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十二指腸潰瘍の生存率はどのくらいですか?
横浜医療センター 消化器科
川崎 千瑛 監修
早めに治療をして出血や穿孔(穴があくこと)を予防すれば、死亡することはほとんどありません。
出血や穿孔(消化管に穴が開くこと)を合併しない場合、十二指腸潰瘍が原因で亡くなることはほとんどないと言ってよいでしょう。ただし、出血や穿孔などの合併症を引き起こした場合は、命に関わることがあります。
消化性潰瘍(胃潰瘍と十二指腸潰瘍を合わせた総称)で入院する患者さんの死亡率は、約3%だったという報告があります。
出血を合併すると死亡率は約6%まで上がりますが、その場合も、出血そのものが死因となる割合は2割に満たず、多臓器不全や心肺機能の低下などの他の病気が原因で亡くなることが多いです。
したがって、他の重篤な病気があったり、出血を起こしたりしなければ、十二指腸潰瘍そのものが原因で亡くなることは少ないと言えます。早めに治療を開始して、合併症を防ぐことが重要です。
(参考文献)
日本消化器病学会. 消化性潰瘍診療ガイドライン2020(改訂第3版). 南江堂. 2020
Y Richard Wang et al. Trends and outcomes of hospitalizations for peptic ulcer disease in the United States, 1993 to 2006. Ann Surg. 2010, 251, p.51-58.
Joseph J Y Sung et al. Causes of mortality in patients with peptic ulcer bleeding: a prospective cohort study of 10,428 cases. Am J Gastroenterol. 2010, 105, p.84-89.
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