鉄欠乏性貧血に対して自分でできる、即効性のある対処法はありますか?
自分でできる即効性のある対処法はなく、医療行為としては輸血が有効です。
「鉄欠乏性貧血に対して自分ですぐにできる対処法」として多くのサイトでは、「立ちくらみの際にしゃがむ」、「鉄を豊富に含む食材の摂取が重要」などと書かれています。
これらのコメントは、鉄欠乏性貧血の症状に対する対処であったり、自分ですぐに取り組めるものであったりしますが、鉄欠乏性貧血に対して即効性のあるものとは言い難いでしょう。
確かに「貧血」をどのように捉えているかによって、この質問に対する回答は変化しますが、「貧血」とは赤血球が減少した状態であり、ヘモグロビンという赤血球に含まれるタンパク質の低下で定義されます。
すなわち、原因は何であれ「赤血球の減少」と考えていただいてよいものです。
「鉄の補充」は自分ですぐできることではありますが、その成果が「赤血球数の増加、ヘモグロビンの上昇」としてとらえられるまで数ヶ月はかかります。
また、「鉄欠乏性貧血」である場合は原因が重要であり、その原因の多くは「鉄摂取の低下」ではなく「出血」であることも覚えておきたいと思います。
以上から、厳密には「鉄欠乏性貧血に対して自分でできる即効性のある対処法」、すなわち「自分でできる赤血球の減少を改善できる即効性のある手立て」はないというのがこの質問の直接的な回答になります。
このように自分でできる対処法としては限界がありますが、医療行為として即効性のある対処法は「輸血」であると言えるでしょう。
公開日:
最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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鉄欠乏性貧血とは何ですか?
ヘモグロビンの材料である鉄が体内で不足して貧血症状になることです。
鉄欠乏性貧血とはどのような症状ですか?
動悸や息切れ、めまいなどの症状が見られます。
なぜ鉄欠乏性貧血になるのでしょうか?
体内・血液中の鉄がさまざまな原因で不足してしまうことによります。
貧血を放置するとどうなりますか?
貧血の原因になっている怖い病気を見逃してしまうおそれがあります。
どのような人が貧血になりやすいですか?
貧血は男性よりも女性に多く見られます。また、高齢になるほど貧血も増加することが知られています。
がんと貧血は関係がありますか?
がんが原因で貧血になる場合があるなど、ある程度関係があります。
貧血かどうか診断するときには、どのような検査を行いますか?
血液検査を行って、血液中の赤血球や鉄の量を調べます。
貧血の治療はどのようにして行いますか?
鉄剤を用いた治療を行います。また、輸血を行うこともあります。
貧血の予防のために、食事面ではどのようなことに気をつければいいですか?
鉄を十分に摂取できる、バランスのいい食事をしましょう。
鉄不足にサプリメントは有効ですか?
鉄剤のサプリメントは有効です。
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