症状がない場合と症状がある場合での進行速度はどのくらい違いがありますか?
脳腫瘍の進行速度は、症状の有無だけでなく腫瘍の種類やグレードによって異なります。
はじめに脳腫瘍は、1〜4の4段階のグレードに分けられます。
グレード1は良性脳腫瘍で、手術で取り除くことができると、再発の危険は少なくなります。グレード2〜4は悪性脳腫瘍と呼ばれ、グレードが上がるにつれて腫瘍の進行速度が速くなり、悪性度が増します。
例えば、グレード1に分類される髄膜腫は、5年生存率(診断から5年後に生存している方の割合)が約97%と言われています。
そして、複数人の無症候性(無症状の)髄膜腫患者さんを約4年間追跡調査した結果、全体の37%の腫瘍は大きくならず、大きくなった腫瘍でも2倍の大きさになるまでに平均で約10年要したという報告があります。
一方、グレード4に分類される膠芽腫では、平均的な生存期間は1年半から2年、5年後の生存率は15%です(2019年報告)。
このことから症状の有無を問わずグレード4の場合、腫瘍の進行速度が年単位で違ってくることがわかります。
このように、脳腫瘍は腫瘍の種類、グレードによって進行速度が大きく異なります。
東京医科歯科大学病院 がんゲノム診療科 特任助教
石橋 直弥 監修
(参考文献)
こちらの記事は参考になりましたか?
よろしければ、ご意見・ご感想をお寄せください。
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
脳腫瘍
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
疾患について分かりやすくまとまっています
1
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
2
一問一答なので 読むのが簡単
3
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
初めての方へ
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