CA15-3はどのくらいの数値から治療が必要になりますか?
CA15-3の値のみで治療の要否を決定することはありません。
CA15-3は、乳がん(特に進行・再発乳がん)の診療で用いられる腫瘍マーカーです。ただし、あくまで再発や遠隔転移の診断の補助として用いられるので、診断の確定や治療の必要性についてはその他の検査結果を併せて医師が総合的に判断します。そのため、CA15-3が陽性だからといってその数値のみを基準に治療の必要性が判断されることはありません。
血中CA15-3の値は、早期の乳がん患者さんでは健康な女性や乳腺の良性の病気のある女性と同じくらいのことも多いですが、治療後再発した場合には44~67%の陽性率です。また、他の臓器のがん(卵巣がん、膵臓、肺など)や一部の良性の病気(肝炎や肝硬変、サルコイドーシスなど)でも高値となることがあります。そのため、CA15-3が高値だからといって必ずがんがあるわけではありませんし、逆に基準範囲内だからといってがんを否定できるものではありません。特に、がんの早期発見には不向きであることに注意が必要です。
なお、CA15-3の基準値は30U/mL前後に設定されていることが多いですが施設によって異なります。詳細は検査を受けた施設や医療機関にお問い合わせください。
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最終更新日:
東日本橋内科クリニック 循環器内科 院長
白石 達也 監修
(参考文献)
Hideo Inaji. [CA15-3]. Nihon Rinsho. 2010, 68, p.691-3.
Michael J Duffy et al. CA 15-3: uses and limitation as a biomarker for breast cancer. Clin Chim Acta. 2010, 411, p.1869-1874.
国立がん研究センター.“腫瘍マーカー検査とは”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/dia_tre/inspection/marker.html,(参照 2024-08-06).
日本臨床検査医学会ガイドライン作成委員会.“臨床検査のガイドライン 2018 ”.日本臨床検査医学会ガイドライン作成委員会.http://www.jslm.info/GL2018/pdf/GL2018.pdf,(参照 2024-08-06).
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