ランバート・イートン型筋無力症候群の症状は?ランバート・イートン型筋無力症候群と症状の関連性をAIで無料でチェック
監修医師原瀬 翔平亀田総合病院 脳神経内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
ランバートイートン症候群とは
腫瘍(半分以上は肺小細胞癌)により抗体が産生され、神経と筋肉をつなぐ部分が障害され筋力が低下します。症状は手足、体幹の筋力が低下し歩行障害等が出ます。筋力低下は繰り返し動かしたり歩いたりしているうちに改善します。
「ランバートイートン症候群」とはどのような病気ですか?
神経と筋肉の情報伝達が障害され、筋力低下や自律神経障害が生じる自己免疫性の病気です。ある種の癌(がん)の前後にみられることが多いです。
自己免疫性の機序により、神経から筋肉への情報伝達が障害され、四肢の筋力低下や自律神経障害が生じる疾患です。
この病気の50%以上が、悪性腫瘍(がん)、主に肺小細胞がんを合併していると言われています。
症状は、両下肢の筋力低下が最も多いと言われており、そのほかに両上肢の筋力低下、まぶたが落ちてくる、ろれつが回りにくい、飲み込みにくいなどの筋力低下による症状が見られることもあります。
治療は、がんが背景にある場合はがんの治療を行います。また、対症療法(病気の根本的治療ではなく現れた症状への対応としての治療)として神経から筋肉への伝達を助ける薬を使うことがあります。
ランバートイートン症候群の症状
ランバートイートン症候群の末期症状はどのようなものがありますか?
呼吸や飲み込みの問題が出たり、全身の力が入らなくなり、生活に補助が必要となります。
ランバートイートン症候群の末期症状としては、呼吸や飲み込みの障害が出たり、全身の力が入らなくなり、生活に補助が必要となります。
ランバートイートン症候群は、筋肉と神経の伝達をする役目のある神経の終末にある受容体と言われる部位に、自己免疫抗体(自分の体に対して防御する抗体)ができてしまうことにより、起きる病気です。
このため、体に動くように指令をする神経から筋肉への伝達がうまくいかず、全身の筋肉の力が入りづらくなり、全身の筋力の低下や呼吸や飲み込みに関連する筋力が低下します。
また、それ以外に自律神経障害(性機能障害、ドライアイ、便秘など)の症状が出ます。病気の進行とともに症状も重くなります。
ランバートイートン症候群には初期症状はありますか?
人によって、どのような初期症状があらわれるかは異なると考えられます。
どのような症状が初期にあらわれるかは、人によって異なると考えられます。
ただし、太ももをはじめとする両下肢の筋力低下が最も多いと言われています。
そのほかに両上肢の筋力低下、まぶたが落ちてくる、ものが2重に見える、ろれつが回りにくい、飲み込みにくい、呼吸が苦しいなどの筋力低下による症状が起こることもあります。さらに、口が渇く、性機能障害、便秘などの自律神経障害による症状も起こり得ます。
気になる症状があれば脳神経内科を受診しましょう。
ランバートイートン症候群ではどのような症状がありますか?
脚の筋力低下により、椅子から立ち上がれないなどの症状があります。全身倦怠感、口が渇くなどの症状もあります。
筋力低下による以下のような症状がみられます。
- 両下肢の筋力低下(最も多いと言われています)
- 両上肢の筋力低下
- まぶたが落ちてくる
- ものが2重に見える
- ろれつが回りにくい
- 飲み込みにくい
- 呼吸が苦しい
など
さらに、口が渇く、性機能障害、便秘などの自律神経障害による症状も起こり得ます。
ランバートイートン症候群の検査・診断
ランバートイートン症候群のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
以下のような症状があれば、脳神経内科を受診しましょう。
- 両下肢の筋力低下
- 両上肢の筋力低下
- まぶたが落ちてくる
- ものが2重に見える
- ろれつが回りにくい
- 飲み込みにくい
- 呼吸が苦しい
などの筋力低下による症状
- 口が渇く
- 性機能障害
- 便秘
などの自律神経障害による症状
ランバートイートン症候群の検査で見られる『終板電位』の異常とは何ですか?
