良性の甲状腺腫瘍にはどのようなものがありますか？

良性の甲状腺腫瘍には、濾胞腺腫、腺腫様甲状腺腫や嚢胞などがあります。

濾胞腺腫（ろほうせんしゅ）

甲状腺ホルモンを分泌する濾胞細胞から発生する腫瘍で、はっきりとした膜に覆われています。超音波検査や細胞診では、悪性の濾胞がんとの区別が難しく、手術を行ってから病理検査で診断されることがあります。

腺腫様甲状腺腫（せんしゅようこうじょうせんしゅ）

腺腫のように甲状腺が腫れている状態で、通常は1個ではなく複数の結節（しこり）が発生しています。このしこりは厳密には腫瘍ではなく、甲状腺の細胞が増えて、しこり状になったものです。超音波検査と細胞診を行い、悪性の甲状腺がんと区別します。

嚢胞（のうほう）

甲状腺の中に液体などの体液がたまった袋状のものです。針を刺して体液を抜いたり、エタノールを注入する治療が行われることもあります。