頭や体がグラグラする感じがする、もしくは何となくふらつく
監修医師原瀬 翔平亀田総合病院 脳神経内科
- 更新日
- 2026/06/15
- 公開日
- 2021/01/18
概要
回転性のめまいがあるとは、自分や周囲がぐるぐる回転しているように感じる状態です。良性発作性頭位めまい症(BPPV)では頭の位置を変えた際に短時間の回転性めまいが出現し、メニエール病では耳鳴り・難聴を伴う発作的なめまいが繰り返されます。前庭神経炎では突然の激しい回転性めまいが数日間持続します。めまいが強く歩行困難な場合は、耳鼻咽喉科での精査を検討してください。
浮動性めまいとは
浮動性めまいとはどのような症状ですか?
ふわふわと浮いているように感じるめまいを指します。
浮動性めまいは「ふわふわと浮いているように感じるめまい」を指します。
めまいの感覚は、以下のように表現されることが多いです。
- 体がふらつくような感じ
- 乗り物酔いのような感じ
- 船に乗って海で揺れているような感じ
また、めまいには吐き気を伴うことが多いです。原因によって頭痛、難聴、歩行障害、不安感などを伴うことがあります。
なお、めまいは浮動性めまいの他にも回転性めまいや失神性めまいがあります。回転性めまいでは「周囲または自分がグルグル回るような感じ」、失神性めまいでは「目の前が暗くなる感じ、立ちくらみ感」がします。
浮動性めまいの原因
ストレスが原因で浮動性めまいを感じる可能性はありますか?
はい、ストレスが原因で浮動性めまいが現れる場合があります。
ストレスが浮動性めまいの原因となる可能性はあります。さらに、ストレスといっても心因性のストレスのみでなく、睡眠不足や疲労の蓄積などの身体性のストレスも原因となる場合があります。
浮動性めまいがみられる場合には、脳卒中や脳腫瘍、バランスを司る前庭神経という神経の炎症=前庭神経炎、パーキンソン症候群などの浮動性めまいを起こしうる病気が一通り調べられます。調べた結果、何も異常が見つからなかった時にストレスが原因とされる場合があります。
原因を検索するために、まずはかかりつけの内科や耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。精密検査が必要と判断された場合は、適切な診療科に紹介してもらえるでしょう。
ストレスが原因と考えられた場合は、明らかな原因がある場合はできる限り対策を打ったり、日常生活のリズムを整え、適度な運動、規則正しい生活、バランスの取れた食事などを心がけましょう。
薬が浮動性めまいの原因となることはありますか?
精神安定剤や降圧剤などによって症状が出ることがあると言われています。
薬の副作用が浮動性めまいの原因となることがあります。特に、精神安定剤や降圧剤、睡眠薬、てんかん・うつ・パーキンソン病の薬によってめまいが出現することがあります。
ふわふわしためまいの原因に、脳の病気の可能性はありますか?
急な浮動性めまいの場合、脳梗塞や脳出血、脳腫瘍といった脳の病気が原因となる場合があります。
脳梗塞や脳出血、脳腫瘍が原因でめまいの症状が出現することがあります。これらの病気が原因の場合、難聴や耳鳴りなどの耳の症状がない一方、手足の動かしにくさや感覚の異常、しゃべりにくさなどの神経の症状が出ることが多いです。
ふわふわしためまいの原因に、自律神経の乱れの可能性はありますか?
自律神経の乱れによって脳の血流が悪くなり、めまいが生じる可能性もあります。
ストレスにより交感神経の興奮が繰り返されることで、交感神経の機能が低下することがあります。これによって脳の血流が悪くなることが、めまいの原因の一つになると考えられています。
新型コロナウイルス感染症が浮動性めまいの原因となることはありますか?
新型コロナウイルス感染症の後遺症として、浮動性めまいが生じる可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の初期症状としてめまいが出ることは多くありません。
ただし、回復後の後遺症、あるいは感染による心的ストレスによって、浮動性めまいが生じることがあります。
立ちくらみのようなめまいの原因となる病気には何がありますか?
