家族性地中海熱の場合、主にどのような治療をしますか?
コルヒチンの内服治療を行います。コルヒチンが効かない場合は、カナキヌマブという注射薬を使います。
家族性地中海熱は、お薬による治療が中心となります。
コルヒチン
まず、コルヒチンというお薬の内服により、治療を行います。
コルヒチンは過剰な炎症を抑えることで、発熱発作の予防、アミロイドーシスの予防に有用であると言われています。
約9割の家族性地中海熱の患者さんはコルヒチンを使用することにより改善します。
コルヒチンの主な副作用
などが報告されています。
カナキヌマブ
コルヒチンでなかなか改善しない場合は、カナキヌマブという薬を使用します。
カナキヌマブは、炎症を伝達するサイトカイン(細胞同士の情報伝達を担うタンパク質)を抑えることで効果を発揮します。注射薬であり、4週間に1回注射する必要があります。
なお、カナキヌマブは、高額なお薬のひとつです。薬価は現時点(2024年4月)で1回1,526,075円であり、3割負担でも約45万円と高額であることが挙げられます。高額療養費制度の利用により自己負担額の軽減も可能ですので、詳しくは加入されている医療保険制度の窓口へご相談ください。
カナキヌマブの主な副作用
などが報告されています。
公開日:
最終更新日:
横浜医療センター 消化器科
川崎 千瑛 監修
(参考文献)
八田 和大. 家族性地中海熱. 診断と治療. 2023, 111, p.1069-1073.
井田 弘明. 自己炎症症候群. 小児内科. 2023, 55, p.217-221.
高田製薬.“コルヒチン錠0.5mg「タカタ」”.くすりのしおり.https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=34353#:~:text=主な副作用として、下痢,ある可能性があります%E3%80%82,(参照 2024-04-22).
ノバルティス ファーマ.“イラリス皮下注射液150mg”.くすりのしおり.https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=44886#:~:text=この薬を使った,ある可能性があります%E3%80%82,(参照 2024-04-22).
高田製薬.“コルヒチン錠0.5mg「タカタ」”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/4001863941001F10771_08,(参照 2024-04-22).
ノバルティス ファーマ.“イラリス皮下注射液150mg”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/300242_3999434A1026_1_05,(参照 2024-04-22).
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