短腸症候群

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最終更新日

短腸症候群の原因は何がありますか?

横浜医療センター 消化器科

川崎 千瑛 監修

手術によって小腸を大量に切除することが原因です。

解説

短腸症候群の原因は、手術によって小腸を大量に切除することです。
手術となる原因としては主に以下が挙げられます。

成人の場合

クローン病

小腸や大腸などの消化管におこる原因不明の炎症で、腸に潰瘍(粘膜や皮膚が深いところまで傷ついた状態になること)ができる、穴があく、もしくは狭くなるなどの変化で腸を切除する手術が必要になる場合があります。

腸管の血流障害

腸に栄養を送る血管に血栓ができる、もしくは腸が捻じれることで血流が遮断されると腸が壊死(えし:生体内の細胞や組織が死んでしまうこと)します。壊死した腸管を切除する手術が必要になり、その範囲が長いと大量切除になります。

悪性腫瘍(がん)

小腸自体にできる悪性腫瘍や、他の臓器の悪性腫瘍が小腸に転移するなどして、小腸の通り道が狭くなる、あるいは動きが悪くなり手術が必要になることがあります。

小児の場合

先天性疾患(生まれつきの異常)が原因の場合が多いです。

壊死性腸炎

腸の血流障害に細菌感染が重なって腸が壊死してしまう状態です。早産児や低体重出生児に起こることが多いとされています。

腹壁破裂

生まれつきへその緒の右側の壁がなく、小腸などが外に出てしまっている状態です。脱出している小腸が壊死している場合、小腸切除が必要になります。

小腸閉鎖

生まれる前(胎児期)の腸のねじれや腸重積が原因で先天的に腸管の閉鎖(または狭窄)が起こっている状態です。閉塞が解除されず、小腸の流れが阻まれている、もしくは壊死が起こる場合に手術が必要です。

中腸軸捻転

小腸の長さは新生児ですでに1.5~2mほどあり、この長い小腸をお腹のなかに納めるために、胎児のうちに腸がお腹の中で回転し、固定されていきます。この回転と固定がうまくいかないことを腸回転異常症といい、さらに正常でない位置に固定され、腸が捻れてしまうものを中腸軸捻転といいます。捻転で長い腸が壊死してしまうと大量切除する必要があります。

上記以外にも状態によって小腸切除の手術をおこなう場合があります。

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