不良肉芽ではどのような症状がありますか？

【不良肉芽とは】

傷を治そうとして新しく作られる組織（肉芽組織）のうち、うまく増殖する力が弱くなり、傷の治りが遅れている状態を「不良肉芽」と呼びます。

【見た目と色の特徴】

• 色：健康な肉芽（鮮紅色）とは異なり、薄いピンク色（淡紅色や貧血色）や、濃い赤色（暗赤色）に見えます。
• 表面：表面が粗造でざらざらとした外観を呈し、増殖力が低下しています。

【組織の状態と感染】

• 脆弱性：不良肉芽は、触るとすぐ崩れて出血しやすい、もろい（脆弱な）組織であることが多いです。特に、明るい赤色や薄いピンク色で脆弱な場合は、ばい菌による感染を伴っていることが多くあります。
• 混在物：黄色い壊死組織（死んでしまった組織）と混ざって見られることもあります。
• 限界保菌状態：ばい菌がいてもまだ重度の感染（感染創）に至っていない「限界保菌状態（critical colonization）」では、不良肉芽が認められるにもかかわらず、膿が出たり、発熱や強い赤みといった明らかな炎症症状が見られないことがあり、判断が難しい場合があります。