3日前から腹痛と血便があり、心配です。
3日前に刺すような腹痛があり、30分おきに数回の下痢を繰り返しました。5回目くらいの下痢で血便に気が付きました。腹痛はすぐに治まりましたが、血便はその後も続き、ガスが出るときに月経のような出血がありました。お尻を拭くと、鼻水に血が混ざったような血が付着していました。4日目に出血は見られなくなりましたが、受診した方が良いでしょうか?
ご相談ありがとうございます。お話を伺う限り、いくつかの病気が考えられますので、以下に詳しく説明いたします。
考えられる病気について
血便や下痢、腹痛がある場合、以下のような病気が疑われます。
1. 虚血性腸炎:腸の血流が悪くなり、炎症や潰瘍ができる病気です。突然の腹痛と血便が特徴です。普段便秘があるような場合に起こりやすいと言われており、特に高齢の方に見られます。腹痛が起きてから下痢があり、そのあと血便が出現するという、今回のあなたの症状の出方と同様な経過を辿るのが典型的です。
2. 大腸憩室出血:大腸の壁に小さな袋状の突起(憩室)ができ、そこから出血することがあります。突然の大量出血が特徴です。腹痛がない場合も多いです。以前大腸内視鏡検査を行ったことがあるとのこと、その際に憩室を指摘されていれば注意が必要です。
3. 痔核:いわゆる痔で、肛門周辺の血管が腫れて出血することがあります。便に血が混じることが多いです。痔核だけでは腹痛や下痢が起こることはありませんが、腹痛や下痢の原因となる例えば胃腸炎がおきて、頻回の排便を繰り返すうちに痔核から出血し、血便となる場合があります。
4. 感染性胃腸炎:細菌やウイルスによる感染で、下痢や腹痛、時には血便が見られます。血便をきたすような感染症はO-157やカンピロバクター、サルモネラ、腸管アメーバなどといった病原体が原因となることがあります。生物やよく火が通っていない食べ物などを数日以内に摂取した場合、あるいは周囲で同じような症状がある方がいらっしゃる場合は注意が必要です。
5. 潰瘍性大腸炎やクローン病:これらは腸に炎症が起こる病気で、血便や下痢、腹痛が主な症状です。10-20代の若い方が発症する場合が多いですが、潰瘍性大腸炎は壮年期や高齢になってからも発症する場合があります。
6. 大腸癌:大腸にできる悪性腫瘍で腹痛や下痢、血便の症状を起こすことがあります。
受診をおすすめします
腹痛や血便は治ってきている、とのことですが、原因によっては症状が再発する場合や早期の治療が必要なものもありますので、できれば早めに一度消化器内科への受診をお勧めします。
受診の際は、記載いただいたように、どんな症状がいつからはじまったか、時間の経過とともにどう変化したか、など詳細に伝えると病気を特定しやすくなります。また、必要時には血液検査や画像検査(エコー、CT、内視鏡など)を行なって原因を特定していきます。
さらに、今までの内視鏡歴や既往歴(今までかかった病気や治療中の病気など)、普段薬の内服があるようならばその内容も合わせて伝えるといいでしょう。