腎盂腎炎が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?
膀胱炎の症状や発熱、倦怠感、背中の痛みを自覚した場合は病院を受診する目安となります。
腎盂腎炎は膀胱から腎臓の一部である腎盂に尿が逆流し細菌が侵入することによって引き起こされることが多いです。
そのため、はじめは膀胱炎の症状(排尿時の痛み、残尿感、頻尿、血尿、濁った尿、下腹部の違和感など)が現れることが多いですが、気づかない場合もあります。膀胱炎では熱がでることはありません。
その後、さらに逆流して腎盂腎炎に至ると、発熱や全身のだるさなどの膀胱以外に現れる症状が出てきます。また、痛みがある側の肋骨や背骨のあたりを叩くと痛みを感じることがあります。同時に、気持ち悪さや吐き気などの消化器症状が現れることも多いです。
膀胱炎は飲水と排尿による排菌で自然に治癒することもありますが、腎盂腎炎は抗生物質治療を行わないと治癒しません。
次のような該当する症状がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
- 膀胱炎の症状(排尿時の痛み、残尿感、頻尿、血尿、濁った尿、下腹部の違和感など)
- 発熱
- 全身のだるさ
- 背中や腰の痛み
軽症であれば飲み薬による通院治療も可能ですが、放置すれば尿路感染による敗血症を引き起こす危険性もあります。我慢せず早めの受診を心がけてください。
公開日:
最終更新日:
虎の門病院分院 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
(参考文献)
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「腎盂腎炎」とはどのような病気ですか?
腎盂腎炎とは、腎実質あるいは腎盂と呼ばれる尿が流れる部位に細菌感染を起こす尿路感染症のひとつです。
腎盂腎炎の原因は何がありますか?
膀胱から腎盂に尿が逆流し細菌が侵入することにより起こります。解剖学的な理由で起こることが多いです。
腎盂腎炎ではどのような症状がありますか?
先に膀胱炎の症状が現れることが多く、その後、発熱や全身のだるさなどの膀胱以外に現れる症状が見られます
腎盂腎炎には初期症状はありますか?
まず膀胱炎の症状(排尿時の痛み、血尿、頻尿など)がみられ、腎盂腎炎に至ると発熱や全身のだるさが出ます。
腎盂腎炎の場合、主にどのような治療をしますか?
抗菌薬による治療を行います。
腎盂腎炎が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
腎盂腎炎が疑われる場合は、まず内科を受診してください。必要であれば泌尿器科も受診します。
腎盂腎炎のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
腎盂腎炎は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
腎盂腎炎は主にβ-ラクタム薬やキノロン系薬といった抗菌薬治療が推奨されています。
腎盂腎炎で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
抗生物質が効かない場合は別の抗生物質に切り替えます。場合によっては外科的な治療を要することがあります。
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