猪苓湯は長期服用してもいいですか?
半年程度、猪苓湯を長期内服することの安全性は知られていますが、副作用もあるため定期的な診察が必要です。
猪苓湯は漢方薬の一種ですが、成分として甘草を含んでいないため、ミネラルバランスの異常(電解質異常)の懸念が少なく、安全性が高い漢方薬として考えられています。
複数の研究結果から、最長6か月の使用で抗菌薬と同等の安全性が示され、重大な有害事象は報告されていません。
また、利尿薬に抵抗性の心不全や、免疫チェックポイント阻害薬に伴う難治性の膀胱炎の治療においても、数週間から2か月間使用し続けても、重篤な副作用が確認されず、長期動物実験では、逆に腎機能の保護効果などのよい効果も示唆されています。
ただし、まれに肝機能障害や電解質異常は報告されているため、開始1か月以内に採血検査で肝機能や腎機能を確認し、問題がなければ3〜6か月ごとに受診していただきつつ、使用を継続することが推奨されます。
異常があれば、早めに担当の医師と相談して中止を検討しましょう。症状が安定した際は、担当医と相談してなるべく少ない量で使える場合もあります。
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
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