鼻茸は自然治癒しますか?
鼻茸は自然に治ることはほとんどありません。慢性的な鼻の炎症が原因で生じるため、薬物療法や手術などの治療が必要とされています。
鼻茸とは
鼻茸(はなたけ)とは、鼻の中の粘膜がきのこ状にふくらんでできる良性のできもので、鼻ポリープとも呼ばれます。慢性的な鼻の炎症が続くことで粘膜がむくみ、鼻腔(びくう)の中にぶら下がるように成長します。片側だけにできることもあれば、両側にできることもあります。
鼻茸が自然治癒しにくい理由
鼻茸は、慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)などの炎症が原因で生じるため、その炎症が続く限り自然に消えることはほとんどありません。ステロイドの内服薬により一時的に縮小することはありますが、感染などをきっかけに再び大きくなることがあるとされています(難病情報センター)。
特に好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)という病型では、手術で鼻茸を取り除いても再発しやすく、長期的な治療の継続が必要です。
鼻茸の原因と慢性副鼻腔炎との関係
鼻茸の多くは慢性副鼻腔炎に伴って発生します。慢性副鼻腔炎には大きく分けて、以下の2つの病型があります(厚生労働省)。
- 非好酸球性:細菌感染による慢性炎症が主な原因で、抗菌薬による治療が基本となります
- 好酸球性:アレルギーに関わる好酸球(こうさんきゅう)という白血球が関与し、両側に多数の鼻茸ができやすく、嗅覚障害(きゅうかくしょうがい)が早い段階から現れることが特徴です。気管支喘息(きかんしぜんそく)を約30〜35%の方が合併するとされています(難病情報センター)
鼻茸の治療法
鼻茸の治療は、まず薬物療法から始めるのが基本です。ステロイド点鼻薬やマクロライド系抗菌薬の内服により炎症を抑え、鼻茸の縮小を図ります。薬物療法で十分な効果が得られない場合には、内視鏡下副鼻腔手術(ないしきょうかふくびくうしゅじゅつ)で鼻茸や病的な粘膜を取り除き、副鼻腔を広げる方法が検討されます(鼻副鼻腔炎診療の手引き)。
鼻茸を放置するとどうなる?
鼻茸を放置すると、鼻づまりの悪化や嗅覚の低下が進行し、日常生活に支障をきたすことがあります。また、好酸球性副鼻腔炎の場合は気管支喘息の悪化や、好酸球性中耳炎による難聴の進行につながる可能性も指摘されています(難病情報センター)。鼻づまりや嗅覚の異常が続くときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
鼻副鼻腔炎診療の手引き作成委員会. 鼻副鼻腔炎診療の手引き. 日鼻誌. 2024, 63, p.1-85.日本鼻科学会編『鼻副鼻腔炎診療の手引き』2024年(日本鼻科学会会誌 63巻1号 p.1-85)
難病情報センター.“好酸球性副鼻腔炎(指定難病306)”..https://www.nanbyou.or.jp/entry/4537,(参照 2026-07-10).
厚生労働省.“最適使用推進ガイドライン メポリズマブ(遺伝子組換え)~鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎
~”..https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001302590.pdf,(参照 2026-07-10).
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真生会富山病院 耳鼻咽喉科
阿河 光治 監修
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