腰部脊柱管狭窄症の対処法について相談させてください。
60代・女性のご相談
お母様が腰部脊柱管狭窄症と診断され、毎日の痛みでお困りのこと、そして手術に対する不安から病院に行くのをためらっているご様子、心からお察しします。
まず、お母様が心配されている「手術をして歩けなくなった」という話ですが、そういった経験をされた方がいるのは事実かもしれませんが、すべての方がそうなるわけではありません。医療は日々進歩しており、手術方法も患者さんへの負担が少ないものが増えています。ただ、お母様の気持ちを考えると、まずは手術以外の方法で痛みを和らげることを考えるのが自然かと思います。
【腰部脊柱管狭窄症について】
腰部脊柱管狭窄症は、背骨の中の神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫されることで、腰痛や足の痛み、しびれが起こる病気です。歩くと症状が悪化し、休むと楽になることもあります。お母様の右足親指の痛みも、これに関係しているかもしれません。
【対処法について】
腰部脊柱管狭窄症の治療は、必ずしも手術が第一選択ではありません。多くの場合、まずは手術以外の治療法から始め、症状の改善を目指します。これらの方法はリスクが少ないと言えます。
1. 薬物療法
- 痛みや炎症を和らげる薬
- 神経の痛みを軽減する薬
- 血流を良くして神経の働きを助ける薬
- 筋肉の緊張を和らげる薬
- 神経の修復を助けるビタミン剤
2. リハビリテーション
- ストレッチや筋力トレーニングで体を動かし、正しい姿勢を保つ
- 温めることで血行を良くし、痛みを和らげる
3. 装具療法
- コルセットで腰を支え、痛みを和らげる
4. 神経ブロック注射
- 痛みの強い神経の近くに薬を注射し、痛みを抑える方法です。効果は個人差がありますが、痛みが強い場合に有効です。
【プールウォーキングについて】
お母様がプールでの運動で痛みが楽になるとのこと、それはとても良いことです。水中では体が軽くなり、腰への負担が減るため、痛みが和らぎます。プールウォーキングは、筋力を維持し、血行を促進し、気分転換にもなりますので、続けることをお勧めします。ただ、プールだけでの改善は難しいこともあるので、他の治療法と組み合わせるとより効果的です。
【今後の対応について】
お母様の気持ちを大切にしながら、痛みを少しでも和らげるために、一度整形外科の医師に相談されるのが良いかと思います。その際には、手術への不安や現在の症状、プールでの効果、手術以外の治療法を試したいという希望を伝えてください。もし、今の医師に伝えにくいと感じる場合は、他の医師に相談するのも一つの方法です。
【日常生活での注意点】
- 長時間同じ姿勢を避ける
- 重いものを持つときは、膝を曲げて腰を落としてから持ち上げる
- 腰を冷やさないようにする
- 適度に休息をとる
【まとめ】
お母様の痛みや手術への不安、心からお察しします。まずは手術以外の方法で症状を和らげることを考え、プールウォーキングを続けながら、医師と相談して他の治療法も試してみてください。お母様に合った治療法が見つかることを心より願っています。どうぞお大事になさってください。
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