不眠症(睡眠障害)

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眠れないことについて、どのように医師に説明したらよいですか?

精神科・心療内科

日下 慶子 監修

いつから症状が見られるか、他の症状があるか、何か日常生活上の変化はあったかなどを、できるだけ詳しく説明しましょう。

解説

下記のような点について説明するとよいでしょう。

  • どのくらいの頻度で眠れないのか(毎日か、週に数日か)
  • どのような場面で眠くなるのか(電車に乗っている時、大事な会議中、運転中など)
  • いつも何時に布団に入るか
  • 布団に入ってから寝付くまでにどのくらい時間がかかるか
  • 夜中に目が覚めることはあるか、その後再度眠れるか
  • 朝起きた時に熟睡感があるか
  • 昼寝の習慣はあるか
  • 平日と週末で睡眠スケジュールに違いがあるか
おすすめのQ&A

忘れっぽさや不安、背中の痛みの原因を知りたいです。ストレスや低血圧の可能性などはあるのでしょうか?

3年前、職場の人間関係や忙しさからくるストレスで、不満や気分の落ち込み、イライラがひどくなりました。仕事を休むことはありませんでしたが、ミスが増え、忘れっぽくなり、余裕がない状態でした。 2年前、人間関係が大分改善され、元気が出てきて、仕事が楽しいと感じるようになりましたが、忘れっぽさは続いていました。昨年からは仕事のミスもなくなり、元の状態に戻りつつありますが、ちょっとしたことで気分が落ち込みやすくなっています。また、理由もなく急にドキドキと不安や緊張を感じることがあります。 さらに、夜中に理由もなく目が覚め、その後30分以内に再び眠れるものの、熟睡感がありません。特に辛いのは、朝起きると背中が痛むことです。軽い痛みの時もあれば、こりのような痛みとだるさが強い時もあります。低血圧の影響かもしれませんが、これまで受診したことがなかったので、どのような状態なのか相談したいと思っています。

質問者のイラスト

30代 / 女性

お辛い中、ご相談いただきありがとうございます。お話を伺う限り、いくつかの症状が重なっているようですね。問診に答えていただいた内容も参考にしつつ、以下に考えられるいくつかの病状について説明いたします。

ご状況から考えられること

ちょっとしたことで気分がへこみやすい、急に不安や緊張が出現する、夜によく眠れないなどの症状は、一般的にはストレスとの関連を疑います。これらが日常生活に大きな支障をきたすレベルである場合は、適応障害などの精神科の病名がつく可能性があります。

受診を考えるべき状況について

質問の回答を拝見する限り、直近では強いストレスを自覚していないとのことですが、下記のようなサインが現れるときは、早めの専門科(精神科・心療内科)への受診をおすすめします。

  • 早朝に目がさめて再び眠ることができない
  • 食欲がなく、ダイエットしていないのに体重が2kg以上減った
  • 消えてしまいたい、自分を傷つけてしまいたいという気持ちが生じた

その他、背中の痛みは整形外科、だるさ(倦怠感)は内科を受診することが一般的ですが、まずは最も中心的な症状である不安の専門家である精神科・心療内科を受診し、必要に応じて専門家への受診の必要性を相談するのがよいかもしれません。

月経との関連について

生理の前になると決まって何か不快な症状が現れますか、という質問に「はい」と答えていただいていることを考慮すると、月経前症候群なども考慮に入れる必要があります。落ち込みやすいタイミングは、月経前に多いということはないでしょうか。月経前症候群の場合、月経が来ることで症状が緩和されることも多いです。一般的には運動療法を含めた生活習慣の改善や、栄養摂取などを試すことがあります。また症状が強い場合は低用量ピルや抗うつ薬などが使用される場合もあります。

その他の可能性について

体の病気からうつ病のような症状があらわれることもあるため、精神科や心療内科を受診した場合も採血検査などが実施されることもあるのでご留意ください。たとえば、甲状腺機能低下症などホルモンの異常や、鉄欠乏性貧血などによっても、気持ちが落ち込んだり体のだるさなどが出現します。

受診の際の注意点

精神科・心療内科を受診する際は、先生との相性も重要ですが、日本精神神経学会の専門医や、精神保健指定医という資格を持った医師をおすすめします(資格がない場合、精神科の経験が浅い医師である可能性があります)。ホームページなどでご確認の上、受診されることをおすすめします。

まとめ

ご相談内容から、気分の落ち込みや不安、睡眠障害などの症状が見られ、これらは適応障害などの病名関連がある可能性があります。また、月経前症候群や貧血などの体の病気から来る落ち込みの可能性もあり、それに対する治療や生活習慣の見直しが有効な場合があります。

お近くの精神科・心療内科は、こちらから検索できますのでご活用ください。また、ストレスへの対処法など、追加でご質問があればお待ちしております。

お大事になさってください。

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やる気が出ず、勤務中に涙や吐き気、睡眠障害が続きます。適応障害でしょうか?

