水頭症の場合、日常生活で気を付けることはありますか?

手術を受けた後は、合併症に注意しましょう。また、手術の際に入れたバルブの種類を覚えておきましょう。

解説

シャント手術を受けた後は、合併症に気を付けなければいけません。

脳室に設置する脳室チューブと、皮膚の下を通って腹腔(あるいは心房)まで通す腹腔チューブ、髄液の流れを調整するバルブの3つの部分をまとめて「シャントシステム」と呼びます。
そしてシャントシステムを埋め込む手術を「シャント手術」といいます。

なお、合併症には以下のようなものがあります。

感染症

シャント術は自分の体と異なるシャントシステムを体内に設置するため、感染に弱いという欠点があります。
感染した場合には手術によって取り除いて、抗生物質を使って感染が治った後に、もう一度シャント手術をやり直します。

シャント機能不全

髄液の流れがうまく調整できない状態のことをシャント機能不全と言います。
その原因はいろいろで髄液の流れが不十分だったり、全く流れなくなったり、流れたり流れなかったりを繰り返す場合などさまざまです。
機能不全が起こると、水頭症の症状が再び現れます。

設定圧が変わったために起こる症状

磁気の影響で圧設定が高くなってしまった場合、髄液が流れにくくなり設定圧まで髄液圧が上昇します。
頭痛や嘔吐、意識障害などの髄液圧が高くなった症状や、その他の水頭症の症状が現れます。
圧設定が低くなった場合には髄液が流れすぎるため、頭痛や複視(ものが二重に見える)など、髄液圧が低くなった症状が現れます。

ご自分のバルブがどのような種類のもので、いつ手術を受けたか、圧の設定値がいくらであるのかを把握しておくことが大切です。
通常は手術後に必要な情報が記入された手帳のようなものが手渡されますので大事に保存して、受診時に見せてください。

公開日

最終更新日

東京頭痛クリニック 脳神経内科

越智 佳奈 監修

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