重症筋無力症
「重症筋無力症」とは、免疫機能の異常により、筋肉と神経の繋ぎ目が破壊される病気です。症状には、手足の筋力低下やまぶたの垂れ下がり、ものが二重に見える等があります。治療では、免疫抑制剤やステロイドの投与を行います。重症筋無力症が疑われる場合には、脳神経内科を受診しましょう。
新百合ヶ丘総合病院 脳神経内科
武井 悠香子 監修
みんなのQ&A
もっと見る病気について
重症筋無力症とは、神経から筋肉への情報伝達が障害され、全身の筋力低下が生じる病気です。
はい。特定の薬剤の使用、過労、ストレス、生ワクチンの接種、感染症、妊娠や手術、アルコールには注意が必要です。
発症後早くから治療を行えば、重症筋無力症が原因で死亡することはほとんどありません。
ストレスは重症筋無力症を発症する原因ではありませんが、急激な症状悪化を引き起こすため注意が必要です。
重症筋無力症は指定難病に分類されています。
まぶたが垂れ下がる眼瞼下垂や物が二重に見える複視により、見た目の変化も現れます。
筋無力症は、筋肉が弱くなったり、疲れやすくなったりする病気の総称で、その中でも自己免疫が原因なのが重症筋無力症です。
寛解という状態になることはありますが、完治することはありません。
一般的には高額になることが多いですが、指定難病に分類されているため、医療費の助成制度が利用できます。
胸腺腫、その他の自己免疫疾患を合併することがあります。
重症筋無力症は原因不明の自己免疫疾患です。
胸腺腫内で、自分を攻撃する免疫細胞が異常に活性化し、重症筋無力症の症状が悪化すると言われています。
2018年の調査によると、重症筋無力症の患者さんは29,210人と言われています。
眼瞼下垂や複視といった目の症状だけの場合を眼筋型と呼びます。
重症筋無力症は、握力の低下を引き起こす可能性があります。
眼瞼下垂は重症筋無力症の初期症状として現れることが多く、まぶたが下がって目が開けにくくなります。
症状が安定していれば続けられますが、配慮は必要です。
全国に様々な患者会があります。
できますが、計画的な妊娠・出産が大切です。
重症筋無力症はの男女比は1:1.15で、女性にやや多い病気です。
はい、重症筋無力症は子供でも発症します。
はい、日内変動があり、夕方になると症状が悪化する傾向となります。
病気の発見や治療が遅れた場合、もしくは、治療が効かない場合は、寝たきりになる可能性があります。
麻酔薬が残りやすい傾向にあるので、手術を受ける際は、医師に重症筋無力症であることを伝えてください。
2018年の調査で、有病率は人口10万人あたり23.1人でした。
適切な治療を受けることで、日常生活や仕事に支障がない軽微な症状で過ごせる割合は50%を超えています。
はい、あります。適度な運動は体力や筋力の維持に良いですが、過度な運動は避けましょう。
通常、重症筋無力症は遺伝しません。
はい、治療が順調にいけば、重症筋無力症は寛解します。
治療が順調であれば、予後良好な病気です。
目の症状から全身に症状が進行することが多いです。
心身ともに疲れを溜めないようにしてください。手洗い・うがいなど感染予防をしっかりしてください。
喉や舌の動きが悪い症状がある場合は、やわらかいものにし、汁物はとろみをつけるなどの工夫をしましょう。
はい、症状が落ち着いていれば可能です。
重症筋無力症に関連がある自己抗体は、診断や病状・治療効果などの指標になることがあります。
アセチルコリン受容体抗体と筋特異的受容体型チロシンキナーゼ抗体があります。
重症筋無力症は筋肉が壊れる病気ではないため、CK値の異常が出ることは少ないです。
筋ジストロフィーは先天性の病気で、重症筋無力症は後天性の病気です。
症状について
免疫機能の異常により、筋肉と神経の情報伝達を阻害する抗体が体内で生産されることで起こります。
まぶたが垂れ下がる、ものが二重に見える、手足の筋力の低下、疲れやすくなるといった症状が起こります。
初期症状として、まぶたが垂れ下がったり、ものが二重に見えたりすることがあります。
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
重症筋無力症のクリーゼでは、呼吸のしづらさ、苦しさを感じます。また唾を飲み込みづらい、喋りにくいなどの症状が前兆となることもあります。すぐに受診しましょう。
筋力低下は重症筋無力症の主要な症状のひとつです。
重症筋無力症の軽度の症状には、眼瞼下垂や複視、易疲労感があります。
感染症、精神的・身体的ストレス、外傷や手術などで、症状が悪化することがあります。
口、喉や舌の動きが悪くなり、滑舌の悪さ、鼻声、小声、かすれ声などの構音障害が起きます。
通常、重症筋無力症の症状で痺れは出ません。
初期のうちは片方の目だけに出ることもあります。
眠気の症状はありませんが、全身の筋力低下や疲労感などの症状が原因で結果的に眠気が出ることがあります。
眼瞼下垂や複視が出ます。
治療について
神経から伝わる信号を強化するコリンエステラーゼ薬や、免疫機能を抑えるステロイド、免疫抑制剤を投与します。
筋トレやリハビリに効果があるかは解明されていませんが、筋力維持や体が固まってしまわないための筋トレやリハビリは重要です。ただし、病状が悪い時は制限が必要になります。
胸腺腫を合併する場合は、胸腺腫摘出の手術が第一選択になります。
血液を濾過するイメージで、血液中の自己抗体を取り除く治療です。
症状および治療内容によるので一概には言えません。
はい、あります。
受診について
診断について
検査について
手続きや支援について
薬について
神経筋伝達の障害を助長する薬剤は増悪因子となるため使えません。
ステロイド、免疫抑制薬、分子標的薬、免疫グロブリンなどです。
重症筋無力症に使われる分子標的薬は、エクリズマブとリツキシマブです。
使います。
重症筋無力症の治療として、シクロスポリン、タクロリムスという免疫抑制剤を日本ではよく使われます。
エクリズマブを始め、分子標的薬という新規治療が行われるようになりました。
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ医療AIパートナー ユビー
24時間いつでも健康の悩みを気軽にチャットで相談できるあなただけの医療AIパートナー。なんとなく不調な時や人に相談しづらい悩みがあるときも、どんな相談もOKです