CA15-3の数値が少しずつ上昇しているのはなぜでしょうか?
乳がんの再発や進行などによってCA15-3の数値が少しずつ上昇することがあります。
CA15-3の値は主に乳がんの診療で用います。乳がんの再発や進行、遠隔転移の出現によってCA15-3の数値が少しずつ上昇することがあります。
ただし、あくまで診断の補助や治療効果などのモニタリングの際に参考にするものです。再発などの診断やその後の治療の方向性については、他の検査結果も併せて医師が総合的に判断します。
CA15-3の数値が上がったからといって必ずしも病気が進行しているわけではありませんし、逆に数値が上がらなくても進行することもありますので、検査結果に一喜一憂する必要はありません。ただし、CA15-3値の上昇が続く場合には、その時点の画像検査などではっきりしていなくとも3~6ヶ月以内に再発が判明することがあるため、注意が必要です。
また、値の上昇が続く場合には原発巣やリンパ節での再発だけでなく遠隔転移を起こしている可能性や、乳がんが落ち着いている場合には他の臓器のがん(卵巣、膵臓、肺など)が出現している可能性などを考慮して、検査が追加されることがあります。
値の解釈について心配な場合は医師に相談すると良いでしょう。
※病気がない状態で人間ドックなどで継続的に測定している方
CA15-3の値の多少の変動を気にする必要はありませんが、検査施設から精密検査を勧められた場合は医療機関を受診するようにしましょう。また、CA15-3は乳がんの早期発見には不向きの検査です。乳がん検診としてはマンモグラフィ(乳腺専用のX線検査)や乳腺超音波(エコー)検査が勧められますので、これらの画像検査を受けていない場合には定期的な検査をおすすめします。
公開日:
最終更新日:
東日本橋内科クリニック 循環器内科 院長
白石 達也 監修
(参考文献)
Hideo Inaji. [CA15-3]. Nihon Rinsho. 2010, 68, p.691-3.
Michael J Duffy et al. CA 15-3: uses and limitation as a biomarker for breast cancer. Clin Chim Acta. 2010, 411, p.1869-1874.
日本乳癌学会.“乳癌診療ガイドライン2022年版 疫学・診断編”.日本乳癌学会.https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/t/,(参照 2024-08-06).
日本乳癌学会.“患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版 ガイドラインについて”.患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版.https://jbcs.xsrv.jp/guideline/p2023/about/,(参照 2024-08-06).
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
健康診断・人間ドック
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
一問一答なので 読むのが簡単
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラサービスの目的と位置付け
ユビー病気のQ&Aは、情報提供を目的としたサービスのため、医師・医療従事者等による情報提供は診療行為ではありません。
診療を必要とする場合は、医師・医療機関にご相談ください。
当サービスは、信頼性および正確な情報発信に努めますが、内容を完全に保証するものではありません。
情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。