膀胱炎では尿の匂いに異常がみられますか?

細菌尿や膿尿があると、やや刺激のある匂いになることがあります。

解説

膀胱炎の症状としては、頻繁に尿意を感じて排尿する(頻尿)ことや、急に我慢できないほどの尿意がくる(尿意切迫感)、夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)、排尿時の痛みなどが挙げられます。

尿の匂いの変化について

細菌性膀胱炎では、尿検査で膿尿(尿に膿が混じること)が確認される場合があり、これが治療が必要とされる所見のひとつです。膿尿がある場合、アンモニア様の刺激のある匂いを伴うことがあります。これは、細菌が尿素をアンモニアに分解することや、白血球や細菌の代謝物質によるものです。

重要な医学的区別

逆に、刺激のある匂いがあっても頻尿や排尿時の痛みなどの膀胱炎症状がない場合は、「無症候性細菌尿」と呼ばれる状態で、膀胱炎とは区別されます。無症候性細菌尿では、尿中に細菌は存在するものの、膀胱の炎症症状がないため、通常は治療の対象とはなりません。ただし、膿尿(白血球の増多)の有無は、無症候性細菌尿でもさまざまで、膿尿があっても症状がなければ無症候性細菌尿として扱われます。

注意点

尿の匂いだけで膀胱炎を診断することはできません。研究では、尿の匂いによる膀胱炎の診断精度は、約3分の1で誤りがあることが報告されています。匂いのある尿があっても、必ずしも膀胱炎とは限らず、脱水、食事内容、薬剤などの影響もあるため、適切な症状の評価と尿検査による確認が重要です。

頻尿、排尿痛、尿意切迫感などの典型的な膀胱炎症状とともに、尿の匂いの変化がある場合は、泌尿器科を受診し、適切な検査を受けることをおすすめします。

公開日

最終更新日

東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科

秋元 隆宏 監修

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