膀胱炎は予防できますか?
適切な水分摂取や排尿を我慢しすぎないことなどは、膀胱炎発症の予防効果があります。
膀胱炎は、種類によって予防できるものと、そうでないものがあります。以下のようにいくつかの予防法があります。
細菌による膀胱炎の予防法
適切な水分摂取
十分な水分摂取により尿を薄めて、菌を洗い流す効果が得られ、1日1.5リットルの追加水分摂取により、細菌による膀胱炎再発が約50%減少することが確認されています。ただし、飲みすぎると尿量が増えるため頻尿になります。
クランベリー製品の摂取
クランベリーに含まれる成分は、膀胱炎の主な原因菌である大腸菌が、膀胱壁に付着することを特異的に阻害するメカニズムがあります。そのため、複数の研究でクランベリージュースなどが、大腸菌による膀胱炎の予防に有効であると考えられています。
その他、日常的な予防策
排尿を長時間我慢しすぎないことや、性行為後に排尿することは、膀胱炎の予防に効果的とされています。
医学的な予防
排尿障害などで、残尿が多い際に薬物療法や物理的に排尿させる適切な導尿は、膀胱炎のリスクを軽減します。また、閉経後に女性ホルモンが低下することで、膀胱炎を発症しやすくなる場合は、女性ホルモンを局所的に補充する治療が、膀胱炎を含めた尿路感染症の発症リスクを軽減します。
他の原因による膀胱炎の予防法
間質性膀胱炎/膀胱痛症候群
現在は病気の確定的な原因が見つかっておりませんが、酸性度の高い食品(柑橘類、トマト)や、カフェイン含有飲料、アルコール、人工甘味料、辛い食品、チョコレートなどを食べないことで、症状の悪化を予防できるという報告があります。また、禁煙は膀胱痛症候群の予防に有効と言われています。
出血性膀胱炎
十分な水分補給や、出血性膀胱炎を起こしやすい抗がん剤を使用する時に、メスナという薬剤を予防投与することなどが挙げられます。
放射線性膀胱炎
膀胱に当たる放射線の量や当てる方法によって、発症を減らせる可能性があります。放射線治療技術の進歩により、膀胱への放射線が当たる量は、近年大幅に減少しつつあります。
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
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