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子宮内膜症の場合、主にどのような治療をしますか?
成育医療研究センター 産婦人科 共同研究員
藤井 達也 監修
症状の程度や年齢、妊娠希望などに応じて経過観察、薬物療法、手術療法から選択します。
解説
子宮内膜症の治療目的として、以下の3つが挙げられます。
①症状緩和
②不妊症治療(妊娠しやすくする)
③がん化予防
上記目的に応じた治療法については下記のとおりです。
症状の緩和
月経時などの痛みを緩和する治療法として下記の3つが挙げられます。
鎮痛剤の使用
痛み止めを使用することで症状の緩和を図ります。
ホルモン療法
いわゆる低用量ピルなどの女性ホルモン含有製剤を使用することで症状の緩和が期待できます。
手術療法
手術で卵巣などにある内膜症病変を摘出、焼灼することで症状の緩和が期待できます。詳細な術式は、病変の位置や大きさ、妊娠希望、年齢などで異なります。
不妊症治療(妊娠しやすくする)
手術療法
子宮内膜症が原因で妊娠しづらい状態と考えられる場合などでは、卵巣などにある内膜症病変を摘出、焼灼するなどの手術療法を行うことがあります。一方で、卵巣の機能が低下する可能性もあるため慎重に適応を検討する必要があります。
生殖補助医療
体外受精などの生殖補助医療は子宮内膜症に伴う不妊症治療においても有用な手段となります。
がん化予防
手術療法
特に40歳以上の女性で、卵巣に子宮内膜症性の大きな嚢胞(のうほう:袋状の病変)が存在する場合には卵巣がんの予防目的で卵巣・卵管の摘出などの手術療法を選択することもあります。
関連する病気と症状
(参考文献)
ほかの子宮内膜症の質問
「子宮内膜症」とはどのような病気ですか?
子宮内膜、あるいはそれに似た組織が何らかの原因で本来発生する場所である子宮以外の場所で発生する病気です。
子宮内膜症は自然に治りますか?
子宮内膜症は閉経期には症状が緩和されることが多いと言われています。
子宮内膜症が原因で気胸が起こることはありますか?
「月経随伴性気胸」と呼ばれる病態であり、稀に肺に子宮内膜症性病変が生じることで肺に穴があく「気胸」を発症することがあります。
子宮内膜症が起こりやすいのは何歳くらいですか?
20~30代の女性に発症することが多く、30~34歳が発症のピークとされています。
子宮内膜症の原因や症状には何がありますか?
子宮内膜症の原因はまだ明確には分かっていませんが、月経血の骨盤内への逆流などが子宮内膜症の発症として考えられています。典型的な症状は月経時の強い痛みです。
子宮内膜症に関連する病気や症状
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