機能性ディスペプシアと診断されていますが、他の可能性について検査を受けるべきか相談させてください。
20代・女性のご相談
ご相談いただき、ありがとうございます。食べ物が喉に引っかかる感じや、胸の痛みが続いているとのこと、そして最近では食べ物や飲み物が胃にうまく入らず、吐いてしまうことも多いとうかがいました。大変おつらい状況ですね。体重が減ったり、夜中に逆流で目が覚めたりと、日常生活にも影響が出ているご様子、心よりお見舞い申し上げます。
半年ほど前に受けた内視鏡検査や血液検査では、特に異常がなかったとのことですが、現在のクリニックでは自律神経の影響による機能性ディスペプシアと診断され、いくつかのお薬を処方されているものの、症状が改善せず、むしろ悪化していると感じていらっしゃるのですね。特に気分の落ち込みや不眠といった他の自律神経症状がない中で、診断や治療方針に不安を感じているお気持ち、よくわかります。
【本当に機能性ディスペプシアか知りたいという点について】
現在の症状やお薬の効果、内視鏡検査で異常がなかったことを考えると、機能性ディスペプシアの可能性もありますが、症状が悪化していることから、食道の動きに問題がある可能性も考えられます。機能性ディスペプシアは、他に原因となる病気がない場合に診断されるものですが、より詳しい検査を行うことで、他の病気が見つかることもあります。
【今後の対応について】
少しでも安心して過ごせるように、以下の対応をおすすめします。
1. 消化器内科(特に食道や消化管の動きに詳しい専門医)の受診
消化器内科(特に食道や消化管の動きに詳しい専門医)の受診をおすすめします。受診の際には、これまでの症状の経過や検査結果、現在のお薬の情報をまとめたメモを持って行くと、診察がスムーズに進みます。紹介状が難しい場合でも、紹介状なしで受診できる専門医を探したり、事情を説明して受診可能か問い合わせてみてください。
2. 考えられる他の病気と検査について
- 食道アカラシア:食道の筋肉がうまく働かず、食べ物が胃に送られにくくなる病気です。食べ物が喉に引っかかる感じや胸の痛み、逆流などが特徴です。初期には内視鏡検査で異常が見つかりにくいこともあります。
- 好酸球性食道炎:アレルギー反応の一種で、食道に炎症が起こる病気です。アトピー性皮膚炎をお持ちとのことですので、関連も考えられます。
- 逆流性食道炎:胃酸が食道に逆流することで炎症が起こる病気です。お薬が効かない場合や、胃酸以外のものが逆流している可能性もあります。
3. 日常生活での注意点と工夫
- 食事は少量ずつ、何回かに分けて摂るようにしましょう。よく噛んで、ゆっくりと食べることを心がけてください。
- 食後すぐに横にならないようにし、できれば2~3時間は体を起こした状態を保ちましょう。
- 就寝時は、枕を高くしたり、上半身を少し高くして寝ると、夜間の逆流が軽減されることがあります。
- 刺激物(カフェイン、アルコール、香辛料、脂質の多い食事など)は控えてみましょう。
- 水分補給は少量ずつ、こまめに摂取するようにしてください。一度にたくさん飲むのではなく、一口ずつゆっくりと飲むのがよいでしょう。経口補水液なども試してみる価値があります。医師や薬剤師にご相談ください。
【まとめ】
2022年から続く症状は、機能性ディスペプシアの可能性もありますが、他の食道の病気の可能性も考えられます。現在の治療で改善が見られず、症状が悪化していることから、消化器内科の専門医を受診し、セカンドオピニオンを求めることをおすすめします。専門医による詳しい診察と必要な検査を受けることで、より正確な診断と適切な治療法が見つかるかもしれません。おつらい症状が少しでも早く改善し、安心して日常生活を送れるようになることを心より願っております。どうぞお大事になさってください。
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