狂犬病の場合、主にどのような治療をしますか?
症状が出た後の有効な治療法はありません。感染直後の潜伏期間中にワクチンを接種することで発症を抑えます。
発症してしまった後の有効な治療法はありませんが、以下のような対策・対処を行うことが重要です。
海外での対処法
海外では、
- 狂犬病の恐れのある動物に接触しないこと
- 咬まれたり引っかかれたりしたら、発症を阻止するための予防策を取ること
が非常に重要です。
感染が疑われる場合
海外で動物に咬まれるなどして感染が疑われる場合には、まずは傷口を石鹸と水(できれば流水、15分以上)でよく洗い、消毒液で消毒してください。粘膜から感染する可能性があるので、決して傷口を口で吸いださないでください。
その後、現地で早急に医療機関を受診してください。
発症を阻止するために、咬まれてからできるだけ早くワクチンの接種や免疫グロブリン(抗体)の投与を行います(曝露後予防)。ワクチンは一回だけではなく、複数回にわたって接種が必要です。
予防のために、事前にワクチンを接種していた場合でも、感染の可能性があれば曝露後予防を行う必要がありますので、注意してください。
使用するワクチン・免疫グロブリンの種類やスケジュールは、
- 以前に狂犬病ワクチンを接種しているか(いつ接種したか)
- 接触した動物は何か
- どの程度の傷か
- その地域でどの製剤を使用できるのか
などによって異なりますので、医師とよく相談してください。
日本での対処法
日本では、狂犬病ワクチンとして、ラビピュールⓇ筋注用が処方箋医薬品として承認されています。渡航前の事前予防や、発症阻止のために使用できます。
発症した場合の治療
現時点では、狂犬病を発症してしまうと有効な治療法はありませんが、発症した場合には、
- 栄養やビタミンなどの補給
- 解熱薬
- 鎮静(薬で眠ることにより脳を休ませる)
などの治療を行います。
公開日:
最終更新日:
京都大学医学部附属病院呼吸器内科 呼吸器内科
渡邉 アヤ 監修
(参考文献)
厚生労働省.“狂犬病に関するQ&Aについて”.厚生労働省.https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html,(参照 2024-05-29).
厚生労働省.“狂犬病対応ガイドライン2001”.厚生労働省.https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/pdf/05-01.pdf,(参照 2024-05-29).
厚生労働省検疫所.“狂犬病(Rabies)”.厚生労働省検疫所.https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/name47.html,(参照 2024-05-29).
グラクソ・スミスクライン.“ラビピュールⓇ筋注用 添付文書”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6313400E1025_1_03/,(参照 2024-05-29).
Andrea Julia Nigg et al. Overview, prevention, and treatment of rabies. Pharmacotherapy.. 2009, 10, p.1182-1195.
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