薬剤性嘔気・嘔吐はどのような薬の副作用で起こりますか?
吐き気や嘔吐は、さまざまな薬で起こる可能性があります。
吐き気や嘔吐はさまざまな薬で起こる可能性があります。
抗がん剤
抗がん剤の種類によって、吐き気・嘔吐の頻度は大きく異なります。ガイドラインでは、吐き気のリスクを「高度・中等度・軽度・最小度」の4段階に分類しており、リスクに応じた吐き気止めの使用が推奨されています。
医療用麻薬
医療用麻薬は、中枢神経や消化管運動に影響を与えて吐き気を引き起こすと考えられています。特に投与開始直後や薬の量を増やした後に吐き気が起こりやすいです。
抗菌薬
ほとんどすべての抗菌薬は、吐き気の原因になる可能性があります。例えば、マクロライド系抗菌薬(エリスロマイシン、アジスロマイシンなど)は、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など消化器症状の副作用のリスクがありますが、これはマクロライド系抗菌薬に消化管の動きを活発にする作用があることが一因と考えられています。
鉄剤
消化管への刺激によって、吐き気や嘔吐が生じることがあります。
このほかにも、抗うつ薬や糖尿病治療薬(GLP-1受容体作動薬)なども吐き気や嘔吐の原因になることがあります。
薬による吐き気や嘔吐が疑われる場合は、速やかにかかりつけの医師に相談しましょう。
医療法人社団明世会成城内科 消化器科
重松 秀 監修
(参考文献)
日本癌治療学会.“『制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版』Web版公開のお知らせ”..https://www.jsco.or.jp/news/detail.html?itemid=631&dispmid=767&TabModule830=0,(参照 2025-07-08).
Robert A Swarm et al.“Adult Cancer Pain, Version 3.2019, NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31390582/,(参照 2025-07-08).
日本うつ病学会 気分障害の治療ガイドライン作成委員会 .“日本うつ病学会治療ガイドライン Ⅱ.うつ病(DSM-5)/ 大うつ病性障害 2016 ”..https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/iinkai/katsudou/data/20190724.pdf,(参照 2025-07-08).
町田 拓自 ほか.“嘔吐発現機序からみた経口鉄製剤の特性についての考察”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/143/7/14323-00057/html/-char/ja,(参照 2025-07-08).
矢部 大介.“1.GLP-1受容体作動薬の分類と作用機序,使用上の注意点”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/60/9/60_562/_article/-char/ja/,(参照 2025-07-08).
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