運動神経から筋肉に指令が伝わる際に神経接合部の終板で発生する、一時的な電位変化の異常です。
終板電位の異常とは、運動神経から筋肉に指令が伝わる際に神経接合部の終板で発生する、一時的な電位変化の異常です。通常は、運動神経の末端に活動電位が到達するとアセチルコリンが受容体に結合して十分な大きさの終板電位が生じた結果、筋肉が収縮します。
しかし、ランバートイートン症候群では自己抗体の影響で1回の刺激で放出されるアセチルコリンの量が大きく減ってしまいます。その結果、終板電位の大きさが、筋肉を本来通りに収縮させるのに十分なレベルに届きにくくなり、筋力が低下してしまうのです。検査では、安静時の筋電図で複合筋活動電位(CMAP)が小さく、繰り返し刺激や最大収縮の直後に一時的に増大するといった変化が見られます。
ランバートイートン症候群の治療・対処法
ランバート・イートン型筋無力症候群 への対処法は?
原因となる腫瘍(特に肺小細胞癌)の治療が優先されます。腫瘍の治療とともに症状が改善することが知られています。
ランバートイートン症候群の場合、主にどのような治療をしますか?
がんがある場合は、がんを治療します。また、薬や血漿交換などの治療を行います。
対症療法(病気の根本的治療ではなく現れた症状への対応としての治療)として、神経から筋肉への伝達を助ける薬を使うことがあります。また同時に、悪性腫瘍(がん)を探し、合併している場合には悪性腫瘍の治療も行います。
さらに、大量ガンマグロブリン療法・血漿交換などの免疫治療を行うこともあります。
受診の目安・何科を受診するべきか
ランバートイートン症候群を放置するとどうなりますか?
放置すると、症状が悪化し、命に関わる可能性もあります。
放置すると、症状が悪化し、命に関わる可能性もあります。
ランバートイートン症候群は、筋肉と神経の伝達をする役目のある、神経の末端にある受容体(刺激を受け取る部位)に、自己免疫抗体(自分の体に対して防御する抗体)ができてしまうことにより、起きる病気です。
このため、体に動くように指令をする神経から筋肉への伝達がうまくいかず、全身の筋肉の力が入りづらくなり、全身の筋力の低下や呼吸や飲み込みに関連する筋力が低下します。
また、それ以外に自律神経障害(性機能障害、ドライアイ、便秘など)の症状が出ます。病気の進行とともに症状も重くなります。
ランバートイートン症候群の名医の探し方を教えてください。
神経内科専門医、かつ重症筋無力症などが診れる自己免疫疾患の専門家を探すことをおすすめします。
神経内科専門医、かつ重症筋無力症などを診れる自己免疫疾患の専門家であることが重要です。
また、ランバートイートン症候群は、悪性腫瘍(主に肺小細胞がん)との関連が指摘されているため、呼吸器科や他の診療科との連携ができることも重要です。
このため、さまざまな診療科がある大学病院や、総合病院で勤務する医師を探すことをおすすめします。
Ubieでは以下の「かんたん医師相談」から、気軽に医師に相談することも可能です。
ランバートイートン症候群が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?
脳神経内科を受診しましょう。足の筋力低下や両眼瞼下垂などの症状があるなど、疑わしい場合は早めに受診しましょう。
脳神経内科を受診しましょう。
四肢の筋力低下や口の渇きなどの自律神経症状など、気になる症状があれば早めに受診しましょう。
ランバート・イートン型筋無力症候群 の専門医がいる近くの病院はありますか?
ランバート・イートン型筋無力症候群 の専門医がいる病院を見るランバートイートン症候群の経過・予後
ランバートイートン症候群の予後はどのくらいですか?
