いと考えられます。
ご自身の健康状態を把握し、どのようなことに気をつけて生活すれば良いか知るためにも、症状がなくとも40代以上の方は脳ドックを受けることをお勧めします。
一過性脳虚血発作の治療・対処法
一過性脳虚血発作への対処法は?
片側の手足が動かない、しびれる、言葉が出ない、ろれつが回らないなどの症状が出現した場合、すぐに改善したとしても必ず病院を受診する必要があります。一過性脳虚血発作を発症した方は、そうでない方と比べて脳梗塞を発症する確率が上がります。場合によっては経過観察目的に入院したり、抗血栓療法(サラサラ薬)を開始することがあります。
一過性脳虚血発作の入院日数はどのくらいですか?
1〜7日程度です。
基本的に入院で治療、精査を行います。内服薬や点滴薬で再発予防の治療を行いつつ、脳梗塞のリスク因子の検査やそれに対する治療を行います。
また、一過性脳虚血発作の定義として、脳の画像検査で所見がなく、24時間以内に症状が収まることがあります。
脳梗塞ではなく、一過性脳虚血発作で診断は正しいのか判断するために翌日にも再度画像検査を行うことが多いです。
脳の画像検査は、5mm程度の幅で撮影された画像であるため、その5mmの間にちょうど隠れてしまった病巣や、前日には画像上に現れていなかった病巣を見落とさないために行います。
脳梗塞の診断となってしまうと、後遺症が残る可能性もありますので、慎重に検査を行います。一過性脳虚血発作の診断で確定すれば、リスク因子の検査が終われば退院となることが多いです。
ただし24〜48時間以内は脳梗塞発症の可能性が高い時期なので、この時期は病院にいた方が安全でしょう。
一過性脳虚血発作の場合、主にどのような治療をしますか?
血液サラサラの薬で再発予防をします。
基本的に入院で治療、精査を行います。
内服薬や点滴薬で再発予防の治療を行いつつ、脳梗塞のリスク因子の検査やそれに対する治療を行います。
また、一過性脳虚血発作の定義として、脳の画像検査で所見がなく、24時間以内に症状が収まることがあります。
脳梗塞ではなく、一過性脳虚血発作で診断は正しいのか判断するために翌日にも再度画像検査を行うことが多いです。
脳の画像検査は、5mm程度の幅で切り出された画像であるため、その5mmの間にちょうど隠れてしまった病巣や、前日には画像上現れていなかった病巣を見落とさないために行います。
脳梗塞の診断となってしまうと、後遺症が残る可能性もありますので、慎重に検査を行います。
受診の目安・何科を受診するべきか
一過性脳虚血発作が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?
すぐに受診しましょう。
発症時点では、一過性脳虚血発作か脳梗塞かは判断がつかないでしょう。
脳梗塞であった場合、発症から4.5時間以内の場合、条件を満たせば血栓を溶かす治療を行うことができ、転帰の改善が期待できます。
また、大きな血管が詰まっている場合はカテーテル治療を行うこともありますが、こちらも発症早期であるほど効果が期待でき、また発症から時間が経過していると行えないこともあります。
一過性脳虚血発作や脳梗塞を疑う症状があれば、すぐに救急科、脳神経外科、脳神経内科、脳卒中科を受診してください。
一過性脳虚血発作の専門医がいる近くの病院はありますか?
一過性脳虚血発作の専門医がいる病院を見る対処法・セルフケア
一過性脳虚血発作で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
症状が改善しない場合は、脳梗塞になっているかもしれません。
一過性脳虚血発作とは、一過性に脳梗塞と同様の症状が起こり、脳の画像検査では所見がなく、24時間以内に症状がおさまる病気です。
症状が改善しない場合は、一過性脳虚血発作ではなく脳梗塞になってしまっているかもしれません。
再度検査をして、診断を受ける必要があります。後遺症として症状が残ってしまった場合は、リハビリテーションを行い、必要であれば生活環境の見直しをしましょう。
また、大量の飲酒・喫煙・高血圧症・脂質異常症・糖尿病などが危険因子とされているため、生活習慣の見直し、定期的な健康診断と、これらに対して適宜薬などによる治療を行うことが大切です。
一過性脳虚血発作に関連するその他の質問
脳虚血とは、具体的にどのような状態を指しますか?
脳に血流がうまく届かない状態です。
脳の細胞に栄養を届けている血液を運ぶ血管が一時的に塞がれることにより、血液の流れが途絶えてしまう状態です。
血管が塞がれる機序は、大きく分けて2つのパターンがあり、動脈硬化により血管自体が細くなって通り道が塞がれてしまう場合と、体のどこかで作られた血栓(血の塊)やコレステロールの塊などが血流に乗って飛んできて血管を塞いでしまう場合です。
体のどこかで血栓が作られる原因として代表的なものは、「心房細動」と呼ばれる心臓の不整脈です。
一過性脳虚血発作について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「一過性脳虚血発作」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- めまいがしますか?
- 車酔いのように頭や体がぐらぐら揺れますか?
- ろれつが回らないですか?
- 片目が見えない状態ですか?
- 手足などに力の入らない部分はありますか?
一過性脳虚血発作に関連する病気・症状
この記事の監修医師
原瀬 翔平
亀田総合病院 脳神経内科・内科
University of Washington (理学部、分子細胞生物学) 卒業後、アップルジャパン株式会社勤務を経て、琉球大学医学部に入学。沖縄県立中部病院での初期臨床研修(2016, 2017年度最優秀研修医賞受賞)修了後、2018年4月に亀田総合病院に入職。同院脳神経内科ベスト指導医(2019, 2020)を受賞。2018年から亀田総合病院卒後研修センター長補佐も兼任しており、臨床だけでなく研修病院における医学教育にも力を入れている。2021年には国立循環器病研究センター脳血管内科で超急性期脳卒中診療を行う。 総合内科の視野を持ちながらの脳神経内科領域、特に脳卒中を専門とする。急性期だけでなく予防、慢性期脳卒中による症候性てんかん、高次脳機能評価、リハビリ、等にも精通。頭痛、しびれ、物忘れ等の主訴にも柔軟に対応できる。 日本語、英語(ネイティブ)、中国語(日常会話)での対応も可能。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03