最近やる気が出ません。気分が非常に憂鬱で、勤務中に涙が出ることがあります。また、吐き気を感じることもあり、夜はなかなか眠れず、何度も目が覚めてしまいます。このような症状が続いているため、本当に適応障害なのか心配です。どうすれば良いかアドバイスをいただけると助かります。

質問者のイラスト

20代 / 男性

ご相談ありがとうございます。症状をお伺いし、非常にお辛い状況かと推察いたします。

考えられる病気について

まず、やる気が出ない、気分が憂鬱で涙が出る、そして睡眠がうまく取れないという症状は、適応障害の可能性がありますが、他の精神的な疾患や身体的な問題も考えられます。適応障害は、ストレスの原因となる出来事に対して過剰な反応を示す状態で、通常はその出来事が終わったり、適切に距離をとる(例えば休職する、異動するなど)ことができれば症状が改善します。

他には、うつ病や不安障害も同様の症状を引き起こすことがあります。うつ病の場合、気分の落ち込みや興味の喪失が2週間以上続くことが特徴です。不安障害では、過度の心配や緊張感が主な症状です。また、似たような症状を起こす身体的な病気もあり、甲状腺の異常などが考えられます。身体的な病気が疑われた場合、血液検査などを行う場合があります。

受診を考える状況について

これらの症状が続く場合、特に以下の状況が見られる場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

1. 日常生活に支障が出ている:仕事に集中できない、家事ができないなど

2. 自傷行為や自殺念慮がある:これらは緊急の対応が必要

3. 身体的な症状が強い:吐き気や睡眠障害が続く場合

これらの状況が重要なのは、早期に適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、回復を早めることができるからです。特に精神的な問題は、放置すると長期化することが多いため、早めの対応が大切です。

診断によって治療法や対処法が異なるため、医療機関を受診し診察を受けることをお勧めします。

受診の際の注意点

精神科・心療内科を受診する際は、先生との相性も重要ですが、日本精神神経学会の専門医や、精神保健指定医という資格を持った医師をおすすめします(資格がない場合、精神科の経験が浅い医師である可能性があります)。ホームページなどでご確認の上、受診されることをおすすめします。

まとめ

あなたの症状は適応障害の可能性がありますが、うつ病や不安障害、身体的な病気の可能性も考えられます。日常生活に支障が出ている、自傷行為や自殺念慮がある、身体的な症状が強い場合は、早めに医療機関を受診してください。もし現在の勤務先に産業医がいる場合は、まず産業医面談を依頼するという選択肢もあります。お近くの精神科や心療内科は、こちらから検索できますのでご活用ください。どうぞお大事にしてください。

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高血圧治療中の作業療法士ですが、仕事中に突然意識が飛ぶことがあります。眠気が強いわけではないのですが、これは何かの病気でしょうか?

私は作業療法士をしている者です。最近、気になる症状があります。それは、強い眠気を感じることです。具体的には、患者様の施術中にふと意識が飛んでしまうことがあります。眠くて仕方がないというわけではないのですが、気がつくと数秒間手が止まってしまうのです。現在、高血圧の治療中ですが、この症状についてはまだ診断を受けていません。どのように対処すれば良いか、ご助言いただけると幸いです。

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50代 / 女性

ご相談ありがとうございます。眠気が強く、意識が飛んでしまうという症状についてお話ししますね。

眠気について

まず、眠気が強い原因として考えられるものはいくつかあります。例えば、睡眠不足や睡眠の質が悪い場合、日中に強い眠気を感じることがあります。また、概日リズム睡眠障害や、睡眠時無呼吸症候群という病気も考えられます。これは、睡眠中に呼吸が一時的に止まることで、睡眠の質が低下し、日中に強い眠気を感じることが特徴です。もし、夜しっかり眠っているにも関わらず、日中の眠気が生じている場合、過眠症(ナルコレプシーなど)の可能性も考えられます。

さらに、甲状腺機能低下症や糖尿病などの内分泌系の問題や、脳症なども、眠気を引き起こすことがあります。また、服用している薬の副作用として眠気が出ることもありますので、薬剤師に相談すると良いでしょう。

意識が飛んでしまうことについて

意識が飛んでしまうという症状については、てんかん発作である場合も考えられます。寝不足の場合、てんかん発作が起こりやすくなります。これらを鑑別するには、あなたが意識がなかったと感じた瞬間を見ていた周りの人から情報を得ることも重要です。てんかん発作は、けいれんしないタイプもあります。意識がないと感じる間、目を開けていたかどうかや、口をもぐもぐさせるような動作があったかなどが重要な情報です。

気がつくと数秒手が止まるという事象が、集中力の低下を反映している場合、うつ病などの精神疾患の可能性も想定されます。気分の落ち込みや不眠などを認める場合は、精神科の受診が望ましいでしょう。

