脊髄空洞症の症状は?脊髄空洞症

監修医師原瀬 翔平亀田総合病院 脳神経内科

更新日
2026/10/27
公開日
2020/09/03

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脊髄空洞症とは

脳や脊髄は髄液という液体に浮かんでいます。脊髄の中に脳脊髄液がたまり空洞が出現することで脊髄を内側から圧排し、様々な神経症状を呈します。片側の腕の感覚障害や力の入りにくさなどで発症することがあります。

脊髄空洞症とはどのような病気ですか?

脊髄の中に髄液(ずいえき)という液体が入り込み、脊髄が圧迫されてしまう病気です。

脊髄は、脳と末梢神経をつなぐ重要な役割を果たしている神経の通り道です。
運動神経や感覚神経など、手足を動かしたり痛みなどを感じたりするために必要な神経が通っています。
脊髄は髄液と呼ばれる液体の中に浮かんでいますが、その液体が脊髄の中心にある中心管という場所にたまってしまうと、脊髄が内側から圧迫されてさまざまな症状を引き起こします。
生じる症状は、脊髄のどの部分に空洞症が起こったかによってさまざまです。

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脊髄空洞症の症状

どのような症状が見られますか?

最初は手や足の痛みや温度の感覚の異常が起こり、あとから腕や足の麻痺が見られるようになります。

脊髄は頭から腰にかけて続いている神経の通り道ですが、位置によって「脳幹(頭蓋骨の中)」「頸髄(首の高さ)」「胸髄(胸の高さ)」「腰髄(腰の高さ)」とも呼ばれます。
これらのうちどの箇所に障害が生じているかによって、引き起こされる症状も変わってきます。
一般的には解離性感覚障害が、障害されている脊髄の位置に沿って生じます。
解離性感覚障害とは、温度や痛みの感覚は低下する一方で触覚や深部感覚(筋肉や自分の体の位置を感じる感覚)は保たれている状態を指します。
また、時間経過とともに手や足が動かしにくくなる症状が見られます。

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脊髄空洞症と症状が似ている他の病気はありますか?

脊髄周辺にある組織、椎間板(ついかんばん)や椎骨、靱帯の異常による病気のほか、脊髄にじかに異常をきたす脊髄腫瘍や炎症等が考えられます。

脊髄が何らかの原因で外側から圧迫される病気(椎間板ヘルニアや黄色靱帯骨化症等)で、類似した症状を呈することはあります。
ただし、そうした病気では解離性感覚障害は通常起こりません。

また、脊髄自体の病気によっても、類似した症状が見られることがあります。
たとえば脊髄腫瘍や、視神経脊髄炎・横断性脊髄炎等の炎症性の疾患などです。
これらは解離性感覚障害を認めることがあり、原因となっている病気をより慎重に見極める必要があります。

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脊髄空洞症の検査・診断

どのようにして診断しますか?

MRI検査でほぼ診断を確定することができます。

脊髄空洞症の診断自体は、ほぼMRI検査の結果から下すことができます。
脊髄空洞症を起こした原因がないかを検査するために、造影剤を使ったMRI検査が必要になることもあります。

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どのような検査を行いますか?

MRI検査を行います。

脊髄空洞症かどうかはほぼMRI検査のみで判明するため、もっぱらMRI検査を行います。
脊髄空洞症を起こした原因がないかを検査するうえで、造影剤を使ったMRI検査を行うこともあります。

さらに詳しく:どのような検査を行いますか?監修医師原瀬 翔平亀田総合病院 脳神経内科
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脊髄空洞症の治療・対処法

脊髄空洞症への対処法は?

手足の動かしにくさやしびれの症状が突然出現した場合、脳梗塞や頚椎症などよくある疾患から精査を行う必要があります。その過程で、脊髄MRI検査等を行った際に診断がつくことがあります。

治療を開始してから治るまでの流れが知りたいです。

手術で症状がおさまることが多いですが、空洞が残ったり、しびれなどの後遺症が残ったりする場合もあります。

一般的には手術によって症状は改善することが多いとされます。
ただし、神経が受けた損傷は他の組織の損傷と比べて一般的に回復しにくいとされており、後遺症が残る可能性はあります。
後遺症としては、脊髄に空洞が残る、しびれが残るといった場合があります。

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手術の合併症などはありますか?

脊髄の機能障害、髄膜炎(ずいまくえん)、人工の膜やチューブに対するアレルギー反応などが挙げられます。

手術を行う際には脊髄に実際に触れるため、脊髄の障害やそれにともなう炎症・感染症等を引き起こしてしまう可能性があります。
また、人工物や膜、チューブ等を用いることがあり、それによるアレルギー反応や感染症などが起こる可能性もあります。
詳しくは手術の前に執刀医から話を聞くことをおすすめします。

さらに詳しく:手術の合併症などはありますか?監修医師原瀬 翔平亀田総合病院 脳神経内科

一般的にどのような治療を行いますか?

手術を行います。症状があれば、必要に応じて服薬もします。

脊髄の中心管に髄液が流れ込んでしまうことが病気の原因なので、その原因を取り除く手術を行います。
キアリ奇形では頭蓋骨の出口を広げる手術(大後頭孔拡大術)を、脊髄腫瘍やくも膜炎があればその原因部位を取り除く手術を行います。
原因がわからない(特発性)脊髄空洞症で、治療しても効果が乏しい場合はシャント手術をおこないます。

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受診の目安・何科を受診するべきか

医療機関を受診する目安はありますか?