がん(悪性腫瘍)、特に肺小細胞がんの合併の有無によって異なります。
肺小細胞がんを合併する場合、主な死因はがん(悪性腫瘍)であり、予後はがんの状態によって左右されます。
肺小細胞がんを合併する場合は合併しない場合と比べて、発症早期から神経症状が出現傾向であり、進行が早いです。ランバートイートン症候群の治療戦略も左右されるため、診断後2年までは3~6ヶ月ごとにがんが発生していないか経過観察するべきだとされています。
また、肺小細胞がんなどのがんを合併しない場合、生命予後に影響はないと言われています。
ランバートイートン症候群の余命はどれくらいですか?
ランバートイートン症候群の余命は一概には言えませんが、がんの有無によって大きく異なります。
ランバートイートン症候群の余命は一概には言えませんが、がんの有無によって大きく異なります。がんがある場合は、がんがランバートイートン症候群の主な死亡の原因となるため、そのがんの種類や進行度合いにより、余命は大きく異なります。
特にランバートイートン症候群の患者さんは、肺の小細胞がん(肺がんの一種)が40~60%で高率に合併することが多く、肺小細胞がんが早期に見つかり、がんの治療がうまくいった場合は、生命予後(残された時間の見通し)もよく、ランバートイートン症候群の症状も改善すると言われています。
また、悪性腫瘍が合併しない場合は、予後(病気の将来の見通し)は良好と考えられています。ただし、未発見のがんが潜んでいる場合もあるため、定期的に全身の検査をする必要があります。
ランバートイートン症候群に関連するその他の質問
ランバートイートン症候群と肺がんには、どのような関係がありますか?
ランバートイートン症候群は、小細胞肺がんを合併しやすいことが知られています。
ランバートイートン症候群は、小細胞肺がん(SCLC)を合併しやすいことが知られています。
これまで行われた複数の報告によると、ランバートイートン症候群は50%以上で、SCLCなどのがん(悪性腫瘍)を合併します。
近年、同じくランバートイートン症候群に合併するがんとして、神経内分泌がん(ホルモンを分泌するがん)のメルケルがん細胞が注目されています。SCLCも同様に神経内分泌がんです。
どちらもランバートイートン症候群の患者さんに発生する過程で、自己抗体であるP/Q型VGCC抗体を発現する、またはしやすいのではないかと考察されており、これがランバートイートン症候群の原因のひとつとして考えることもできるとされています。
参考文献
監修:日本精神神経学会.“重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022”.日本神経学会.https://www.neurology-jp.org/guidelinem/pdf/mg_2022.pdf,(参照 2024-07-04).
日本アフェレシス学会.“日本アフェレシス学会雑誌:7-9-43 神経疾患領域:ランバート・イートン筋無力症候群”.日本アフェレシス学会.https://www.apheresis-jp.org/143241.html,(参照 2024-07-04).
日本アフェレシス学会.“日本アフェレシス学会雑誌:7-17-51 神経疾患領域:傍腫瘍性神経症候群”.日本アフェレシス学会.https://www.apheresis-jp.org/143249.html,(参照 2024-07-04).
ランバートイートン症候群と重症筋無力症の違いはなんですか?
