10代や20代などの若年層でも鉄欠乏性貧血になるリスクはありますか?
若年層、特に思春期女子は成長や月経、食事からの鉄摂取不足で鉄欠乏性貧血のリスクが高いです。
東京都予防医学協会による10~25歳を対象とした2019年度の貧血検査の結果では、ヘモグロビン基準値以下(基準値下限は年齢性別で少し異なる:男性11.6~13.1、 女性11.6~12.0)の頻度は、男子0.46~1.07%、女子0.61~9.93%と報告されています。
男子では13歳が最多で1.07%、 女子は16歳が最多で9.93%ですが、特に14~19歳の女子においては、8%以上が貧血であることがわかっています。
思春期女子の10%近くが貧血であるという事実は重く受け止められており、そのほとんどが鉄欠乏性貧血であると考えられています。思春期には身体的な成長がめざましく、女子では月経発来もあり鉄喪失量が増えるため、必要な鉄の量は増加します。
また、スポーツ活動による鉄の消費や、やせ志向による食事からの鉄不足も起こり得るため、鉄欠乏性貧血がみられやすいとされています。
東京都の調査によると1990年以降、中学校並びに高校女子生徒の貧血有病率は増加傾向にあります。
公開日:
最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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鉄欠乏性貧血とは何ですか?
ヘモグロビンの材料である鉄が体内で不足して貧血症状になることです。
鉄欠乏性貧血とはどのような症状ですか?
動悸や息切れ、めまいなどの症状が見られます。
なぜ鉄欠乏性貧血になるのでしょうか?
体内・血液中の鉄がさまざまな原因で不足してしまうことによります。
貧血を放置するとどうなりますか?
貧血の原因になっている怖い病気を見逃してしまうおそれがあります。
どのような人が貧血になりやすいですか?
貧血は男性よりも女性に多く見られます。また、高齢になるほど貧血も増加することが知られています。
がんと貧血は関係がありますか?
がんが原因で貧血になる場合があるなど、ある程度関係があります。
貧血かどうか診断するときには、どのような検査を行いますか?
血液検査を行って、血液中の赤血球や鉄の量を調べます。
貧血の治療はどのようにして行いますか?
鉄剤を用いた治療を行います。また、輸血を行うこともあります。
貧血の予防のために、食事面ではどのようなことに気をつければいいですか?
鉄を十分に摂取できる、バランスのいい食事をしましょう。
鉄不足にサプリメントは有効ですか?
鉄剤のサプリメントは有効です。
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