右下腹部の痛みについて、何科を受診すべきか教えてください。
50代・女性のご相談
お腹の右下に痛みがあり、どの科を受診すべきか悩んでいます。2か月前から右下腹部に断続的な痛みがあり、締め付けられるような感覚です。痛みはへその高さから付け根まで動くことがあります。最初は排卵痛や生理痛かと思いましたが、関係ない時期にも痛みが続いています。鎮痛薬(NSAIDs)を服用すると治ることもあります。
これまでに泌尿器科で尿検査を受けましたが、血尿や異常な菌は見つかりませんでした。婦人科でエコー検査、大腸内視鏡検査も受けましたが、いずれも問題はありませんでした。虫垂炎は過去に手術済みです。持病として視神経脊髄炎があり、治療薬を使用していますが、熱やだるさはありません。
このような状況で、どの科を受診すればよいのか、アドバイスをいただけると助かります。
ご相談いただきありがとうございます。右下腹部の痛みが続いていて、いくつかの病院を訪ねても原因がわからず、不安な気持ちでいらっしゃることと思います。これまで泌尿器科、婦人科、消化器内科で検査を受けられたとのことですが、特に異常が見つからなかったのですね。虫垂炎の手術を受けたことがあり、現在は視神経脊髄炎の治療でお薬を使用されているとのこと、承知しました。
【どの科を受診すべきか】
いくつかの診療科で異常がないと言われた場合、次にどの科を受診すればいいのか迷われるのは当然です。痛みの原因として考えられる可能性と、それに対応する診療科をいくつかご提案いたします。
【次のステップ】
痛みの原因を見つけるために、以下の診療科への受診を検討されてはいかがでしょうか。
1. 消化器内科(再診)
- 理由: 大腸内視鏡で異常がなかったとしても、過敏性腸症候群などの可能性があります。便秘や下痢がある場合は特に注意が必要です。また、まれに小腸に原因があることも考えられます。視神経脊髄炎の治療薬の副作用として腹痛が起こることもあるので、再度相談してみる価値はあります。
- 相談内容: これまでの検査結果や症状の経過、痛みの詳細、視神経脊髄炎の治療薬の服用状況を伝え、機能性疾患や小腸の問題、薬の影響について相談してください。
2. 神経内科 / ペインクリニック
- 理由: 視神経脊髄炎に関連する痛みや、神経が原因の痛みの可能性も考えられます。特に痛みが移動したり、締め付けられるような感覚がある場合は、神経が関係しているかもしれません。ペインクリニックは痛みの専門家です。
- 相談内容: 右下腹部の痛みの特徴、視神経脊髄炎の状態、視神経脊髄炎の治療薬の服用状況を伝え、神経系の痛みの可能性について評価をお願いしてください。視神経脊髄炎の主治医にまず相談し、紹介してもらうとスムーズです。
3. 整形外科
- 理由: 腰や骨盤周りの筋肉や関節、神経の問題が、右下腹部に痛みとして現れることもあります。
- 相談内容: 痛みの場所や特徴、腰痛の有無を伝え、骨盤や腰椎に由来する痛みの可能性について診察を受けてください。
【補足】
- 鎮痛薬(NSAIDs)が効くことについて: 消炎鎮痛剤が効くということは、炎症が痛みの原因に関与している可能性がありますが、原因がわからない限り対症療法にとどまります。
- 視神経脊髄炎の主治医への相談: 現在治療中の視神経脊髄炎の主治医にも、右下腹部の痛みについて相談してください。病気との関連や、治療薬の副作用について専門的な意見を聞くことが大切です。
【まとめ】
右下腹部の痛みが続き、原因がわからない状況でご心配かと思います。考えられる原因は多岐にわたるため、ひとつの可能性に絞らず、さまざまな角度から原因を探っていくことが必要です。まずは消化器内科を再診し、機能性疾患や薬の影響について相談されることをおすすめします。
そして、視神経脊髄炎の主治医に現在の症状を詳しく伝え、病気との関連や神経系の痛みの可能性について相談されるとよいでしょう。そのうえで必要に応じて、ペインクリニックや整形外科への紹介を検討してもらうのがよいと思います。原因が特定できずおつらい状況かと思いますが、医師と連携しながら解決の糸口を見つけていきましょう。どうぞお大事になさってください。
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