受診の目安について

以下のような状況が続くと、日常生活や仕事に支障をきたすだけでなく、重大な病気の兆候である可能性もありますので、早めに医師に相談することをお勧めします。

1. 日中の眠気が続く場合

2. 意識が飛ぶ頻度が増える場合

3. 他の症状(例えば、頭痛、めまい、集中力の低下など)が現れる場合

受診すべき診療科について

  • 眠気を強く感じているわけではない場合、てんかん発作の可能性を考え、脳神経内科の受診が望ましいでしょう。
  • 眠気を強く感じている場合は、睡眠外来を標榜している医療機関をお勧めします。ポリソムノグラフィなど、専門的な検査設備がある施設が望ましいです。
  • 集中力の低下に近い場合、気持ちの落ち込みなどを伴う場合は、うつ病や適応障害を念頭に、精神科を受診するのが良いでしょう。

まとめ

眠気が強く、意識が飛んでしまう症状については、睡眠の質や内分泌系の問題、薬の副作用、神経系の問題などが考えられます。特に、睡眠時無呼吸症候群やてんかん発作などの重篤な疾患の可能性もあるため、早めの受診が重要です。日中の眠気が続く場合や意識が飛ぶ頻度が増える場合は、医師に相談してください。睡眠外来はお近くにない場合もあります。ない場合は、まず内科で相談しても構いません。お近くの内科・脳神経内科・精神科は、こちらから検索できますのでご活用ください。

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薬物治療を2ヶ月続けても改善せず、本当に適応障害でしょうか?対策や要因の見直し方法はありますか?

薬物治療を始めてから2ヶ月が経ちましたが、嘔吐、吐き気、不眠、無気力といった症状が改善しません。このことを主治医に伝え、先週と先々週に薬を変更して様子を見ていますが、依然として症状は続いています。本当に治るのでしょうか。 適応障害の要因として、職場環境の変化や上司とのコミュニケーションギャップが挙げられていますが、これらについて振り返ったり向き合ったりすることができず、納得できていない状況です。 また、復帰に向けての対策を検討したり、資格勉強をしたりしたいのですが、身体がついてこないため困っています。 本当に適応障害なのでしょうか。要因や対策をどのように検討すればよいでしょうか。ご助言いただけると幸いです。

質問者のイラスト

20代 / 女性

お辛い中、ご相談いただき誠にありがとうございます。入力いただいた内容にできる限りわかりやすく回答したいと思います。

適応障害の診断について

一般的に、適応障害とうつ病との区別はとても難しいです。適応障害の要因は、職場環境の変化や上司とのコミュニケーションギャップと診断されているとのことですが、実際にこれらの要因との関係はありそうでしょうか。例えば、職場環境の変化が起こってすぐに症状が出現していたり、上司とのコミュニケーション内容によって大きく症状に影響が出るような場合は、関係が強いと推測されます。

また、土日など休みの日は元気に過ごせるが、仕事が始まると症状が悪化する、などの症状がもしあれば、どちらかというとうつ病というより適応障害の診断が当てはまるかもしれません。外部の要因にかかわらず常に症状が持続している場合は、うつ病に診断が変更される可能性もあります。

ご相談内容を見ると、「復帰に向けて」と書いていただいているので、現在は休職中でしょうか。もし休職し、ストレス源から離れてしばらくたっているにもかかわらず症状が持続しているなら、うつ病に診断が変更される可能性があります。主治医に相談してみてもよいと思います。

適応障害の治療について

適応障害であれば、原則は「環境調整」、つまりストレス源から距離を取ることが重要です。休息や治療によって自身に余裕ができたところで、ストレスに対する対処を考えていくのが一般的です。ストレス源に対して「振り返ったり向き合ったりできず、腑に落ちていない」ということでしたら、体調が回復してきたタイミングをみて、主治医や、場合によっては心理士等のカウンセリングも利用しつつ、気持ちを整理していくことも必要かもしれません。

少し余裕ができたタイミングで、運動や趣味など、自身にあったストレス解消方法を見つけていくことも重要です。適応障害において、薬物療法はあくまで補助的に用いられることが一般的です。ただし、診断がうつ病に変更になる場合においては、薬物療法を中心とした治療に切り替わることもあります。

その他の可能性について

また、適応障害やうつ病以外に、からだの病気によっても同様の症状を引き起こすことがあります。例えば、甲状腺機能低下症(橋本病)などのホルモンの異常でも、適応障害やうつ病のような症状が出現することがあります。また、鉄欠乏性貧血でも、だるさなどの症状が出現し、精神的な症状と区別がつきづらい場合があります。

そのため、精神科や心療内科を受診した際には採血検査などが実施されることもあるのでご留意ください。もしこれまでに調べられていない場合は、主治医とご相談の上で実施を検討するのもよいかもしれません。

まとめ

なかなか症状が回復しないと焦る気持ちが出てきます。適応障害という診断でも、治療に数ヶ月かかることはまれではありません。まずは十分な休息により体調を回復させつつ、主治医とも相談してうつ病に診断が変更される可能性がないか慎重に相談しながら、治療を継続いただくのがよいと思います。

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(参考文献)

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