急に立ち上がった時に血圧が低下する「起立性低血圧」や、血圧は低下しないものの頻脈となる「POTS」などが考えられます。
急に立ち上がることで血圧が低下し、脳の血流が少なくなることでめまいが起こることを「起立性低血圧」と呼びます。糖尿病やパーキンソン病などによる自律神経の障害や、発熱や脱水によって心臓から送り出される血液の量が少なくなることが原因となります。
また、立ち上がることで血圧は低下しないものの、頻脈となりめまいや動悸、震え、脱力、目がぼやける、運動不耐、疲労感などの症状を生じることを、体位性頻脈症候群(POTS: Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome)と呼びます。この病気の原因は、現在のところまだはっきりとは分かっていません。
ふわふわしためまいを引き起こす日常生活上の原因には何がありますか?
浮動性めまいは生活習慣の乱れなどが原因でめまいが生じることがあります。
不安、ストレス、疲れ、食事をはじめとした生活習慣の乱れそのものが原因でめまいが生じることがあります。
また、そういった生活習慣の乱れがメニエール病や心の病気など、めまいを引き起こす病気の原因になることもあります。
ふわふわしためまいの原因として、どのような病気が考えられますか?
脳の循環障害などの脳の病気、抑うつのような心因的なもの、低血圧など、さまざまな原因が考えられます。
浮動性めまいの原因は以下のように多岐にわたります。診断にあたっては、めまいの出現する条件の聞き取りや、検査などによって原因を特定します。
浮動性めまいで考えられる病気
耳に関連する病気
脳や神経系の病気
パーキンソン病、小脳脳幹腫瘍、小脳脳幹梗塞など
脳の循環不全
椎骨脳底動脈循環不全、低血圧
心の病気
うつ、不安障害、身体表現性障害
特定のホルモン変化
甲状腺疾患、月経、妊娠、更年期
生活習慣から来るもの
疲労、寝不足
薬の副作用
精神安定剤、降圧剤、睡眠薬、てんかんやうつ、パーキンソン病の薬
受診の目安・何科を受診するべきか
浮動性めまいが続く場合、病院に行くべきですか?
受診をおすすめします。治療可能な病気や重大な病気が隠れていることもあります。
浮動性めまいが続く場合には、受診をおすすめします。
脳卒中や脳腫瘍、バランスを司る前庭神経という神経の炎症=前庭神経炎、パーキンソン症候群などの浮動性めまいを起こしうる病気が隠れていることがあります。
特に、突然起きた立ち上がれない嘔吐を伴うような激しいめまいの場合は、脳梗塞や脳出血などの脳卒中の可能性が高くなるため、すぐに救急病院を受診しましょう。
前述のようなめまいでなくとも、かかりつけの医師に相談し、適切な診療科を紹介してもらうと良いでしょう。
いつからどのような時にめまいが起こるのか、どうすると悪化する、改善するなど、既往歴、内服薬、喫煙・飲酒量を説明できるようにしておくとスムーズです。
どのようなめまいで、何科を受診したらいいですか?
手足の麻痺やしゃべりにくさ、意識障害がなければ耳鼻咽喉科を受診しましょう。それらの症状がある場合には脳神経内科、時間外であれば救急外来を受診しましょう。
めまいの6割以上は、耳の奥にある内耳やそこにつながる神経が原因であり、耳鼻咽喉科での診察が望ましいです。
また、めまいの1割程度は脳卒中や脳腫瘍が原因であり、その場合は脳神経内科や時間外であれば救急外来の受診をおすすめします。
以下に、内耳と脳疾患からくるめまいの特徴を提示します。
内耳が原因のめまい
良性発作性頭位めまい症
良性発作性頭位めまい症では、内耳の耳石が三半規管に入り込み、特定の頭位変換によって突然回転性のめまいが生じます。めまいは数秒から数分程度で治まります。
メニエール病
メニエール病では、内耳のリンパ液の流れが異常となり、反復性の回転性めまい発作が起こります。めまいとともに耳鳴り、耳閉感、難聴が見られます。発作は数時間から数日間続くことがあります。
前庭神経炎
前庭神経炎では、ウイルス感染などにより前庭神経が炎症を起こし、突然の激しい回転性めまいが生じます。めまいは数日から数週間続きますが、耳鳴りや難聴は通常見られません。
脳疾患が原因のめまい
脳卒中
脳卒中では、脳の血管が詰まったり出血したりすることで、急激なめまいやバランスの障害、手足の麻痺、しゃべりにくさ、意識障害などが生じます。緊急の治療が必要です。
脳腫瘍
脳内に腫瘍ができることで、持続的なめまい、頭痛、視力障害、意識障害などが現れます。腫瘍の位置や大きさによって症状が異なります。
以上のことから、手足の麻痺やしゃべりにくさ、意識障害がなければ耳鼻咽喉科を受診しましょう。それらの症状がある場合には脳神経内科、時間外であれば救急外来を受診しましょう。
ふわふわしためまいは何科を受診したらよいですか?
