食事中にむせこんだ時はどうしたらいい?食事中のむせこみがある
監修医師原瀬 翔平亀田総合病院 脳神経内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2022/04/15
概要
食事中のむせこみがあるとは、飲食物が気管に誤って入りかけることで咳き込む状態です。加齢や脳血管障害による嚥下機能の低下が主な原因であり、誤嚥性肺炎のリスク因子とされています。日本では毎年約4万人が誤嚥性肺炎で亡くなっており、頻繁なむせこみがある場合は嚥下機能の評価のため耳鼻咽喉科やリハビリ科の受診が有効です。
誤嚥とは
「誤嚥」とはどのような症状ですか?
飲み込む際に食物や唾液が食道に入るところを、誤って気管に入り、肺へ送られてしまう状態を指します。
誤嚥とは、飲み込む際に食物や唾液が食道を通って胃に送られるところを、誤って気管に入り、肺へ送られてしまう状態を指します。
この際、口の中の細菌(プラーク)も一緒に肺に運ばれることがあり、これが「誤嚥性肺炎」という病気を引き起こす原因となります。
誤嚥には、むせや咳の反射が起こらない「不顕性誤嚥」と呼ばれるものもあり、特に高齢者に多く見られます。この症状は気づきにくく、夜間の睡眠時に唾液を誤嚥するケースもあります。
誤嚥を防ぐためには、嚥下機能を向上させる訓練や口腔衛生の管理が重要です。
また、誤嚥が疑われる状況で熱が出た場合、肺炎に移行している可能性があるため、早めの医療機関受診が推奨されます。
誤嚥の原因
誤嚥の原因や考えられる病気には何がありますか?
脳卒中やパーキンソン病などの病気や、抗精神病薬や抗不安薬、睡眠薬といった薬剤があります。
誤嚥の主な原因は、飲み込み(嚥下)機能の低下です。これは、加齢や病気、薬剤によって咽頭や食道の筋肉の動きが鈍くなり、飲み込む力が落ちることで起こります。
誤嚥の原因として最も多いのが、脳卒中やパーキンソン病などの神経疾患です。ほかにも、認知症、咽頭がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、逆流性食道炎などが誤嚥の原因になりえます。
また、誤嚥の原因となる薬剤としては、意識レベルを低下させたり、咳反射を低下させるものがあります。具体的には、抗精神病薬や抗不安薬、睡眠薬などは、意識レベルを低下させ、嚥下機能を弱める場合があります。
一方で、アルコールなども、咳反射を低下させることで誤嚥につながります。
受診の目安・何科を受診するべきか
誤嚥の場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?
内科を受診しましょう。特にむせが続く、熱が出る、痰が出るといった場合には、受診を検討しましょう。
誤嚥の際には、まず内科を受診しましょう。
食べ物や飲み物を飲み込む際に、むせるなどして誤嚥することは、誰にでも起こることですが、特に以下の場合には早めの受診が推奨されます。
- むせや咳が続き、改善しない場合:誤嚥が原因で肺炎(誤嚥性肺炎)を起こしている可能性があります。特に高齢者や慢性疾患がある方は要注意です
- 発熱や息苦しさ、痰が増える場合:これらの症状は肺炎の兆候であることがあります
- 飲み込むのが難しい状態が続く場合:嚥下障害の可能性があり、診察や専門的な検査が必要です
特に高齢者や持病がある方では、放置すると重症化するリスクがあるため、早めの対応を心がけましょう。
対処法・セルフケア
誤嚥した時の対応は、どうしたらいいですか?
咳をして誤嚥したものを外に出しましょう。発熱などの症状がある場合には医療機関の受診が必要です。
誤嚥してしまった場合、まずは咳が出るか確認してください。咳が出る場合は、体の自然な反応で誤嚥物を排出しようとしているため、無理に止めずに咳を続けましょう。
ただし、以下の場合には誤嚥性肺炎が疑われるため、すぐに医療機関を受診してください:
- 咳やむせが続き、改善しない
- 息苦しさがある
- 熱が出たり、症状が徐々に悪くなる
特に高齢者や基礎疾患がある方は、誤嚥性肺炎のリスクが高いため注意が必要です。
誤嚥が頻繁に起こる場合は、加齢による嚥下障害のほかにも病気や薬が影響している可能性もあるため、一度内科を受診することをおすすめします。
検査・診断
誤嚥のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
ものを飲みこむ際、慢性的にむせや咳が出る場合や痰が多い場合には、誤嚥の可能性があります。また、誤嚥を起こしやすい原因として、以下のものがあります。
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、誤嚥かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。
誤嚥の治療
誤嚥の治療や予防方法には何がありますか?
食事自体や食べ方を工夫する、口の中を清潔に保つ、リハビリをするといった方法があります。
誤嚥の治療や予防は、原因や体の状態に応じて異なりますが、以下の方法が一般的です。
- 食事環境の工夫:食事中はまっすぐ座る姿勢を保ち、ゆっくり噛んで飲み込む習慣をつけましょう
- 食事の形状を調整:とろみ剤を使って飲み物を飲み込みやすくする、柔らかい食事を選ぶなど、食べ物を調整することが効果的です
- 口腔ケア:口の中を清潔に保つことで、誤嚥時の感染リスクを減らします
- リハビリ:嚥下訓練や口腔体操で、飲み込む力を鍛えるリハビリが役立つ場合があります
また、疾患や薬の影響で誤嚥しやすくなることがあるため、医師に相談して原因を特定し、それに合った対策を講じることが重要です。生活習慣の改善が大きな予防効果を生みます。
誤嚥について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「食事中のむせこみがある」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 体温は37.5℃以上ですか?
- のどの痛みはありますか?
- 胸やけがしますか?
- ろれつが回らないですか?
誤嚥に関連する病気・症状
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この記事の監修医師
原瀬 翔平
亀田総合病院 脳神経内科・内科
University of Washington (理学部、分子細胞生物学) 卒業後、アップルジャパン株式会社勤務を経て、琉球大学医学部に入学。沖縄県立中部病院での初期臨床研修(2016, 2017年度最優秀研修医賞受賞)修了後、2018年4月に亀田総合病院に入職。同院脳神経内科ベスト指導医(2019, 2020)を受賞。2018年から亀田総合病院卒後研修センター長補佐も兼任しており、臨床だけでなく研修病院における医学教育にも力を入れている。2021年には国立循環器病研究センター脳血管内科で超急性期脳卒中診療を行う。 総合内科の視野を持ちながらの脳神経内科領域、特に脳卒中を専門とする。急性期だけでなく予防、慢性期脳卒中による症候性てんかん、高次脳機能評価、リハビリ、等にも精通。頭痛、しびれ、物忘れ等の主訴にも柔軟に対応できる。 日本語、英語(ネイティブ)、中国語(日常会話)での対応も可能。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2022/04/15