狂犬病

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最終更新日

狂犬病ではどのような症状がありますか?

京都大学医学部附属病院呼吸器内科 呼吸器内科

渡邉 アヤ 監修

感染後1~3か月して、頭痛や発熱などにはじまり、錯乱、麻痺などが現れ、昏睡、呼吸不全に至ります。

解説

狂犬病の症状

特徴的な症状としては、

  • 強い不安感
  • 錯乱
  • 水を見る・冷たい風などにより起こる喉や首の筋肉のけいれん
  • 高熱
  • 麻痺
  • うまく体が動かない
  • 全身のけいれん 

などがあります。
喉や首のけいれんは強い痛みを伴うため、発作の原因となる飲水や冷たい風を避けるようになります(恐水症、恐風症)。
その後、呼吸障害などの症状が現れ、死亡するとされています。

病状経過

病状経過は、潜伏期、前駆期、急性神経症状期、昏睡期の4期に分けられます。

潜伏期

潜伏期では、ウイルスが体内に侵入したものの、症状が出ていない期間です。咬まれた部位や程度、処置などで左右されるため、15日程度〜1年以上とばらつきが大きくなります。約60%では潜伏期が1~3ヶ月とされています。

前駆期

前駆期は、2~10日間です。発熱頭痛、食欲不振などの一般的に風邪などで起こる症状に加え、すでに治った後の咬まれた部分が再びチクチク痛んだり、知覚過敏やかゆみが起こります。
これらの知覚過敏や痛みは範囲が広がり、咬まれた手足でけいれんが起こります。

急性神経症状期・昏睡期

急性神経症状期・昏睡期は通常2~7日間です。強い不安感や動揺が見られますが、意識がしっかりしている時もあります。また、約半数で喉の筋肉がけいれんし、飲み込みが難しくなります。このけいれんは、飲水や冷たい風にあたることで誘発され強い痛みを伴うため、飲水や風をさけるようになります(恐水症、恐風症)。
さらに進行すると、高熱、錯乱、うまく体が動かなくなる、叫び声をあげるなどを経て、全身のけいれんが現れ、昏睡となります。昏睡期では意識がなくなり、血圧低下、不整脈、呼吸の障害を経て、死亡に至ります。
一方で、恐水症や恐風症がなく、麻痺が主な症状となる場合も20%程度存在し、この場合には長ければ数週間ほどかけて死亡に至ります。咬まれた部位から徐々に麻痺が広がって、全身の筋肉が動かなくなり、昏睡・死亡に至ります。

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