原因によって適切な診療科が異なりますが、最初はかかりつけの内科、あるいは耳鼻科を受診しましょう。
浮動性めまいとともに以下の症状が見られる場合、脳梗塞や脳出血などの危険な病気の可能性がありますので、すぐに救急外来を受診しましょう。
- 手足が動かしにくい
- まっすぐ歩けない
- ものが二重に見える
- しゃべりにくい
- 今まで経験したことのないような頭痛が急に出現した
以上のような症状が併発していない場合は、かかりつけの内科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。
また、一般社団法人日本めまい平衡医学会が作成・公表している「めまい相談医」のリストも参考にしてみてください。めまい相談医は、同医学会がめまいの専門知識および基本的な診療技術を備えていると認定した医師です。
めまいで病院を受診する目安を教えてください。
手足の動きや感覚の異常など、めまい以外の症状を伴う場合すぐに受診しましょう。
以下のようなめまい以外の症状を伴う場合、脳の病気が疑われるため、なるべく早く受診しましょう。
- 手足や顔の動かしにくさ
- しびれ感
- ろれつが回らない
- ものが二重に見える
上記の症状がない場合でも、めまいによって日常生活に支障が出ているようであれば、早めの受診が勧められます。
対処法・セルフケア
浮動性めまいがよくならない場合はどうしたらよいですか?
脳の重大な病気が隠れている可能性もあります。なるべく早急に医療機関を受診しましょう。
浮動性めまいの原因は多岐にわたります。疲労や寝不足のような生活習慣の乱れが原因のこともありますが、脳や神経の重大な病気が隠れていることもあります。
めまいが続く場合には、放置せずに医療機関を受診しましょう。
浮動性めまいに対して自分でできる、即効性のある対処法はありますか?
原因によるため一概には言えません。激しいめまいの場合はすぐに救急病院を受診しましょう。
原因によるため一概には言えませんが、突然起きた立ち上がれない嘔吐を伴うような激しいめまいの場合は、脳梗塞や脳出血などの脳卒中の可能性が高くなるため、すぐに救急病院を受診しましょう。
耳のバランスをとる器官からくるめまいの場合は、頭を動かすようなリハビリで症状が改善することがあります。学会が公開している動画が参考になります。
めまいも侮れず、重大な病気が隠れている場合もあります。かかりつけ医に相談して適切な診療科を紹介してもらい、受診することをおすすめします。
市販の漢方薬は浮動性めまいに対して効果がありますか?
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)や五苓散(ごれいさん)などが有効であることが知られています。
めまいの患者さんの多くは、「水滞」という体内に過剰な水が溜まっている状態にあると、漢方医学的には考えられます。そのため、体から水を出しやすくする効果のある苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)や五苓散(ごれいさん)などが効果的であると考えられます。
めまいがある時の日常生活(食事や運動など)でできる対処法には何がありますか?
偏りのない健康な食事、適度な運動などの規則正しい生活を心がけ、ストレスを抱え込まないようにしましょう。
精神的・肉体的ストレスや睡眠不足がめまいの発症と関わっていることがあります。趣味やスポーツなどの楽しみの時間を持ったり、睡眠時間をしっかり確保するようにしましょう。
浮動性めまいが生じた場合の簡易な対処法はありますか?
涼しい場所で楽な体勢で安静にすること、また深呼吸することで症状の改善が期待できる場合があります。
涼しい場所で楽な体勢をとって安静にしたり、深呼吸したりすることで、症状の改善が期待できる場合があります。
また、症状が続く場合には頭を動かすようなリハビリが効果的なこともあります。リハビリの方法については、学会が公開している動画が参考になります。
浮動性めまいの薬
ふわふわしためまいに効く薬はありますか?
吐き気を伴うめまいには、乗り物の酔い止め(抗ヒスタミン薬)が有効です。
めまいに対しては、主に血流を改善して平衡機能を回復することを目的に、メリスロンやセファドール、アデホスなどの飲み薬を使用します。
また、吐き気の改善を目的としてトラベルミンやアタラックスなどの抗ヒスタミン薬を使用することがあります。トラベルミンは乗り物酔い防止の市販薬でも用いられていることがある成分です。
ただし、めまいの原因によって使用すべき薬は大きく異なるため、薬の使用の前には医師に相談することが望ましいです。
浮動性めまいに関連するその他の質問
浮動性めまいは男女どちらに多く見られますか?
