気管支喘息の原因にコロナ後遺症の可能性はありますか?
新型コロナウイルス感染症がきっかけで気管支喘息発作を起こすことはあります。コロナ後遺症でよくある息切れの症状は、気管支喘息とは別物だと考えられています。
気管支喘息発作は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ感染症)に限らず、一般的な風邪のウイルス感染をきっかけにも起こります。コロナ感染後に初めて気管支喘息の診断を受けた場合も、「コロナ感染によって発症した」というよりも「もともと気管支喘息による気管支の炎症を抱えていて、コロナ感染症によって発作が起きた」と考えるのが妥当です。
なお、コロナ感染症の後遺症(以下、コロナ後遺症)でよくある息切れ症状の多くは、気管支喘息とは異なる病態ではないかと言われています。気管支喘息では気管支が狭くなることで息がしにくくなりますが、コロナ後遺症では肺から血液に酸素を取り込む部分に障害が起きることで息切れが生じることが多いようです。
今のところ、コロナ感染症が気管支喘息の発症リスクになるという報告はありません。ただし、他の呼吸器感染症(RSウイルス、ライノウイルス、細菌)について、乳幼児期の感染がその後の喘息やアレルギー感作などのリスクになるという報告はあるので、同様の報告が今後出てくるかもしれません。
公開日:
最終更新日:
京都大学医学部附属病院呼吸器内科 呼吸器内科
渡邉 アヤ 監修
(参考文献)
Salman Siddiqui. Pathological disease in the lung periphery after acute COVID-19. Lancet Respir Med. 2021, 9, p.1089-1090.
Xiaojun Wu. 3-month, 6-month, 9-month, and 12-month respiratory outcomes in patients following COVID-19-related hospitalisation: a prospective study. Lancet Respir Med. 2021, 9, p.747-754.
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