どちらも神経筋接合部の病気ですが、障害される部位や原因となる抗体が異なります。
ランバートイートン症候群(LEMS)と重症筋無力症(MG)は、どちらも神経と筋肉のつなぎ目に問題が生じる病気ですが、障害される部位や症状のあらわれ方に違いがあります。
ランバートイートン症候群と重症筋無力症の共通点
どちらも神経筋接合部(しんけいきんせつごうぶ)という、神経から筋肉に信号を伝える部分に障害が起こる自己免疫疾患です。自分の免疫が誤って自身の組織を攻撃することで、筋力の低下が生じます(重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022)。
ランバートイートン症候群と重症筋無力症の障害部位の違い
MGでは、主に神経筋接合部の筋肉側(シナプス後膜)にあるアセチルコリン受容体(AChR)に対する抗体が原因で、神経からの信号を筋肉がうまく受け取れなくなります(難病情報センター)。一方、LEMSでは神経側(シナプス前膜)にある電位依存性カルシウムチャネル(VGCC)に対する抗体が原因で、神経から信号を送る物質(アセチルコリン)の放出が減少します。LEMS患者さんの約90%で、このVGCC抗体が陽性とされています(診療ガイドライン2022)。
ランバートイートン症候群と重症筋無力症の症状の違い
MGでは、まぶたが下がる(眼瞼下垂)や物が二重に見える(複視)といった目の症状から始まることが多く、体を動かすにつれて筋力が低下する「易疲労性」が特徴です。一方、LEMSでは下肢を中心とした筋力低下が主な症状で、口の渇きや便秘などの自律神経障害を伴うことが多いとされています。また、LEMSでは運動を続けると一時的に筋力が改善する現象がみられることがあります(Pascuzzi RM et al. 2022)。
ランバートイートン症候群と重症筋無力症の原因の違い
MGは自己免疫のメカニズムで発症し、胸腺(きょうせん)の異常との関連が指摘されています(難病情報センター)。一方、LEMSは50%以上の患者さんに悪性腫瘍(主に小細胞肺がん)が合併する「傍腫瘍性神経症候群」としての側面があります(診療ガイドライン2022)。筋力低下や自律神経症状が気になるときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。
参考文献
日本神経学会『重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022』南江堂, 2022
難病情報センター『重症筋無力症(指定難病11)』https://www.nanbyou.or.jp/entry/272.(参照 2026-09-04).
Pascuzzi RM, Bodkin CL. Myasthenia Gravis and Lambert-Eaton Myasthenic Syndrome: New Developments in Diagnosis and Treatment. Neuropsychiatr Dis Treat. 2022;18:3001-3022.
ランバートイートン症候群に特徴的な抗体はありますか?
シナプス前P/Q型電位依存性カルシウムチャネル(VGCC)への自己抗体(P/Q型VGCC抗体)です。
シナプス前P/Q型電位依存性カルシウムチャネル(VGCC)に対する自己抗体(P/Q型VGCC抗体)」は、ランバートイートン症候群に特徴的です。「P/Q型VGCC抗体は、ランバートイートン症候群の患者さんで85%、もしくは95%で陽性だった」という2種類の報告があります。
一方で、「VGCC抗体陽性の場合でも、表現型やがん型は多様であるため、抗体価が中程度~低い場合は結果を慎重に解釈すべきである」といった報告もあります。これはVGCCが神経筋接合部だけでなく、自律神経系や小脳といった他の部位にも分布していることを反映した結果と考えられます。
つまり、ランバートイートン症候群では、VGCC抗体が陽性であることが多いですが、VGCC抗体が陽性だったからといって、ランバートイートン症候群であるとは言えません。
ランバートイートン症候群について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「ランバート・イートン型筋無力症候群 」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- これまでに【肺がん】と診断されたことはありますか?
- 自力で立ち上がるのは難しいですか?
- 前より歩きにくくなったように感じますか?
- 手足などに力の入らない部分はありますか?
- 両方の足が動かないですか?
ランバートイートン症候群に関連する病気・症状
この記事の監修医師
原瀬 翔平
亀田総合病院 脳神経内科・内科
University of Washington (理学部、分子細胞生物学) 卒業後、アップルジャパン株式会社勤務を経て、琉球大学医学部に入学。沖縄県立中部病院での初期臨床研修(2016, 2017年度最優秀研修医賞受賞)修了後、2018年4月に亀田総合病院に入職。同院脳神経内科ベスト指導医(2019, 2020)を受賞。2018年から亀田総合病院卒後研修センター長補佐も兼任しており、臨床だけでなく研修病院における医学教育にも力を入れている。2021年には国立循環器病研究センター脳血管内科で超急性期脳卒中診療を行う。 総合内科の視野を持ちながらの脳神経内科領域、特に脳卒中を専門とする。急性期だけでなく予防、慢性期脳卒中による症候性てんかん、高次脳機能評価、リハビリ、等にも精通。頭痛、しびれ、物忘れ等の主訴にも柔軟に対応できる。 日本語、英語(ネイティブ)、中国語(日常会話)での対応も可能。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03