鼻茸ががんになることはありますか?
鼻茸自体ががんになることはないとされていますが、似た見た目の悪性腫瘍との鑑別が重要です。
鼻茸(はなたけ)は良性のポリープであり、がん化の心配は基本的にありません。ただし、鼻茸に似た見た目の腫瘍の中には悪性のものもあるため、正確な診断が大切です。
鼻茸(鼻ポリープ)とは
鼻茸(はなたけ)とは、鼻の中の粘膜がむくんで膨らみ、きのこ状の形になった良性のポリープです。副鼻腔炎(ふくびくうえん)に伴って発生することが多く、鼻づまりや嗅覚障害(きゅうかくしょうがい)の原因になることがあります(日本鼻科学会)。好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)という難治性の副鼻腔炎では、両側の鼻に多数の鼻茸ができることが知られています(難病情報センター)。
鼻茸ががんになる可能性
鼻茸自体は良性の粘膜病変であり、鼻茸ががん化(悪性化)することはないとされています(日本鼻科学会)。鼻茸はあくまで炎症によって粘膜が腫れたものであり、腫瘍(しゅよう)とは性質が異なります。そのため、鼻茸と診断された場合に、それ自体ががんに変わる心配は基本的にありません。
鼻茸と間違えやすい鼻の腫瘍
鼻の中にできるポリープ状の腫れ物には、鼻茸以外にも見た目が似た病気があります。代表的なものが 副鼻腔内反性乳頭腫(ふくびくうないはんせいにゅうとうしゅ)です。この腫瘍は組織学的には良性ですが、扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)という悪性腫瘍を合併することがあると報告されています(日本鼻科学会会誌 2022;61(1):179-180)。系統的レビューでは、副鼻腔内反性乳頭腫の約9%が悪性転化したと報告されています(Eur Arch Otorhinolaryngol. 2017;274(8):2991-3000)。このように、鼻茸に似た見た目でも注意が必要な腫瘍が存在します。
鼻茸とがんを見分けるための検査
鼻茸と悪性腫瘍や前がん病変を見分けるために、以下のような検査が行われることがあります。
- CT検査:鼻や副鼻腔の内部の構造を詳しく確認し、腫瘍の広がりを調べます
- MRI検査:軟部組織の性状をより詳しく評価し、腫瘍と炎症性ポリープの鑑別に役立ちます
- 病理検査:鼻茸の一部を摘出して顕微鏡で調べ、良性か悪性かを確定します
鼻の腫れ物が鼻茸なのか別の腫瘍なのか判断がつかない場合には、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
日本鼻科学会 編「鼻副鼻腔炎診療の手引き」日本鼻科学会会誌 2024;63(1):1-85
平川仁, 池上太郎, 當山昌那, 鈴木幹男. 副鼻腔内反性乳頭腫と副鼻腔癌の基礎と臨床. 日本鼻科学会会誌 2022;61(1):179-180
Re M, Gioacchini FM, Bajraktari A, et al. Malignant transformation of sinonasal inverted papilloma and related genetic alterations: a systematic review. Eur Arch Otorhinolaryngol. 2017;274(8):2991-3000
難病情報センター「好酸球性副鼻腔炎(指定難病306)」https://www.nanbyou.or.jp/entry/4537.(参照 2026-09-07).
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真生会富山病院 耳鼻咽喉科
阿河 光治 監修
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