ランバートイートン症候群と重症筋無力症の違いはなんですか?
どちらも神経筋接合部の病気ですが、障害される部位や原因となる抗体が異なります。
ランバートイートン症候群(LEMS)と重症筋無力症(MG)は、どちらも神経と筋肉のつなぎ目に問題が生じる病気ですが、障害される部位や症状のあらわれ方に違いがあります。
ランバートイートン症候群と重症筋無力症の共通点
どちらも神経筋接合部(しんけいきんせつごうぶ)という、神経から筋肉に信号を伝える部分に障害が起こる自己免疫疾患です。自分の免疫が誤って自身の組織を攻撃することで、筋力の低下が生じます(重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022)。
ランバートイートン症候群と重症筋無力症の障害部位の違い
MGでは、主に神経筋接合部の筋肉側(シナプス後膜)にあるアセチルコリン受容体(AChR)に対する抗体が原因で、神経からの信号を筋肉がうまく受け取れなくなります(難病情報センター)。一方、LEMSでは神経側(シナプス前膜)にある電位依存性カルシウムチャネル(VGCC)に対する抗体が原因で、神経から信号を送る物質(アセチルコリン)の放出が減少します。LEMS患者さんの約90%で、このVGCC抗体が陽性とされています(診療ガイドライン2022)。
ランバートイートン症候群と重症筋無力症の症状の違い
MGでは、まぶたが下がる(眼瞼下垂)や物が二重に見える(複視)といった目の症状から始まることが多く、体を動かすにつれて筋力が低下する「易疲労性」が特徴です。一方、LEMSでは下肢を中心とした筋力低下が主な症状で、口の渇きや便秘などの自律神経障害を伴うことが多いとされています。また、LEMSでは運動を続けると一時的に筋力が改善する現象がみられることがあります(Pascuzzi RM et al. 2022)。
ランバートイートン症候群と重症筋無力症の原因の違い
MGは自己免疫のメカニズムで発症し、胸腺(きょうせん)の異常との関連が指摘されています(難病情報センター)。一方、LEMSは50%以上の患者さんに悪性腫瘍(主に小細胞肺がん)が合併する「傍腫瘍性神経症候群」としての側面があります(診療ガイドライン2022)。筋力低下や自律神経症状が気になるときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
日本神経学会『重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022』南江堂, 2022
難病情報センター『重症筋無力症(指定難病11)』https://www.nanbyou.or.jp/entry/272.(参照 2026-09-04).
Pascuzzi RM, Bodkin CL. Myasthenia Gravis and Lambert-Eaton Myasthenic Syndrome: New Developments in Diagnosis and Treatment. Neuropsychiatr Dis Treat. 2022;18:3001-3022.
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やよい在宅クリニック 脳神経内科
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