槌指(マレットフィンガー)が治らないのはなぜですか?
十分な装具固定を守っていない場合や、骨折を伴う重症例である場合などがあります。
この病気が治らない、または治りにくい主な原因には、患者さんが治療の指示を正しく守れない場合や、重度の骨折を伴う損傷であるため手術療法が必要な場合などがあります。具体的には以下のような場合です。
固定の不徹底
装具を使用する保存加療において、指先の第1関節をまっすぐに固定し続けることが非常に重要です。自己判断で装具を外したり、固定期間を守らなかったりすると、指を伸ばす伸筋腱が修復できずに治癒が難しくなります。
治療開始の遅れ
怪我をしてから時間が経つと、腱や骨折部位が元の位置に戻りにくくなり、治療に苦労することが多くなります。
重度の損傷
骨折を伴い、骨片が大きくずれている場合や、関節が脱臼しかけている場合(亜脱臼)など、重度の骨性マレットでは、手術による正確な整復と固定が必要になります。骨折の重症度によっては、手術を行った場合でもリハビリを含めた治療期間が長くなる場合があります。
合併症の発生
治療過程で「スワンネック変形」や細菌感染症、皮膚トラブルなどの合併症が発生すると、機能回復が困難になることがあります。
この病気は正常な経過でも治療期間が長くなることが一般的です。治療に難渋する原因は個々の状況によって異なるため、十分に医師の話を聞くようにしましょう。
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(参考文献)
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最終更新日:
山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
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