黄疸が出ています。胆管狭窄への対処法と金属管のデメリットについて教えてください。
80代・男性のご相談
ご相談いただきありがとうございます。膵臓の病気で胆管が狭くなり、黄疸が出ているということですね。
胆管狭窄で黄疸が出た場合、肝臓で作られる胆汁が消化管まで到達せず、途中の胆道(胆管)でうっ滞していることになります。そうすると、便として体の外に排泄されるべきビリルビンが体内に溜まってしまい、肝臓の不具合や進行すると腎臓などの他臓器、全身に不具合を及ぼします。
また、「金属管を入れる治療法」との点ですが、「ステント」を意味するものと理解いたします。なお、これまでにどのような治療を受けられてきたかはわからないので、一般的なお話をさせていただきますね。
【胆管狭窄に対するステント治療―特に「カバー付きの金属ステント」について】
治療としては、一般的に内視鏡での胆管ステント留置が第一選択になります。狭くなった胆管を押し広げるようにステントという管を入れ込んで、胆汁の流れをつける治療です。
ステントは、大きく次の4つに分けられます。
- プラスチックステント
- 金属ステント
- 網目状のメッシュのステント
- メッシュのステントにカバーが付いているもの
膵臓の病気による胆管狭窄の場合は、カバー付きの金属ステントが選ばれる場合が多いです。プラスチックステントを使用する場合もありますが、がんによる狭窄の場合は特に初回は金属を使用する場合が多いです。
カバー付きステントのメリットは、メッシュ内に組織がめり込まないため、腫瘍や狭窄部分の組織で再狭窄を起こしにくいという点です。また、挿入したことで万が一不具合が出た場合に、抜き取って入れ直す・交換することも状況によってですが、可能です。
デメリットは、カバーなしのタイプより、滑りやすいため自然脱落といってステントを入れたあとに、外れてしまう場合や、膵液の出口である部分がステントで塞がれて膵炎を起こしてしまうリスクもあります。
どのステントが適しているかは、病状によって主治医が判断します。まずは、主治医に詳しい説明を受けて、どんな治療法があるのかをしっかりと聞いてみてください。納得した上で治療を受けることが大切です。
何か不安なことがあれば、遠慮せずに医師に相談してくださいね。あなたの健康を心から願っています。
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