どのようなめまいで、何科を受診したらいいですか?
手足の麻痺やしゃべりにくさ、意識障害がなければ耳鼻咽喉科を受診しましょう。それらの症状がある場合には脳神経内科、時間外であれば救急外来を受診しましょう。
めまいの6割以上は、耳の奥にある内耳やそこにつながる神経が原因であり、耳鼻咽喉科での診察が望ましいです。
また、めまいの1割程度は脳卒中や脳腫瘍が原因であり、その場合は脳神経内科や時間外であれば救急外来の受診をおすすめします。
以下に、内耳と脳疾患からくるめまいの特徴を提示します。
内耳が原因のめまい
良性発作性頭位めまい症
良性発作性頭位めまい症では、内耳の耳石が三半規管に入り込み、特定の頭位変換によって突然回転性のめまいが生じます。めまいは数秒から数分程度で治まります。
メニエール病
メニエール病では、内耳のリンパ液の流れが異常となり、反復性の回転性めまい発作が起こります。めまいとともに耳鳴り、耳閉感、難聴が見られます。発作は数時間から数日間続くことがあります。
前庭神経炎
前庭神経炎では、ウイルス感染などにより前庭神経が炎症を起こし、突然の激しい回転性めまいが生じます。めまいは数日から数週間続きますが、耳鳴りや難聴は通常見られません。
脳疾患が原因のめまい
脳卒中
脳卒中では、脳の血管が詰まったり出血したりすることで、急激なめまいやバランスの障害、手足の麻痺、しゃべりにくさ、意識障害などが生じます。緊急の治療が必要です。
脳腫瘍
脳内に腫瘍ができることで、持続的なめまい、頭痛、視力障害、意識障害などが現れます。腫瘍の位置や大きさによって症状が異なります。
以上のことから、手足の麻痺やしゃべりにくさ、意識障害がなければ耳鼻咽喉科を受診しましょう。それらの症状がある場合には脳神経内科、時間外であれば救急外来を受診しましょう。
公開日:
最終更新日:
真生会富山病院 耳鼻咽喉科
阿河 光治 監修
(参考文献)
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