めまいは女性に多く、男性の約2倍の頻度で起こると言われています。
めまいは女性に多く、妊娠、月経、更年期に関連してめまいが出現することもあります。研究によっても異なりますが、女性にめまいの症状が生じる頻度は男性の約2倍と言われています。
女性にめまいが生じやすい主な原因は、女性ホルモンであるエストロゲンの変化によって引き起こされる自律神経や血圧の変動の影響であると考えられています。
回転性めまいとの違いは何ですか?
回転性めまいは「グルグル」目が回る状態、浮動性めまいは「フワフワ」体がふらつくような状態です。
回転性めまいはグルグルと目が回る状態を指すのに対して、浮動性(動揺性)めまいはフワフワと体が浮いているような感覚をもたらす状態のことを指します。
回転性めまいは良性発作性頭位めまい症やメニエール病など、耳に関連する病気が原因となることが多いのに対し、浮動性めまいは体全体に関わる病気が原因であることが多いです。
ふわふわしためまいに、メリスロンやトラベルミンは効きますか?
メリスロンには平衡機能を改善する効果があり、トラベルミンには吐き気を止める作用があります。
ふわふわしためまいがある場合に、メシル酸ベタヒスチン(メリスロンⓇ︎)やジフェンヒドラミンサリチル酸塩・ジプロフィリン配合錠(トラベルミンⓇ︎)が使用されることがあります。
メシル酸ベタヒスチン(メリスロンⓇ︎)
メリスロンⓇ︎は、平衡感覚を司る内耳の血流を増加させることで、めまいを改善させる効果があります。
ジフェンヒドラミンサリチル酸塩・ジプロフィリン配合錠(トラベルミンⓇ︎)
トラベルミンⓇ︎に配合されているジフェンヒドラミンは、抗ヒスタミン薬と呼ばれる種類の薬です。脳に作用し、吐き気やめまいを改善させる効果があります。
浮動性めまいについて、どのように医師に説明したらよいですか?
めまいが起きる状況や、めまい以外の症状などを説明できるとよいでしょう。
めまいがどのようなものであるのか、具体的に説明できるといいでしょう。
また、めまい以外の症状や、元々持っている病気など、めまいと関係なさそうなことであっても、なるべく詳しく話すようにしてみましょう。
具体的には、以下のようなポイントについて説明できると、より正確な診断につながります。
- どのようなめまいがするのか(ふわふわ浮いているように感じるめまいなのか)
- いつからめまいがするのか
- めまいの持続時間
- めまいの起こる状況
- 耳の聞こえにくさや手足の動かしにくさ、しゃべりにくさなどのめまい以外の症状はないか
- 不規則な生活やストレスのかかる生活を送っていないか
- 元々持っている病気はないか
浮動性めまいについて、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「頭や体がグラグラする感じがする、もしくは何となくふらつく」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 車酔いのように頭や体がぐらぐら揺れますか?
- 吐き気や嘔吐がありますか?
- 体温は37.5℃以上ですか?
- 頭痛がありますか?あるいは頭が重いですか?
- めまいがしますか?
浮動性めまいに関連する病気・症状
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この記事の監修医師
原瀬 翔平
亀田総合病院 脳神経内科・内科
University of Washington (理学部、分子細胞生物学) 卒業後、アップルジャパン株式会社勤務を経て、琉球大学医学部に入学。沖縄県立中部病院での初期臨床研修(2016, 2017年度最優秀研修医賞受賞)修了後、2018年4月に亀田総合病院に入職。同院脳神経内科ベスト指導医(2019, 2020)を受賞。2018年から亀田総合病院卒後研修センター長補佐も兼任しており、臨床だけでなく研修病院における医学教育にも力を入れている。2021年には国立循環器病研究センター脳血管内科で超急性期脳卒中診療を行う。 総合内科の視野を持ちながらの脳神経内科領域、特に脳卒中を専門とする。急性期だけでなく予防、慢性期脳卒中による症候性てんかん、高次脳機能評価、リハビリ、等にも精通。頭痛、しびれ、物忘れ等の主訴にも柔軟に対応できる。 日本語、英語(ネイティブ)、中国語(日常会話)での対応も可能。
- 更新日
- 2026/06/15
- 公開日
- 2021/01/18