肺動脈性肺高血圧症と診断されました。QOL改善について相談させてください。
50代・男性のご相談
ご相談いただきありがとうございます。ファロー四徴症の手術を受けたあと、肺動脈弁の手術を経て、さらに肺動脈性肺高血圧症と診断され、心不全や不整脈、うつ病も抱えていらっしゃるとのこと。お仕事や今後の生活について深く考えておられることと思います。動悸の症状もあり、ご不安な気持ちをお察しします。
【肺動脈性肺高血圧症の診断について】
「本当に肺動脈性肺高血圧症なのか知りたい」というお気持ち、よく理解できます。通常、この病気の診断には心臓の超音波検査を行い、その後、右心カテーテル検査という詳しい検査で肺動脈の圧力を直接測定します。この検査で他の原因を除外して診断されます。
診断の根拠となった検査結果について、主治医の先生にもう一度確認してみるとよいかもしれません。詳しい説明を聞くことで、病状への理解が深まり、安心感が得られるかもしれません。それでも疑問が残る場合は、他の専門医の意見を聞くことも考えてみてください。
【今後の治療と生活の質の改善について】
「少なくとも数年は働き続けたい」というお気持ち、しっかりと受け止めました。肺動脈性肺高血圧症は専門的な治療が必要ですが、最近では治療法が進歩しており、適切な治療で症状をコントロールし、生活の質を維持・向上させることが可能です。
- 治療法の検討: 肺動脈性肺高血圧症の治療には、さまざまな薬が使われます。また、必要に応じて在宅酸素療法やリハビリも行われます。他の病気の状態も考慮しながら、治療法を検討します。動悸の原因も特定し、対処していく必要がありますので、主治医に詳しく相談してください。
- 日常生活の管理: 無理のない範囲での活動や、塩分・水分の管理、感染予防、禁煙(もし喫煙されている場合)などが大切です。具体的なアドバイスを主治医や看護師、リハビリの専門家から受けるようにしましょう。
- 精神的なサポート: うつ病の治療も続け、心の安定を保つことが重要です。必要であれば、精神科医や心理士との連携も考えてみてください。同じ病気を持つ方々との交流も支えになることがあります。
- 市販薬について: 肺動脈性肺高血圧症の治療には専門的な薬が必要です。市販薬での対処は難しいので、専門医の指示に従ってください。
【まとめ】
肺動脈性肺高血圧症は複雑な病気で、特に手術後の状況では専門的な診断と治療が必要です。まずは、主治医に診断の根拠を確認し、「数年間は働きたい」という目標を伝えて、生活の質を改善する計画を一緒に立てていきましょう。必要であれば、専門医の意見を聞くことも考えてみてください。市販薬での自己判断は避け、必ず専門医の指示に従ってください。動悸などの症状についても、主治医に相談してください。大変な状況かと思いますが、適切な治療と管理で生活の質を維持・改善していく道を一緒に探していきましょう。
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