炭疽は主にどのような薬で治療しますか？副作用はありますか？

炭疽は炭疽菌（Bacillus anthracis）という細菌による感染症であるため、抗生物質や抗毒素（炭疽菌が出す毒素の作用を抑える薬、日本では未承認）が有効です。
抗生物質は、状況により1種類を使用する場合もあれば3種類程度を組み合わせる場合もあり、主に使用されるのは

• ニューキノロン系
• テトラサイクリン系
• カルバペネム系

などです。
抗毒素は、皮膚以外の症状がある場合、特に肺への感染の心配がある時に追加で使用されることがあります。

それぞれの薬について、考えられる副作用は以下のとおりです。治療中に気になる症状があれば、医師・薬剤師に相談しましょう。

抗生物質で見られる副作用

共通の副作用

下痢（時に偽膜性腸炎と呼ばれる腸炎）が多く、他に発疹、吐き気、腎臓や肝臓の障害などが考えられます。
まれですが、アナフィラキシーと呼ばれる重症のアレルギー反応が起こって、全身の発疹・かゆみ、息苦しさ、喘鳴（ぜいぜいした呼吸）がでる恐れがあり注意が必要です。

一部の薬で見られる副作用

特にニューキノロン系やテトラサイクリン系の薬は、

• 妊婦では胎児の奇形や骨の成長・歯の発育に影響する可能性
• 小児では骨の成長・歯の発育に影響する可能性

があります。

抗毒素で見られる副作用

薬によって異なりますが、頭痛、吐き気、注射部の痛み・腫れ、かゆみ、眠気などが報告されています。