鼻茸を放置するとどうなりますか?
鼻茸を放置すると鼻づまりや嗅覚障害が進行し、気管支喘息などの合併症が悪化することがあります。早めの治療が重要とされています。
鼻茸を放置すると起こる症状の悪化
鼻茸(はなたけ)とは、鼻の中の粘膜にできるやわらかいポリープのことです。鼻茸を治療せずに放置すると、鼻茸が徐々に大きくなり、鼻腔(びくう)をふさいでしまうことがあります。その結果、以下のような症状が悪化していきます(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)。
- 慢性的な鼻づまり
- 粘り気のある鼻水
- 頭が重い感じ(頭重感)
- 嗅覚の低下
鼻茸と嗅覚障害の関係
鼻茸が大きくなると、においの分子が嗅覚を感じる部分(嗅裂)に届かなくなり、嗅覚障害が生じます(JESREC)。とくに好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)という難治性のタイプでは、鼻茸による嗅裂の閉鎖や嗅上皮の炎症による障害のために、においがまったくわからなくなることもあります(難病情報センター)。嗅覚障害は放置が長引くほど、回復しにくくなるとされています。
鼻茸に合併しやすい気管支喘息などの病気
鼻茸、特に好酸球性副鼻腔炎に伴う鼻茸は、気管支喘息やアスピリン不耐症を合併しやすいことが知られています。好酸球性副鼻腔炎の患者さんのうち約30〜35%が気管支喘息を併発するとされています(難病情報センター)。鼻の治療を行わないまま放置すると、気管支の症状も悪化する可能性があります。また、好酸球性中耳炎を合併した場合には、難聴が進行することもあります(難病情報センター)。
鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎を長期間放置するリスク
鼻茸の多くは慢性副鼻腔炎に伴って発生します。重度の慢性副鼻腔炎が長年にわたって放置されると、まれに上顎がん(じょうがくがん)が発生しやすくなるとされています(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)。また、好酸球性副鼻腔炎では手術で鼻茸を摘出しても再発しやすく、術後6年で約50%が再発するとの報告もあります(難病情報センター)。
鼻茸の症状が気になるときは
鼻茸は自然に治ることが少なく、放置すると症状が悪化しやすい病気です。鼻づまりが続く、においがわかりにくいなどの症状がある場合は、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
清水 猛史. 「鼻副鼻腔炎診療の手引き」の要点. 日鼻誌. 2024, 63, 162~164.
難病情報センター.“好酸球性副鼻腔炎(指定難病306)”..https://www.nanbyou.or.jp/entry/4537,(参照 2026-07-10).
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会.“耳鼻咽喉科・頭頸部外科が扱う代表的な病気 鼻の病気”.日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会.https://www.jibika.or.jp/modules/disease/index.php?content_id=21,(参照 2026-07-10).
好酸球性副鼻腔炎研究会.“好酸球性副鼻腔炎”.JESREC.https://jesrec.jp/general/disease.html,(参照 2026-07-10).
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真生会富山病院 耳鼻咽喉科
阿河 光治 監修
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