たんこぶができた場合、頭のどこを打つと危ないですか?
こめかみや後頭部を打った場合は特に危険です。嘔吐や意識障害などの症状があれば速やかに受診しましょう。
頭への衝撃で特に注意が必要なのは、こめかみと後頭部です。
頭の打撲の危険度は、打った場所と衝撃の強さにより大きく異なります。最も危険な部位は、こめかみ(耳のすぐ上の頭部側面)、後頭部、頭蓋底です。これらの部位は骨が薄く、重要な血管や神経構造に近いため、頭蓋内出血、頭蓋骨骨折、直接的な脳損傷といった深刻な合併症のリスクが高まります。
- こめかみ:薄い骨の下に中硬膜動脈という太い血管が通っており、衝撃によりこの血管が破れ、硬膜外血腫という緊急事態を引き起こす可能性があります。打った直後は意識が保たれていても、頭蓋内圧(頭蓋骨内部の圧)の上昇により、数時間後に急変することがあり、非常に危険です。
- 後頭部:強い衝撃は、脳震盪、脳挫傷、頭蓋内出血などを引き起こし、脳幹や小脳など生命維持のために重要な部分が影響を受ける可能性があります。後ろ向きに転倒して打つことが多く、特に高齢者では軽い衝撃でも遅れて合併症が起こることがあります。
- 頭蓋底:脳を支える頭蓋骨の底面部分にあたり、呼吸や心拍を制御する重要な神経構造が存在します。この部位への外傷は、頭蓋骨骨折、脳幹損傷、脊髄損傷につながる可能性があります。
頭頂部や前頭部(額)は比較的骨が厚く衝撃に強いため、たんこぶで済むことが多いですが、強打した場合や症状が続く場合は油断できません。意識障害、嘔吐、けいれん、脱力、異常な眠気、耳や鼻から血液や液体が出るなどの症状がある場合は、部位にかかわらず速やかに受診が必要です。
「たんこぶ」について、特に知りたいことは何ですか?
利用規約とプライバシーポリシーに同意のうえ、もっとも当てはまる項目を選択してください。
(参考文献)
Lumba-Brown A, et al. Centers for Disease Control and Prevention Guideline on the Diagnosis and Management of Mild Traumatic Brain Injury Among Children.. JAMA Pediatr. 2018, 172, e182853..
Barbosa RR, et al. Eastern Association for the Surgery of Trauma. Evaluation and management of mild traumatic brain injury: an Eastern Association for the Surgery of Trauma practice management guideline. J Trauma Acute Care Surg. 2012, 73, S307-14.
Ginsburg J et al. Smith T. Traumatic Brain Injury. StatPearls. 2025, , PMID: 32491784.
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
たんこぶ
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
一問一答なので 読むのが簡単
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
公開日:
最終更新日:
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ医療AIパートナー ユビー
24時間いつでも健康の悩みを気軽にチャットで相談できるあなただけの医療AIパートナー。なんとなく不調な時や人に相談しづらい悩みがあるときも、どんな相談もOKです