エムポックス(サル痘)とはどのような病気ですか?

エムポックス(サル痘)はエムポックスウイルスによる感染症で、主にアフリカで流行しています。

解説

エムポックスは別名をサル痘とも言い、エムポックスウイルスへの感染によって皮疹(ひしん:皮膚の赤みやブツブツ)が発現する病気です。
1970年にヒトへの感染が確認され、主に中央アフリカから西アフリカにかけて流行しています。日本では2022年7月に1例目が報告され、これまでに248例が確認されています(2024年8月20日時点)。

基本的には、時間の経過とともに自然治癒します。ただし、重症患者さんや、以下のような重症化するリスクの高い患者さんは、早めに治療を行うことが推奨されています。

重症化するリスクの高い患者さん

  • 身体の免疫機能が十分に働かない方(免疫不全を有するHIV感染症、臓器移植患者さん、免疫抑制剤や放射線の治療を受けている方、白血病など)
  • 12歳未満のお子さん
  • 妊娠中・授乳中の方
  • 重度の皮膚疾患の方(アトピー性皮膚炎、重度のにきびなど)


エムポックスは、コンゴ盆地型(クレードⅠ)と西アフリカ型(クレードⅡ)の2系統に大別されます。
クレードⅠの死亡率は約10%、クレードⅡは比較的症状が軽く死亡率は1%程度です。2022年にWHOが緊急事態を宣言した際は、主に西アフリカ型の変異型(クレードⅡb)が広がっていました。
今回(2024年)の緊急事態宣言では、より致死性の高いコンゴ盆地型の変異型(クレードⅠb)が広がっているものとみられています。

公開日

最終更新日

東日本橋内科クリニック 循環器内科 院長

白石 達也 監修

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(参考文献)

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