症状を感じたらなるべく早く受診しましょう。

症状を認めた場合、早めに医療機関を受診してください。
ただし、脊髄空洞症は比較的まれな疾患なので、いきなり専門医に行くよりも、まずは整形外科や脳神経外科で診てもらい、よく見られる症状(頚椎症)などがないかを医師に確認してもらいましょう。
専門医を受診する必要があると判明すれば、ほとんどの場合そこで紹介も受けられます。

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どの診療科を受診したらいいですか?

まずは整形外科や脳神経外科を受診しましょう。

脊髄空洞症が強く疑われる場合、最終的には治療を行うことのできる専門的な脳神経外科の受診が必要になります。
ですが、脊髄空洞症自体が比較的まれな疾患であるうえ、症状が似ている疾患も多くあるので、まずは整形外科や一般的な脳神経内科を受診し、そこで詳しく診てもらうことをおすすめします。

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脊髄空洞症を放置するとどうなりますか?

温度と痛みの感覚がなくなり、手足が動かしづらくなっていきます。病変が頸髄(けいずい)や脳幹に至ると、命に関わることがあります。

温度と痛みの感覚(温痛覚)が鈍くなったり失われたりする症状が必ず出現し、ときに手や足が動かしにくくなります。
場合によっては車椅子が必要になることもあります。
また、脊髄空洞症が起こった箇所が首より上の脊髄(頸髄や脳幹と呼ばれる部位)であると、致命的な事態に発展することがあります。

症状の進み方は原因などにより個人差がありますが、数ヶ月〜数年かけてゆっくりと悪化していくケースが多いです。
ただし、急激に悪化する場合もあるため、異常を感じたら早めに受診することをおすすめします。

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脊髄空洞症の専門医がいる近くの病院はありますか?

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脊髄空洞症の経過・予後

薬はいつまで飲むのでしょうか? ずっと飲み続けなくてはいけないのでしょうか?

痛みなどの症状がおさまれば、薬の減量や中止を検討できます。

脊髄空洞症は薬で治療する病気ではなく、手術で治療する病気になります。
薬を用いるとしても、痛みやしびれの症状に対する対症療法としての使用に限ります。
そのため、痛みやしびれがおさまれば、薬の減量や中止を検討します。

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対処法・セルフケア

治療中に、日常生活で気を付けることは何でしょうか?

日常生活中の工夫だけでは、予防や症状の緩和は難しいです。定期的に受診しましょう。

キアリ奇形の場合、咳き込んだり力んだりすることが脊髄空洞症の発症や症状の悪化につながることが知られています。
とはいえ、日常生活中の工夫だけでそれらを完全に防ぐことは難しいため、まずは症状に応じて受診を検討してください。

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参考文献

水野 美邦. 神経内科ハンドブック第5版. 医学書院, 2016.

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脊髄空洞症に関連するその他の質問

脊髄空洞症は遺伝しますか?

多くの場合、遺伝はしません。

多くの場合、遺伝することはありません。
ただし一部の症例として、血縁者に患者がいる人が発症するケースが知られており、なんらかの遺伝的な要因が発症に関係しているのではないかとは考えられています。

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キアリ奇形という病気と脊髄空洞症は関係がありますか?

キアリ奇形という病気が原因で髄液(ずいえき)の流れが悪くなることで、脊髄空洞症を発症することが多々あります。

キアリ奇形とは、本来ならば頭蓋骨の内側に収まっているべき小脳や脳幹の一部が、頭蓋骨の出口(大後頭孔)を超えて、頸椎の脊柱管(中を脊髄が通っている管)にはまり込んでしまう(嵌入する)病気です。
特にキアリ奇形 I型の場合、脊髄の流れが妨げられることで、脊髄空洞症を発症する確率が高くなると言われています。

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脊髄空洞症について、医師からのよくある質問

医師からよくある質問はありますか?

「脊髄空洞症」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。

  • 皮ふ表面の感覚がおかしいと感じますか?
  • しびれや感覚のおかしさを感じますか?
  • 肘から手首にかけてしびれがありますか?
  • 皮ふの感覚がにぶく、痛みなどを感じにくいですか?
  • 手足などに力の入らない部分はありますか?

脊髄空洞症に関連する症状としては次の症状があります

特に関連する症状

次のような症状がある方はご注意ください。

しびれや感覚のおかしさがある
自覚した時期
1か月以上前から
症状の出方
全く前ぶれのない突然の発症だった

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この記事の監修医師

監修医師 原瀬 翔平

原瀬 翔平

亀田総合病院 脳神経内科・内科

University of Washington (理学部、分子細胞生物学) 卒業後、アップルジャパン株式会社勤務を経て、琉球大学医学部に入学。沖縄県立中部病院での初期臨床研修(2016, 2017年度最優秀研修医賞受賞)修了後、2018年4月に亀田総合病院に入職。同院脳神経内科ベスト指導医(2019, 2020)を受賞。2018年から亀田総合病院卒後研修センター長補佐も兼任しており、臨床だけでなく研修病院における医学教育にも力を入れている。2021年には国立循環器病研究センター脳血管内科で超急性期脳卒中診療を行う。 総合内科の視野を持ちながらの脳神経内科領域、特に脳卒中を専門とする。急性期だけでなく予防、慢性期脳卒中による症候性てんかん、高次脳機能評価、リハビリ、等にも精通。頭痛、しびれ、物忘れ等の主訴にも柔軟に対応できる。 日本語、英語(ネイティブ)、中国語(日常会話)での対応も可能。

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公開日
2020/09/03