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足の指の痛みに関して、骨や関節、爪や皮膚以外の病気にはどのようなものがありますか?
山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
神経や血管の病気によって足の指の痛みや痺れが生じることもあります。
神経や血管の病気でも足の指の痛みが生じることがあります。
神経の病気
神経の病気としては、腰や足のあたりを通っている神経が圧迫される病気がまず考えられます。
腰の部分で神経が圧迫される病気としては腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症が代表的です。
また、足の部分で神経が圧迫される病気としてはMoton病や足根管症候群が代表的です。
腰の部分で神経が障害されると、足だけでなくすねや太もも、お尻の周りなど広範囲に痛みの部位が及びやすい一方、足での神経障害では、痛みの範囲が足とその付近に収まりやすいという特徴があります。
また、血糖値の影響や栄養の不足で神経の痛みや異常をきたす場合(たとえば糖尿病やビタミンB12欠乏症なども)もあります。
血管の病気
血管の病気が原因で血液が足に十分流れなくなり、足の冷えや痛みを生じる場合もあります。
たとえば、足の血管が動脈硬化によって狭くなる閉塞性動脈硬化症という病気では、歩くと足が痛む・冷えるなどの症状が生じます。
閉塞性動脈硬化症は、高血圧・脂質異常症・糖尿病・喫煙など動脈硬化のリスクを持つ方の場合に特に疑われます。
また、不整脈の一種である心房細動では、血管内に血の塊ができることで足を通る血管が急速に詰まり、急激な痛みや冷えを生じることがあります。
閉塞性動脈硬化症でも心房細動でも、冷えや痛みは足全体に及ぶことが多いですが、複数の足の指に症状が出ることなどもあります。
急な痛みや激痛が起こったときは、すぐに病院を受診しましょう。
足の指の痛みが続いているのですが、湿布だけでも本当に大丈夫でしょうか?
足の指の痛みが続いています。整形外科でレントゲンを撮りましたが異常はなく、湿布だけもらいました。しかし、足の指の痛みは改善していません。鎮痛薬は使っていません。以前、椎間板ヘルニアと診断されたことがあります。どうすれば痛みが和らぐか教えてください。
30代 / 女性
ご相談ありがとうございます。足の指の痛みが続いているとのこと、大変お辛いですね。整形外科でレントゲンを撮って異常がないと言われたとのことですが、痛みが改善しないため、他の原因も考える必要があります。
まずいくつかの疑わしい病名について説明します。
可能性のある病名
1. 外反母趾
足の親指が外側に曲がり、痛みを引き起こすことがあります。レントゲンで確認できることが多いですが、初期段階では見逃されることもあります。
2. 神経障害性疼痛
椎間板ヘルニアなどで神経が圧迫されて痛みが出ることがあります。これはレントゲンでは確認できないことが多いです。
3. モートン病
足の指の間の神経が圧迫されて痛みが出る病気です。特に歩行時に痛みが強くなることがあります。
4. 関節リウマチ
関節の炎症が原因で痛みが出ることがあります。血液検査や他の画像診断が必要です。
5. 爪囲炎
爪の周りの皮膚が炎症を起こして痛みが出ることがあります。
これらの病気の中には、早期に治療を開始することで症状が改善するものもあります。
受診の目安
以下の状況が重要です。
- 痛みが続く、または悪化する場合
- 足の指に腫れや赤みが見られる場合
- 歩行が困難になる場合
- 他の関節にも痛みが広がる場合
これらの症状がある場合は、再度整形外科やリウマチ科、神経内科などの専門医を受診することをお勧めします。
まとめ
足の指の痛みが続いている場合、外反母趾、神経障害性疼痛、モートン病、慢性疼痛、関節リウマチなどが考えられます。特に痛みが続く、悪化する、腫れや赤みがある場合は、再度専門医を受診してください。お近くの整形外科やリウマチ科、神経内科は、こちらから検索できますのでご活用ください。
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